ソフトバンクモバイル株式会社(以下「ソフトバンクモバイル」)は、2014年1月24日、27日、28日の3回にわたって、3.4-3.6GHz帯を用いた「LTE-Advanced TDD」の実証実験のデモンストレーションを行いました。東京都中央区の銀座周辺をバスで走行しながら実施した今回のデモンストレーションでは、移動中でも高速通信を維持できている様子を参加者の方々にご覧いただきました。
下り通信速度773Mbpsを記録
「LTE-Advanced TDD」は、「第4世代(4G)」と呼ばれる次世代携帯電話サービスの通信方式の一つです。従来よりも広い周波数帯域幅と最先端の通信技術を使うことで、光ファイバー回線並みに速い、下り最大1Gbpsの通信速度を実現することができます。ソフトバンクモバイルでは、昨年7月に実験試験局の本免許を取得し、東京都内において3.4-3.6GHz帯を用いた「LTE-Advanced TDD」の実証実験を進めてきました。
今回は、自動車走行時における「LTE-Advanced TDD」の実証実験のデモンストレーションを公開しました。移動局の送受信装置やアンテナが取り付けられたバスで通信を行いながら銀座周辺を走行し、多数の参加者に移動中でも高速通信が維持できていることを体験いただきました。
銀座は人口密度が高く、狭い通りの両脇に高いビルが建ち並んでいる典型的な繁華街で、通信を行う上で厳しい条件となるエリアです。しかし、ソフトバンクモバイルでは、理論値で下り最大1Gbpsの通信速度実現を目標とし、「キャリア・アグリゲーション※1」や、「MIMO※2」などと呼ばれる、通信速度を向上させる技術を使うことで、これまでの実験で最大773Mbpsの通信速度を記録しており、今回のデモンストレーション中にも、769Mbpsの通信速度を出すことに成功しました。また、「CoMP※3」という技術により、従来は通信速度が低下しやすかった、隣接する基地局間のエリア境界付近でも、500~700Mbpsの通信速度を維持することが可能になりました。この結果、走行中でも高解像度の4K動画※4を途切れることなく快適に見ることができました。
今回の実証実験で使用した周波数帯は、現在総務省が割り当てを検討している次世代携帯電話サービスのための新しい周波数帯(3.4-3.6GHz帯)と同じ帯域です。総務省では、今年の夏ごろに割り当て方針を定め、年内にも割り当てる事業者を決めるとみられています。
ソフトバンクモバイルでは、モバイルブロードバンドでのさらなる快適な通信環境を構築するため、引き続き次世代携帯電話サービスの実証実験を進めてまいります。
- ※1
キャリア・アグリゲーション(Carrier Aggregation)とは、複数のLTEキャリア(1キャリア当たり最大20MHz幅)を同時に利用することを可能とするものであり、実現可能な最大通信速度が向上する。
- ※2
MIMOは、複数の基地局送信アンテナから異なるデータ信号を送信しつつ、複数の端末受信アンテナで信号を受信し、信号処理技術により送信アンテナごとのデータ信号に分離を行うことで、通信速度を向上させる技術。
- ※3
CoMPは、単一あるいは複数の端末に対して、複数の基地局(送受信ポイント)が協調して送受信信号の処理を行うことにより、特に隣接基地局間のエリア境界付近での通信速度を改善する技術。
- ※4
横4,000×縦2,000ピクセル程度の解像度に対応した動画。
(掲載日:2014年2月13日)