9月30日に発刊されたソフトバンクの「統合報告書 2024」。2023年度の財務情報に加え、中長期成長戦略やESG戦略など、ソフトバンクの今だけでなく、目指す姿とコミットメントをまとめた報告書となっています。
ソフトバンクは、「次世代社会インフラ」の実現と企業価値の向上に向けて技術戦略を推し進めています。2023年8月には、日本語に特化した国産の大規模言語モデル(LLM)の研究開発と生成AIサービスの開発、販売、提供を主な事業とするSB Intuitions株式会社が本格的に稼働。その背景について、国産生成AI 開発責任者 丹波廣寅のメッセージを一部抜粋して紹介します。
国産生成AI 開発責任者インタビュー
日本語ベースのLLMを構築し、次の飛躍に向けた礎をつくり上げる
SB Intuitions株式会社のミッションを教えてください。
当社のミッションは、ソフトバンクの完全子会社として、生成AIを中心とした技術開発を行うことです。足下では、日本語のデータセット※1で開発された、約3,900億パラメーター※2を持つマルチモーダル対応※3の大規模言語モデル(LLM:Large Language Models)を2024年度中に完成させることを目標としており、中長期的には約1兆パラメーターまで引き上げることを目指して取り組んでいます。
- ※1
大規模言語モデルの学習のために使用するデータの集合
- ※2
言語モデルの複雑さや学習能力を表す指標
- ※3
テキスト、音声、画像、動画、センサー情報など、二つ以上の異なる種類のデータから情報を収集し、それらを統合して処理するAIシステム
なぜ日本語ベースのLLMの開発に取り組んでいるのでしょうか?
先々を見据えたときに、デジタルサービスの中心が生成AIになっていくとするならば、その根幹となる日本語ベースのLLMを国内で持つ必要性があると考えたからです。現在の日本のデジタルサービスを見渡してみると、OSやクラウドサービスのように、大部分を海外企業に頼っている状況です。デジタル貿易赤字は年々拡大しており、2023年には5.5兆円もの規模となりました。よく利用される生成AIが海外のものだけになるのであれば、ライセンス料の支払いなどで、この赤字はさらに拡大するのではないかと危惧しています。当社が開発するLLMを通じて、国富が国内に残る構造をつくり上げるとともに、ソフトバンクの成長につなげていきたいと考えています。
統合報告書では、丹波がSB Intuitions株式会社の代表取締役社長 兼 CEOとして、当社が開発を行っている日本語LLMの優位性と収益化に向けた考え方、今後の見通しについて語った内容が掲載されています。
続きは、「国産生成AI 開発責任者メッセージ」(P48)をぜひご覧ください。
ソフトバンク「統合報告書 2024」

ソフトバンクが目指す姿や中長期的な成長戦略、価値創造プロセス、マテリアリティ、財務・非財務情報を網羅的に掲載し、年1回発行しています。
(掲載日:2024年10月7日)
文:ソフトバンクニュース編集部