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もう失敗しない! プロのフォトグラファーが伝授する子どもの運動会や発表会を撮影するコツ

もう失敗しない! プロカメラマンが伝授する子どもの運動会や発表会を撮影するコツ

日々大きくなるわが子の今の姿を残そうと、普段から写真を撮っている方も多いのではないでしょうか。中でも運動会や発表会といった行事は、成長した子どもの姿を見られる貴重な機会。はりきって撮影に臨んだものの、大勢の子どもたちの中でわが子を見逃してしまったり、動きに追いつけずベストショットを逃してしまったり… 普段とは違う状況のなかで苦戦する方も多いようです。そこで今回、わが子の「決定的瞬間」を逃さないための撮影のコツやテクニックを、プロのフォトグラファーで2児の母でもある成田有佳莉さんに伝授いただきます。一生に一度の思い出をベストショットで残しましょう!

目次

成田 有佳莉(なりた・ゆかり)さん

成田有佳莉さん

秋田県出身。大学在学中に写真に目覚め、夜間の写真学校に通い学ぶ。
その後六本木スタジオ勤務を経て、回里純子氏に師事、2008年に独立。小学6年と4年の息子2人の母。主に雑誌の撮影で幅広く活動中。今夏、出張写真館「ヒカリノ写真館」をスタート予定。

instagram:
naritayukari_p
hikarinoshashinkan

大勢の中にいるわが子をバッチリおさえるには? 撮影前の準備と心得

運動会や発表会といったイベントの撮影は、やり直しがきかない一発勝負。だからこそ、事前の準備が大切です。まずは、撮影前に確認しておきたいポイントや、最適なカメラの選び方を教えていただきました。

  • 当日までにプログラムを把握しよう

    運動会や発表会などの撮影で難しいのが、大勢の中にいるわが子を見つけ出すこと。当日慌てないためには、クラスや何組といった基本的なことの他、事前にプログラムを把握しておくことが大切です。
    幼稚園・保育園や学校によっては、学級だよりなどで出演種目や整列位置、ダンスの振り付けなどを詳しく教えてくれるところも。しっかりチェックして子どもの動きをインプットしておきましょう。また、大勢の中にいるわが子を見失わないために、目立つ色の靴下や靴を履かせるといった対策をする親御さんもいるようです。

実際の学級だより。子どもの動きを赤ペンでチェック!

実際の学級だより。子どもの動きを赤ペンでチェック!

成田さん

「私もそうですが、撮影のために人混みをかき分けて前に出るのは気が引けるという人も多いはず。子供の出演種目を把握していれば、撮りたい種目の2つ前には撮影場所に移動しておき、ジリジリと前に出るようにするといった裏ワザも使えます」

  • 撮影ポイントを絞ろう

    あれもこれもと欲張らず「これだけは撮ろう」と決めて集中するほうが、良い写真が撮れる可能性が高くなります。運動会や発表会などの学校行事には学校専属のカメラマンが撮影に入っていることがほとんど。子どもに近づくことができず、上手に撮れそうになければ無理をせずお任せしてしまうのも手です。

  • バッテリーやメモリーカードには余裕を持って

    動画や連写を多用していたら、バッテリーやメモリーカードの容量が足りなくなってしまい、肝心な場面で撮影ができなかったというトラブルもよく聞く話です。

成田さん

「同じカメラを数年使っていると、老朽化してバッテリーの減りが早くなることがあります。改めて状態をチェックしておくとともに、バッテリーは前日に必ずチャージして、できれば予備も持っておきましょう」

また、動き回る子供を撮影するには身軽でいることも大切。
「わざわざ予備のバッテリーやメモリーカード、撮影用機材などを席まで取りに戻らなくても済むよう、必要なものはサコッシュなどにまとめておくと、便利ですよ」

撮影の荷物はサコッシュにコンパクトにまとめて

撮影の荷物はサコッシュにコンパクトにまとめて

シーンに最適なカメラは?

撮りたいシーンによって最適なカメラを使い分けることも、上手に撮影をするポイントです。それぞれのカメラの特長やメリット・デメリットをチェックしましょう。

  一眼レフ・ミラーレス スマートフォン ビデオカメラ
適したシーン
  • 徒競走など動きの速い種目
  • 遠くから撮影するとき
  • 近くに寄れるとき
  • 玉入れなど全体の様子を撮影するとき
  • 人が密集しているときや、動き回りながら撮影するとき
  • ダンスや演劇など全体の流れや音楽を楽しみたいとき
メリット
  • ズームも高画質
  • 一瞬の動きを逃さない
  • イメージとの誤差が少ない
  • 光を自動で調整可能
  • SNSにすぐアップできる
  • 声や音楽など音声も残せる
デメリット
  • 光の調整が難しい
  • 使い慣れていないとピンボケしやすい
  • 遠くからの撮影は適さない
  • 手ブレ補正が弱い
  • パソコンやモニターがないと楽しみにくい
  • 後から見返す機会が少ない
  一眼レフ・ミラーレス スマートフォン ビデオカメラ
適したシーン
  • 徒競走など動きの速い種目
  • 遠くから撮影するとき
  • 近くに寄れるとき
  • 玉入れなど全体の様子を撮影するとき
  • 人が密集しているときや、動き回りながら撮影するとき
  • ダンスや演劇など全体の流れや音楽を楽しみたいとき
メリット
  • ズームも高画質
  • 一瞬の動きを逃さない
  • イメージとの誤差が少ない
  • 光を自動で調整可能
  • SNSにすぐアップできる
  • 声や音楽など音声も残せる
デメリット
  • 光の調整が難しい
  • 使い慣れていないとピンボケしやすい
  • 遠くからの撮影は適さない
  • 手ブレ補正が弱い
  • パソコンやモニターがないと楽しみにくい
  • 後から見返す機会が少ない
  • スマホも工夫次第でベストショットが撮れる

    スマホのカメラのレンズは「広角レンズ」なので、写る範囲が広く、広範囲にピントが合いやすいのが特長。そのため、近距離での撮影から風景撮影まであらゆるシーンで使い勝手が良いものの、遠くにいる被写体をズームアップして撮るのは苦手です。スマホで撮影するなら、ズーム機能に頼らなくてもいいように、できる限り被写体に近づける撮影ポジションを見つけましょう。

成田さん

「スマホなら、少し暗く写ってしまったときもアプリで明るく加工したり、好きな色味にフィルターをかけたりできますし、撮影後の楽しみも豊富です」

  • 撮影場所に制限があるときもスマホは便利

    撮影場所やタイミングに制限があるときは、三脚より場所をとらずに手軽に使える「自撮り棒」が活躍します。使用の際は周りの撮影の邪魔にならないよう、マナーに注意しましょう。

実際の運動会で。子どもの席の後ろからでも撮影できる

実際の運動会で。子どもの席の後ろからでも撮影できる

スマホで撮影するなら! あると便利なアイテム

離れた場所をスマホで撮影したいなら、スマホにクリップで簡単に取り付けられるスマホ用望遠レンズが便利です。

スマホのレンズ部分にしっかり固定するのが上手に撮影するコツ

スマホのレンズ部分にしっかり固定するのが上手に撮影するコツ

「ちょっと手元を動かしただけでも画角が大きく変わってしまうので、慣れていない方は練習が必要かもしれませんが、手軽で楽しいなと思いました。オールドレンズのような少しくすんだ感じの仕上がりも味があり、後でフィルターをかければよりビンテージ感が出て面白いかもしれません」(成田さん)

実際の運動会でスマホ用望遠レンズを試してみました!

一眼レフに比べてクリアさは欠けるものの、遠くにいる子どもの姿をしっかり捉えられました!
一眼レフに比べてクリアさは欠けるものの、遠くにいる子どもの姿をしっかり捉えられました!

一眼レフに比べてクリアさは欠けるものの、遠くにいる子どもの姿をしっかり捉えられました!

【実践】運動会でわが子の活躍を上手に撮影するコツ

ここからは実際の運動会で撮影を実施! 構図やポジションなど子どもの姿を上手に撮影するためのコツとポイントを教えていただきます。

  • 走る姿は、コーナー付近・ゴール地点がベストスポット!

    運動会の花形種目である徒競走やリレー。走る姿を上手に撮影するためには、ポジショニングがなにより大切です。どんなシーンや姿を収めたいのかによって撮影ポジションが変わるので、夫婦や家族で手分けをして撮影するのもおすすめです。

コーナー付近
走っている姿を躍動感たっぷりに撮りたいなら、トラックのコーナー付近がおすすめ。歯を食いしばり、必死にゴールを目指す表情も抑えることができます。

躍動感あふれる姿が撮れる

躍動感あふれる姿が撮れる

ゴール付近
カメラ初心者はゴール前で待ち構え、子どもが近づいてくるところをおさえるのがベスト。ゴール前はホッとして表情が一番やわらかくなるため、自然と良い写真に。このエリアは人気のため、ゴール真正面だけでなく、斜めのポジションでも試してみてください。

一番のハイライト。やわらかい表情が撮れる

一番のハイライト。やわらかい表情が撮れる

ゴール斜めからも狙い目

ゴール斜めからも狙い目

成田さん

「手ブレを防ぐためにも、スマホの画面やカメラのファインダーをのぞいた状態で子どもを探したり追いかけたりしないのがポイント。カメラ用語では“置きピン”と言いますが、子どもの動きを実際に目で追って、画面の中に入ってくるのを待ち構えてシャッターを切りましょう」

  • ダンスなど移動の多い種目は撮りたいシーンをピンポイントで狙う

    ダンスや組体操など移動の多い種目は、撮りたいシーンやポーズをあらかじめ決めておき、ピンポイントで狙うのが良いでしょう。また、近くから撮るのが難しい種目でおすすめしたいのが、出番を待つ子どもたちの集合場所。友だちとふざけ合っている様子や、演技前の緊張している表情などをおさえることができます。

撮りたいシーンをピンポイントで狙って撮影

撮りたいシーンをピンポイントで狙って撮影

自分の席で出番を待つ様子。子どもの近くに寄って緊張した表情をおさえることができる

自分の席で出番を待つ様子。子どもの近くに寄って緊張した表情をおさえることができる

自分の席で出番を待つ様子。子どもの近くに寄って緊張した表情をおさえることができる

  • 「風景」として撮影するワザも

    玉入れや大玉ころがし、綱引きなど大人数が入り乱れる種目は、無理にわが子の姿を捉えようとせず、引きの構図で全体を“風景”として撮影する手もあります。その場合は一眼レフカメラよりも広範囲をきれいに撮影できるスマホのほうが向いているかもしれません。

「風景」として撮影するワザも

成田さん

「いい写真が撮れそうになければ、いさぎよくあきらめ応援に徹します。撮影に集中するには見極めも肝心です!」

素早く動き回る子どもの撮影に使えるテクニック

予想できない子どもの動きは「かわいい」「おもしろい」の連続。そんなシャッターチャンスを逃さないようにするにはどうしたら良いのでしょうか?
ここからは、運動会だけでなく、さまざまなスポーツシーンや普段の公園遊びなどでも使えるテクニックを教えていただきます。

  • 獲物を捕らえるようにシャッターを切る

    公園などで遊んでいる子どもは、引きの構図で撮り始めるのがコツ。全体の様子を撮りつつ、子どもが遊び疲れてきて動きがスローになったり、道草を食ったりし始めたら、シャッターチャンスです。アップで表情やしぐさをおさえるとその子らしいリラックスした写真が撮れますよ。

子どもが近づいてきたタイミングでシャッターを切るのがコツ

子どもが近づいてきたタイミングでシャッターを切るのがコツ

子どもが何かに夢中になっているときの様子や表情は魅力的!

子どもが何かに夢中になっているときの様子や表情は魅力的!

  • フォトジェニックな写真を撮るならアングルを利用

    真正面から撮影するときは、主役である子どもが画面の中心にくるように撮影。躍動感のある写真を撮りたいときは、斜めから撮ると奥行きが生まれて、子どもの動きや表情もよく見えます。

成田さん

「目線の高さを被写体に合わせるのも、フォトジェニックな写真を撮るコツの一つ。構図に広がりが生まれますし、子どももスタイルよく撮影できます。スマホならしゃがまずとも腕を降ろした状態で撮影すれば良いので簡単です」

正面から

子どもが中心にくるように撮影

子どもが中心にくるように撮影

斜めから

斜めから撮影すると表情豊かな躍動感のある写真に

斜めから撮影すると表情豊かな躍動感のある写真に

思い出に残るこんなひとコマも残しておこう

友だちと一緒に応援している姿や、おいしそうにお弁当を食べている姿など、競技中以外のひとコマもたくさん残しておくと、よりリアルで心に残る思い出を残すことができます。本番前の緊張した様子や、試合に負けて友だちに慰められている姿など、親の心が動いた瞬間がシャッターチャンスです。

運動会のさりげないシーンも撮影しておくと、いい思い出に

運動会のさりげないシーンも撮影しておくと、いい思い出に

「剣道の試合に負けて泣くわが子を励ましてくれる友だちの姿にグッときました」(成田さん)

「剣道の試合に負けて泣くわが子を励ましてくれる友だちの姿にグッときました」(成田さん)

ステージから客席が遠い、目の前に人の頭が... そんな状況もうまく利用! 発表会など屋内での撮影のコツ

最後に、発表会や学芸会など体育館など屋内で行う行事やイベントの撮影について、上手に子どもの姿を撮影するコツを教えていただきます。

  • 合唱や演劇はステージ全体を押さえる

    舞台に立つわが子の表情を押さえたい気持ちはわかりますが、ズームしすぎると臨場感がなくなってしまいます。決まったアングルからステージ全体の雰囲気を収めることを意識しましょう。撮影するときのコツはカメラをあまり動かさないこと。三脚が使えるようであれば活用するのも良いですね。
    また、合唱や演劇などは動画で残すのもおすすめ。「ここのセリフが良かったよ!」などと、後々家族で見返すのも会話が増えて楽しいですよ。

合唱や演劇はステージ全体を押さえる

  • 画面の半分が人の後頭部… そんな写真でもフォトジェニックに

    発表会などの撮影では、撮影場所が決められていることが多く、どうしても前の席にいるほかの親御さんの姿が映り込んでしまいます。そんなときはボケ効果をうまく使い、人の頭や後ろ姿も背景の一部として利用するのも手。味のある写真に仕上がります。

成田さん

「スマホの場合、あまり遠くからは難しいですが、画面をタップしてステージにピントを合わせると周囲がボケます。また、『ポートレートモード』などで撮影すると、より一眼レフに近い仕上がりに。撮影後にボケ具合を調整できるアプリを使うのも手です」

人波、人影のボケ効果を使った写真

手前の人影をあえて生かして

手前の人影をあえて生かして

こちらは屋外でも使えるテクニック

こちらは屋外でも使えるテクニック

こちらは屋外でも使えるテクニック

  • 習い事の定番! ピアノの発表会は横・斜め後ろから

    習い事のなかでも人気のピアノ。発表会の撮影のコツを押さえておきましょう。気をつけたいのが撮影ポジション。表情を撮ることを優先して子どもの正面からシャッターを切ると、画面の半分以上を黒いピアノが覆ってしまいます。横か斜め後ろから撮影すれば、ピアノを弾く手元も写るので、何をしているのかがよく分かります。移動できるのであれば、どちらもおさえておくといいかもしれません。

横から撮影。手元もよく見える

横から撮影。手元もよく見える

顔を優先すると画面の半分が真っ黒に...

顔を優先すると画面の半分が真っ黒に...

<まとめ>

「運動会の徒競走やリレーでは、学年が上がるにつれて走るスピードがぐんぐん増し、昨年と同じシャッタースピードでは間に合わないことも。『今年はスピードに間に合わず、3枚しか撮れなかった』なんて失敗から子どもの成長を感じられるのも行事撮影の醍醐味です」と語る成田さん。
家の中とは違うわが子の表情や姿が見られる運動会や発表会は、やはり親にとって貴重な機会。写真撮影を楽しみながら、すてきな思い出作りをしてくださいね。

特別な日の写真は無料でフォトブックに残そう。子育て応援クラブ

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(掲載日:2022年6月15日)
提供写真:成田有佳莉
プロフィール写真:山崎悠次
文:佐藤由衣
編集:エクスライト

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