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冬の静電気トラブルからスマホを守る。知っておきたい服選びと放電のコツ

冬の静電気トラブルからスマホを守る

冬になると多くの人が経験するであろう、ドアノブを触ろうとした瞬間にくるあの「バチッ!」という衝撃。ホントにイヤですよね…。実はその一瞬の衝撃がスマホにとっても大きな脅威になるかもしれないのです。「たかが静電気でしょ?」と思うかもしれませんが、最悪の場合、大切なデータが消えたり、故障につながったりすることも。冬のトラブルから大切なスマホを守るための正しい知識と対策を紹介します。

冬場に静電気が起きやすいのはなぜ? 静電気が発生する仕組み

私たちの周りにあるすべてのものには、プラスとマイナスの電気が流れています。普段はバランスが取れているのですが、服どうしや服と肌など、異なる素材どうしがこすれ合うことで、マイナスの電気が一方から他方に移動します。この結果、身体や着ている衣類に電気が過剰に溜まった状態になることを「帯電(たいでん)」と言います。

夏場は、空気中の水分を伝って電気が自然に逃げて(放電して)くれるのですが、乾燥しやすい冬場は、電気の逃げ場がありません。 行き場を失ってパンパンに蓄積された電気は、ドアノブなどの導電性の高い金属に触れようとした瞬間に、電気のバランスを取り戻そうとして一気に流れ出します。これが「バチッ」と走る静電気の正体です。

静電気の正体

静電気は “ミクロの落雷”。スマホの誤作動や故障の原因にも

身体に電気が溜まった状態でスマホを触ると、どんなことが起きるのでしょうか?

❶ 勝手にスマホが動作する「ゴーストタッチ」

スマホの画面のタッチパネルは、指先のわずかな電気を感知して動く仕組みです。身体に強い静電気が溜まっていると、触れていないのにアプリが起動したり、意図しない場所が反応する「ゴーストタッチ」が発生することがあります。また、スクロールがカクついて思い通りに操作しづらくなることも。冬場に「スマホの調子が悪いな?」と感じたときは、実は静電気が原因かもしれません。

❷ スマホ内部での「ショート(絶縁破壊)」

指先から放電される静電気は、電圧にすると数千ボルトから1万ボルト以上に達することもあります。特に怖いのが、スマホの充電口やイヤホンジャックから電気が入り込んでしまうケース。スマホ内部にある髪の毛よりも細い精密回路にこれほどの高電圧が流れ込むのは、言わば「ミクロな世界での落雷」。一瞬にして回路が焼き切れる「ショート(絶縁破壊)」を引き起こす危険性があるのです。

❸ 蓄積される「サイレント・ダメージ」

すぐに故障しなくても、油断はできません。「バチッ」と静電気が走るたびに、目に見えない小さな傷が回路につくなど部分的に劣化が進んでいる可能性があります。この蓄積されたダメージが原因で、しばらくしてから「急に電源が入らなくなった」「急にバッテリーが持たなくなった」など、原因不明の不具合につながることもあります。

回路破壊のイメージ

端子から侵入した高電圧が、内部の精密な回路を破壊してしまうことも…(イメージ)

意外な盲点、服のコーディネートが静電気の原因に!?

静電気が発生しやすいかどうかは、着ている服の素材の組み合わせが大きく関係しています。素材には、プラスに帯電しやすいものとマイナスに帯電しやすいものがあり、この性質の隔たりが大きい組み合わせになるほど、強力な静電気が発生しやすくなります。

静電気が発生しやすい服の素材

【要注意】静電気のバチバチが発生しやすい禁断の組み合わせコーデ

  • ポリエステルの機能性インナー(マイナス) × ウールのセーター(プラス)
  • アクリルのマフラー(マイナス)× ウールのコート(プラス)

機能性インナーなどで多く使用されている「化学繊維」はマイナスに、一方、「天然素材(ウールなど)」はプラスに帯電しやすい傾向があります。どちらも冬によく着る定番素材どうしですが、実は静電気が最も発生しやすい「天敵」のような組み合わせなのです。

【おすすめ】静電気が起きにくいOKコーデ

「綿(コットン)」は帯電しにくい素材です。例えば、化学繊維のインナーを着る場合は、セーターとの間に綿のシャツを1枚挟むだけでも、静電気の発生を大幅に抑えることができます。また、ウール×ウール、綿×綿など、なるべく近い素材どうしでコーディネートすると、電気の移動が少なくなり静電気が起きにくくなります。

今日からできる、スマホに触る前の「放電」ルーティン

静電気による故障を防ぐためには、スマホに触る前に身体に溜まった電気を逃がすことが大切です。スマホを手にする前に、簡単な「放電」ルーティンを取り入れてみましょう。

❶ 壁や机に「面」で触れる

指先などの「点」で触れると、そこに電流が集中して痛みや衝撃が走ります。「手のひら全体」でコンクリートの壁や木製の机などの家具に数秒間タッチすることで、痛みを感じずに電気を逃がすことができます。

❷ 金属に触れる場合は、間に「ワンクッション」を置く

金属製のドアノブなどに触れる場合は、先に金属製の鍵やコインを持って、ドアノブに触れてみましょう。金属どうしで放電の衝撃が吸収されるため、身体への衝撃を回避することができます。

❸ こまめな保湿が最大の防御

乾燥した肌は電気を溜め込みやすく、いわば「コンデンサ(蓄電)」のような状態です。こまめにハンドクリームで指先を保湿することは、美容のためだけでなく、スマホへの不用意な放電を防ぐメンテナンスにもつながります。

スマホへの不用意な放電を防ぐメンテナン

乾燥しがちな冬の天敵、静電気。服の組み合わせを気にしたり、スマホを触る前に放電したり、小さな習慣で大切なスマホを誤作動や故障から守ることができます。もちろん静電気除去グッズを使うのも有効な手段です。賢く対策して、安全・快適に冬のスマホライフを楽しんでくださいね!

もし、「バチッ」となった後にスマホの調子が悪くなってしまった場合は、無理に使い続けず、お近くのソフトバンクショップなどに相談を。

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(掲載日:2025年12月19日)
文:ソフトバンクニュース編集部