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国内初のスターバックス コーヒー サイニングストアってどんな店? アプリで手話を学んで行ってみよう

国内初のスターバックス コーヒー サイニングストアってどんな店? アプリで手話を学んで行ってみよう

皆さんは手話を学んだり、手話で会話をしたりしたことはありますか?日常会話として使う人、仕事で勉強した人もいると思いますが、多くの人はほとんど触れる機会がないのではないでしょうか。

そんな手話を共通言語にしたスターバックスが、今年6月にオープンしたそうです。実はソフトバンクもCSR活動の一つとして、ゲーム感覚で手話を学べる無料アプリ「ゲームで学べる手話辞典」を提供中。手話には並々ならぬ思いがあるんです。国内初のスターバックス サイニングストア「スターバックス コーヒー nonowa国立店」がどんなお店なのか見学してきました。

コミュニケーション方法も展示も多彩でにぎやかな店内

コミュニケーション方法も展示も多彩でにぎやかな店内

新宿駅から電車で約30分、JR国立駅に併設する商業施設に「スターバックス コーヒー nonowa国立店」がオープンしました。ここは聴覚に障がいのあるパートナー(スターバックスでは従業員を「パートナー」と呼んでいます)が中心となって店舗運営を行う店舗です。手話は英語で「Sign Language(サイン・ランゲージ)」ということから、「サイニングストア」と呼ばれています。

サイニングストアは、2016年にマレーシアで第1号店が開店。手話や紙を使って注文するため「世界一静かなスタバ」として人気を呼び、これまで米国や中国などに計4店舗がオープンし、この国立店は世界で5店舗目、日本国内では初だそうです。

「国立店もすごく静かなお店なのだろうか、スムーズに注文できるだろうか」と少し緊張しながら行ってみたところ、明るくオープンで、とても入りやすい雰囲気でした。

駅直結の商業施設らしく、雑貨や食料品などの小売店が並び、買い物客が訪れる広いフロアの一角にあり、手話で話すお客さんだけでなく、学生、会社員、小さい子ども連れのお母さん、お年寄り、サークルの仲間など、さまざまな来店客でにぎわっていました。

看板には「STARBUCKS」を表すさまざまな形の手が!

看板には「STARBUCKS」を表すさまざまな形の手が!

サイニングストアでの注文方法は?

サイニング・ストアでの注文方法は?

サイニングストアでは、健聴者と聴覚に障がいがあるパートナーが一緒に働いています。注文の方法も、手話だけでなく、音声や指差し、筆談も可能。さまざまなコミュニケーションツールが用意されていたので、手話ができなくても安心して注文できました。

指差しメニュー

話すと文字で表示される音声変換ツール

筆談用ボード

左から、指差しメニュー、話すと文字で表示される音声変換ツール、筆談用ボード

上から、指差しメニュー、話すと文字で表示される音声変換ツール、筆談用ボード

商品を受け取る場所にはデジタルサイネージが設置されていて、レシートに印字された番号が表示されます。そのサイネージには、あいさつなどでよく使われる手話の動画も表示されていて、待っている間に自然と手話が目に入ってくるようになっていました。

「こんにちは」の手話は、両手の人差し指を曲げて、人が両側からお辞儀をしているような表現をします。

「こんにちは」の手話は、両手の人差し指を曲げて、人が両側からお辞儀をしているような表現をします。

店内を彩る手話をモチーフにした作品たち

商品を受け取り、席を探そうと店内を進んでいくと、壁いっぱいにカラフルな絵が。手話をモチーフにした作品で、「ミルク」「エスプレッソ」「フラペチーノ」などのスターバックスのメニューにちなんだものや、「ありがとう」「またね」などのあいさつを表す温かみのある絵が描かれています。お店を素敵な空間にしてくれるだけでなく、眺めているうちに自分も思わず描かれた手の形を真似てみたくなるような作品です。

店内を彩る手話をモチーフにした作品たち

両親がろう者のイラストレーター門秀彦さんによる、手話をモチーフにした作品「Talkative hands(おしゃべりな手)」。描かれたハンドサインの中には、スターバックスで使用できる独自のものもあるそうで、本当にこのお店にぴったりです。

「国立店はどんな店?」パートナーさんに聞いてみました

「国立店はどんな店?」パートナーさんに聞いてみました

佐藤涼太郎さんは聴覚障がいがあるパートナーさんです。このお店で働いている感想などをうかがいました。

お店がオープンしてみて、感想はいかがですか?

第一言語が手話であるスターバックスがオープンし、そこで働くことで改めて自分の第一言語は手話であることを実感するとともに、第一言語を用いて働ける喜びが大きいですね。個性豊かな仲間たちとともに、お客さまへスターバックスでの体験を提供できることがとても楽しいです。

聞こえ方や言語が違うだけでみんなさまざまな個性を持った人間であること、さまざまな可能性を秘めていることを、このお店を通して広く発信していきたいなと思っています。

どんな方が来店されていますか?

さまざまなお客さまがいます。聴者の方や聴覚障がいの方、音声言語を第一言語として生きる方や手話を第一言語として生きる方、また、手話を知らない方、第二言語として手話を習得している方、これから習得する方。それだけではなく、車いすの方や盲の方、老若男女がいらっしゃいます。

ここが手話を第一言語として行うスターバックスであることを知らずに来店するお客さまもいます。その方も新たな発見や気づきを得ることができているのではと思います。お客さまとコミュニケーションをするたびにお互い新しい発見があるのでとても楽しいです。

仕事で困ることはありますか?

意外と困るのはドリンク作業やレジ操作など、手を使う場面が多い職場の中で手話を用いるという形なので、音声言語ではできる「ながら作業」が視覚言語である手話になると滞ってしまう面ですね!

「国立店はどんな店?」パートナーさんに聞いてみました

続いてお話をうかがったのは、聴者で手話ができるパートナーの金田優季さん。お店のアシスタントストアマネージャーさんです。

お店がオープンして1カ月半。感想はいかがですか?

障がいのあるなしに関係なく、たくさんのお客さまが来て下さり、会話を通して笑顔が生まれるのをみて、嬉しさ、やりがいを感じています。いきいきと手話で会話をするお客さまや、「ここのお店ができたから、手話を覚えたんだ」とおっしゃって下さるお客さまもいて、今までにない新しい経験や可能性がたくさんあることを、日々実感しています。

また、日に日に成長していくパートナーに感謝と誇らしさを感じています。オープン前に比べ、できることもお客さまとの接し方も格段にパワーアップしました。その努力や成長意欲に驚く毎日です。私たちだからこそ届けられるサービスをパートナーが全力で提供できるよう、環境をしっかりと作りサポートしていきたいと思います。そしてこの店舗を通じて、多様性や人間らしさを認め合い、自分らしく働くことの価値を世界に広めていきたいと強く感じています。

金田さんは、なぜ手話をおぼえたのですか?

一番初めに手話に触れたのは、小学校3年生の時に地域の手話ダンスサークルに入ったときでした。手話ダンスは、歌の歌詞を手話で表現し、ダンスに合わせて曲を表現するものです。当時は本当に楽しくて、勉強よりも夢中になって取り組んでいました。そこからしばらく手話からは離れていて、今回の店舗に配属が決まり、改めて学びなおしています。

一緒に働く仲間たちが、ゆっくりとしたスピードで手話で話してくれたり、私が間違えても正しく教えてくれたり、そうして日常の中で手話に触れ、常に学んでいます。

手話を覚えるのは難しくなかったですか?

自分にとっては、小学生のころから遊びを通して覚え、親しんでいる言語だったため、一から言語勉強をするようなハードルの高さはありませんでした。しかし、単語や文法に関しては全く知識が追い付かず、伝えたい言葉をスムーズに伝えることのできない歯痒さや、相手の言っていることを理解することの難しさを今でも日々感じています。子供がはじめの言語を習得するように、会話の中で新しい言葉を覚え、習い、マネをして日々レベルアップを図っています。

「国立店はどんな店?」パートナーさんに聞いてみました

佐藤さんは、国立店の前は茨城県にあるつくばキュート店で勤務。手話を知らない人にコーヒーと一緒に手話という言語にちょっと触れていただくイベントを定期開催したり、職場以外でも聴者とろう者が交流する場を企画したりするなど、手話を広める活動をしているそうです。

スターバックスが大切にしているテーマ「NO FILTER」を体現する店

最後にスターバックス コーヒー ジャパン 広報部の山田朱香さんに、なぜこのお店を作ったのかなどをうかがいました。

山田 朱香さん

マーケティング本部 広報部 企業広報チーム
山田 朱香さん

なぜこのお店をオープンしたのでしょうか?

スターバックスでは、企業理念として「お互いに心から認め合い、誰もが自分の居場所と感じられるような文化をつくる」を掲げています。これまでも、多様性を尊重し誰もが自分の居場所と感じられる、自分らしく働ける環境創りを大切にしてきました。すでに、聴覚に障がいのあるパートナーが全国各地の店舗で活躍しておりますが、この店舗は聴覚に障がいのあるパートナーとの座談会をやった際、「自分たちでお店をやりたい」という夢を語ってくれたことをきっかけに、みんなで実現させました。

今回手話が共通言語の店舗をオープンすることで、彼らが本来の力を発揮し、いきいきと働ける場を生み出すことで、新たな可能性が生まれ、全国の店舗にポジティブな影響を波及させていくことを目指しています。

手話で会話する従業員さんは何人ぐらいいるのですか?

スターバックス全体では、聴覚に障害があるパートナーは65名勤務しています。また、もともと手話を学んでいたり、聴覚に障がいのあるパートナーと一緒に働きながら手話を覚えていくパートナーも多くおります。店舗では自主的な手話講座なども開かれています。

コーヒーのドリップ時間が音ではなく時計の振動で分かる「シルウォッチ」。聴覚に障がいのあるパートナーへのサポートツールとして導入している。

コーヒーのドリップ時間が音ではなく時計の振動で分かる「シルウォッチ」。聴覚に障がいのあるパートナーへのサポートツールとして導入している。

手話などの接客コミュニケーションへの取り組みを教えてください。

会社として全国の店舗へ用意しているツールの一つとして、聴覚に障がいがあるパートナーは、「Please Face Me」のバッジの着用が可能です。これは、お客さまにコミュニケーションに関し、協力を得ていただくことを目的としています。また、聴者のパートナーは“手話ができること”が描かれたバッジを着用し、聴覚に障がいのあるお客さまがお越しの際に安心してお声掛けいただけるようにしています。

「Please Face Me(こちらを向いてください)」と「耳」が描かれたバッジは聴覚障がいのあるパートナーが、「手」が描かれたバッジは「手話ができます」という意味で、聴者のパートナーがつける。

「Please Face Me(こちらを向いてください)」と「耳」が描かれたバッジは聴覚障がいのあるパートナーが、「手」が描かれたバッジは「手話ができます」という意味で、聴者のパートナーがつける。

「Please Face Me(こちらを向いてください)」と「耳」が描かれたバッジは聴覚障がいのあるパートナーが、「手」が描かれたバッジは「手話ができます」という意味で、聴者のパートナーがつける。

店内では、店員さんもお客さんもいろいろな形でコミュニケーションしていましたね。

スターバックスとして何よりも大切にしていることは「先入観や思い込み、偏見を持たず、人種、年齢、性別、役割や雇用形態、障がいの有無、個人の価値観などの違いを超えてすべての人を温かく迎え入れ、認め合い、そして一人ひとりが自分らしくいられる社会」。これはスターバックスのダイバーシティ&インクルージョンのテーマ「NO FILTER」として掲げています。

店舗コンセプトは、”Infinite Possibility(無限の可能性)“。聴覚に障がいのあるパートナーやお客さまにとって、ありのままの自分で居られる場所であり、夢や未来を描ける場所、そしてこの店舗を訪れた誰もが新たな気づきを得られる場所になればと考えています。

ぜひ多様なコミュニケーションを楽しむ場として、お店にお越しください。お待ちしております。

今日はお店に来ることができてよかったです。本当にありがとうございました。

スターバックスが大切にしているテーマ「NO FILTER」を体現する店

スターバックスジャパンの佐藤さん、金田さん、山田さん、ありがとうございました。

今回おじゃました編集部員は手話がまったくできないので、できる人がうらやましくなりました。このお店を訪れた人の中には、手話をやってみようかなという気持ちになった人がきっと何人もいるのではないでしょうか。興味を持った方は、スマホで楽しみながら手話が学べるアプリをぜひ使ってみてください。

スターバックス コーヒー nonowa 国立店

住所:〒186-0001 東京都国立市北 1-14-1 nonowa 国立
TEL:042-505-9223
営業時間:7:00-22:00
定休日:不定休

スターバックス コーヒー nonowa 国立店

楽しみながら手話を覚えよう。「ゲームで学べる手話辞典」

ソフトバンクは、辞書やゲームで楽しく手話が学べる無料のスマートフォンアプリ「ゲームで学べる手話辞典」を提供しています。このアプリは、実際の手話の動きを360度回転可能な3Dアニメーションで収録した3,000語以上の辞書と楽しいゲーム機能によって、手話をわかりやすく楽しく学べるアプリとなっています。

ゲームで学べる手話辞典

「ゲームで学べる手話辞典」の工夫

  1. 360度回転可能な3Dアニメーションで3,000語以上の手話を学習でき、手話の話者視点でさまざまな角度から細かい手の動きを確認できます。
  2. 表現の由来も学べるほか、手の動きを自分に合った再生速度に変更することが可能です。
  3. 背面透過機能によって、話者の視点から手の動きを把握することができます。
  4. 辞書で覚えた単語は「手話学習文字入力ゲーム」で楽しみながら学べます。

ゲームで学べる手話辞典

アプリの利用イメージは動画でもご覧いただけます。

「ゲームで学べる手話辞典」は、より多くの方にお使いいただけるよう、iPhoneとAndroidのスマートフォンに対応しています。

「ゲームで学べる手話辞典」について詳しくみる

アプリをダウンロードする

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Google Play

  • 簡単な日常会話単語集(約1,400語)は無料でご利用いただけます。追加機能のご利用には料金が発生しますので、ご確認のうえご利用ください。
  • iPhone向けは2014年2月から、Android対応スマートフォン向けは2020年5月から提供を開始しました。
  • 「ゲームで学べる手話辞典」は、手話アプリケーションとして初めて公益社団法人東京聴覚障害者総合支援機構、東京都聴覚障害者連盟から推薦を受けました。
  • ソフトバンクの収益の一部は聴覚障がい者支援団体などへ寄付します。

(掲載日:2020年8月14日)
文:ソフトバンクニュース編集部

無料のスマホアプリ「ゲームで学べる手話辞典」

ゲームで学べる手話辞典

ソフトバンクは、辞書やゲームで楽しく手話が学べる無料のスマートフォンアプリ「ゲームで学べる手話辞典」を提供しています。「スターバックス コーヒー nonowa国立店」に行くときは「コーヒー」の手話も覚えていくとよいかもしれませんね!

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