ビジネスにおける需要と供給の間を取り持ち、企業と企業を結び付ける「ビジネスマッチング」。ソフトバンクも、数ある企業の中から事業に見合ったビジネスパートナー探しをサポートするプログラム「ONE SHIP」を提供しています。
ソフトバンクが手掛ける「ビジネスマッチング」とは。実際にONE SHIPを利用しているパートナー企業の株式会社サイエンスアーツ(以下、サイエンスアーツ)の松中貴彦さんとソフトバンクの担当者に話を聞きました。
株式会社サイエンスアーツ 事業本部 第1営業部
松中 貴彦(まつなか・たかひこ)さん
2023年に株式会社サイエンスアーツに中途入社。ソフトバンクを中心に「Buddycom」の提案・販売を行うセールスパートナーとのビジネス協業の推進・営業支援を担当。
ソフトバンク株式会社 法人事業統括 ONE SHIP企画推進部
小岩 俊(こいわ・しゅん)
2021年に中途で入社し、ONE SHIPの会員が提供しているソリューションのGTM(Go to Market)を担当。
密なやり取りでビジネスチャンスにつなげる
ソフトバンクが提供するビジネスパートナープログラム「ONE SHIP」。パートナー企業同士がICT(情報通信技術)で連携し、新たなビジネスの可能性を見つけていきます。
ONE SHIPは、どのようなサービスなのですか?
簡単に言うと、会員制のビジネスマッチングの場です。加盟しているパートナー企業に、マッチングやプログラム活動などさまざまなビジネスマッチングの場を提供することで、パートナーと一緒にビジネスの創出・拡大を目指しています。
事業共創する「イノベーティブパートナー」、技術系の「ソリューションパートナー」、販売を担う「セールスパートナー」という3つの枠組みを設定しています。
株式会社サイエンスアーツは「ソリューションパートナー」として加盟しており、小岩さんにサポートしてもらっています。
実際にはどのようなやり取りをしているのですか?
まず、担当者である私がソフトバンクの営業担当者から相談を受けて、ソフトバンクの営業担当者とパートナー企業をつなげます。その後は、営業担当者と松中さんが直接やり取りをして、お客さまとの打ち合わせや提案内容について詳しく決めていきます。
では、常に何か連絡を取っているわけではないんですね。
そのはずなんですけど、たくさんご紹介いただいているので、結果、毎日連絡を取っていますね(笑)
メールや電話の他にチャットも活用して日頃のやり取りをしてます。近い距離感で連携が取れているので、とても相談しやすい環境です。
営業担当者とつないだ後は、社内ではどういう方向性でビジネス展開に取り組んでるか、どのような案件が獲得できているかという契約の状況などを私たちから共有します。
私たちからは、自社ソリューションの一つである「Buddycom(バディコム)」の提案資料のアップデートなど、新しい情報を活発に共有できています。定期的に情報が更新できているので、そこから新しい施策を入れよう、と検討につながることもありました。
こうしたサポートがあると、よりスムーズにビジネスが進みそうですね。
まずは自社のソリューションを知ってもらわないと営業活動につながらないので、自社のサービスを認知される仕組みが整っている点が非常に進めやすいです。ONE SHIPに加盟していると、商材を販売してくれる営業の方々に、自社ソリューションについて知ってもらう説明会を開くことができます。
ソフトバンクの営業としても、数百ほどある全てのソリューションを完璧に理解するのは難しいので、パートナーのサポートがあるなしで案件が受注できるかは大きく変わります。
私たちのように規模が小さい会社は営業のリソースも限られてしまうので、ソフトバンクの営業の方々に商材を拡販してもらえるところが1番の魅力だと思います。
他にも、ONESHIPならではの良さはありますか?
ソフトバンクとのつながりだけでなく、ONE SHIPの会員同士でつながれる部分にもひかれました。今後さらに活用していこうと思っているのが「ソリューション公募」です。
「ソリューション公募」は、特定の業界・業種ならではのニッチな課題など幅広いビジネスの課題を募集します。また、ONE SHIPの会員サイトにソリューションを登録すると、ONE SHIP会員やソフトバンクの社員が閲覧できるようになります。そこから商談が始まるなど、ビジネスチャンスにつながります。
今まではリソースの問題で、営業の方から提案をしてもらう「待ち」のスタイルでした。ONE SHIPを通じてサポートしてもらうことでリソースに余裕が出てきたので、自分たちで自治体や企業を探して提案する「攻め」の営業活動をしていこうと思っています。
まずは、ソリューションを掲載するところから始めてみようと思います(笑)
会員向けのセミナーもあるので、どんどん活用していってください!
ONE SHIPが誕生した経緯はどのような流れだったのですか?
IoTが普及してきた時代、あらゆるモノがインターネットにつながり便利になった一方で、通信などビジネスの課題が出てくるように。それらの問題に自社だけでは対応できず、多方面で企業同士が手を組むビジネスの形に移り変わってきました。ソフトバンクは以前から通信に関する商品やソリューションを扱っていたので、あらゆるパートナーと一緒にビジネスを行ってきました。もとからあったソフトバンクのビジネススタイルに「ONE SHIP」と名前をつけて、2019年からプログラムとしてスタートさせました。
担当者が語る「ONE SHIP」の役割と未来像
ここからはビジネスマッチングやONE SHIPの今後などについて深掘りしていきます。担当者の下野と松本も交えてONE SHIPについて語ってもらいました。
ソフトバンク株式会社 法人事業統括 ONE SHIP企画推進部
下野 雅人(しもの・まさひと)
2004年入社。2008年から法人事業に従事。iPhoneやiPadをはじめとしたスマートデバイスの協業事業を担当し、出資先企業とのアライアンスなどを経て2021年からONE SHIP企画推進部に所属。
ソフトバンク株式会社 法人事業統括 ONE SHIP企画推進部
松本 将格(まつもと・まさのり)
2020年から法人事業の営業企画業務を担当。2023年から、ビジネスパートナープログラム「ONE SHIP」の企画・推進を担当。
最近のビジネスマッチングの特徴はありますか?
今年に入ってから、「生成AI」が注目を集めていますね。パートナーの商材でも、サイエンスアーツさんをはじめ、生成AIに対応した商品が続々とリリースされています。
「Buddycom」では、生成AIによる音声アシスト機能機能「Buddycom AI」を実装しました。スマートフォンを操作することなく音声でChatGPTに質問ができ 、合成音声で回答を得ることができます。このときも、新機能について説明する営業向けの説明会を行いました。
サイエンスアーツさんのように自社サービスに組み込まれていたり、自社で生成AIサービスを開発しているパートナーなどさまざまです。
「Buddycom」の説明会でも、ChatGPTというキーワードが刺さったようで、普段に比べて倍の人数の営業が集まりました。生成AI関連のビジネスの可能性に、多方面から大きな期待が寄せられていることが分かります。
一方で、パートナー向けアンケートでは、「生成AIを触っていない」「セキュリティや回答の正当性に不安がある」といった声があり、まだ自社のビジネスへの導入に踏み込めていないパートナーもいます。従業員のリテラシー教育やスキルアップなどへの不安があることも分かりました。
不安を抱えるパートナーに対しては、「生成AI活用セミナー」を実施してフォローしたり、安全に生成AIに触れる環境のご提案を行い、実際に生成AIを活用いただけるよう取り組んでいます。
ONE SHIPが目指す未来について教えてください。
ソリューションがあるからお客さまにご提案するのではなく、お客さまの課題をONE SHIPに投げかけることで最適なソリューションを提供するという構図は変わりません。その付加価値や規模をもっと増やしていければと思っています。
ONE SHIPの強みとしては、例えば生成AIに対する期待や活用法などがさまざまなパートナーから出てくることです。現在は意見の集約や横展開など簡易的なことしかできていませんが、新しいものを作りやすい環境ではあるので、さらに発展させていければと思っています。
将来的には、パートナーの中だけでもビジネスが成り立つようになってくれることが理想だと思っています。何かサービスがあるときに、われわれが売るか売らないかは関係なく、パートナーにとってのビジネスがONE SHIPの中で横に広がってくれる、そんな状態を目指していきます。
(掲載日:2023年9月19日)
文:ソフトバンクニュース編集部
情報革命の共創プラットフォーム「ONE SHIP」
2019年から開始した、パートナーと一緒に共創していくビジネスのプラットフォーム「ONE SHIP」。加盟パートナー企業は約770社。(2023年9月現在)
マッチングやプログラム活動を通じて、有益なソリューションを提案し、共にビジネスの創出・拡大を目指します。