昨今、AI検索エンジン「Perplexity(パープレキシティ、通称「パープレ」)」が注目されているのをご存じですか? ただ、注目されているといっても、さまざまなAIツールがあふれている今、新しいものに手をつけるのがおっくうな方や、そもそもAIツールの違いがわからない… なんて方も多いですよね。そこで今回は、AIに詳しいLinkX Japan株式会社代表の坂本将磨さんに、Perplexityならではの特長や便利な使い道などを解説していただきました!
目次
一体何がすごい? 対話型AI検索エンジン「Perplexity」とは?
“対話型AI検索エンジン” とも呼ばれている「Perplexity」は、どのようなツールで、どんな点が注目されているのでしょうか? ほかの生成AIツールにはないPerplexityならではの特長を解説します。
LLMと検索エンジンが組み合わさった生成AIツール
Perplexityは、ユーザーの質問に対して返答を行う対話型検索エンジンです。例えば、従来の検索エンジンは、検索窓に「東京 天気」のようにキーワードを入力します。しかしPerplexityの場合は、コンシェルジュに話しかけるように「東京の天気を教えて」などと入力すると、簡潔で正確な回答を返してくれます。
「Perplexityは、検索エンジンとLLM(大規模言語モデル。大量のテキストデータを学習させた深層学習モデルの一種)を組み合わせた生成AIツールです。単一のLLMに依存するのではなく、複数のLLMと検索技術を統合することで、質問に対してより的確で信頼性の高い検索結果を生成します」
ほかの生成AIツールにはないPerplexityの特長
Perplexityは検索結果に情報源が表示されることや、リアルタイムでウェブを参照することで最新の情報を検索できることが特長。日本語にも対応しているので、英語ができなくても日本語でスムーズに検索できます。
「AIには、事実とは異なる内容を誤って回答してしまう『ハルシネーション(幻覚)』と呼ばれる現象が存在します。しかしPerplexityは回答とともにソースを表示するため、情報源を簡単に確認できることが特長です。また、ユーザーの検索意図を的確に捉えた回答や、情報精度の高さが、Perplexityが注目を集める理由の一つとなっています」
また、PerplexityはPDFなどのデータを読み込ませることもできます。読み込ませたデータに関する質問に答えてくれたり、要約してくれたりも。
「Perplexityは、インターネット上のデータと、利用者がアップロードしたデータの両方を検索して同時に結果を得ることができます。さらに、単なる検索ツールにとどまらず、画像生成や解析、読み込ませたPDFなどのデータに関する質問への回答、プログラミングコードや表の作成など、幅広いタスクに対応可能な特長がありますよ」
早速試してみよう! Perplexityの始め方からキホンの使い方まで解説
Perplexityの特長を理解したところで、次は実際の使い方を紹介します。アカウントを作成し、Perplexityを使って検索してみましょう!
アカウント作成をしてみよう
まずはPerplexityの公式サイトにアクセスしてみましょう。画面左側の「新規登録」と書かれた水色ボタンから会員登録をしてください。既存のGoogleアカウントやAppleアカウントを連携してアカウントを作成することも可能です。
検索結果をより自分に合ったものにしよう
アカウントを作成したら、設定を確認しましょう。アカウント名の横にある「設定マーク」をクリックします。
設定では、言語、サブスクリプションの選択や、AIモデルの選択※1、画像生成モデルの選択※1などが設定できます。
- ※1
有料版の「Perplexity Pro」のみ
「『AIデータ保持』の設定をオフにすれば、ユーザーが検索したデータをAIモデル改善のために使用されなくなります。業務で使用するデータを読み込ませる場合は、情報保護の観点からも、この設定をオフにしておくことをおススメします」
また、「プロフィール」に自身の情報を入力すれば、パーソナライズされた回答を得られます。年齢や性別はもちろん、職業や、Perplexityにどんなふうに対応してほしいかを入力してみましょう。入力した情報によって回答が変わります。
「例えば、プロフィール欄に『職業はAIエンジニア』と記載すると、AIがより専門的で踏み込んだ回答をしてくれるようになります。また、『全ての回答をフレンドリーにしてください』や『全ての回答を関西弁にしてください』と記載すれば、その指示に従って回答が変化しますよ。簡単な設定変更で、より自分に合った回答が得られるので、ぜひ使ってみてください」
Perplexity Proとは?
Perplexity Proは、無料版の機能に加え、AIモデルの選択や画像生成、Pro版の検索使用回数に制限がなくなるなど、豊富な機能が追加されます。Perplexity Proにアップグレードすれば、より複雑なタスクに対応可能となり、利便性が大幅に向上します。以下に無料版とPro版の主な違いをまとめています。(2024年11月13日現在)
機能 | 無料版 | Pro版 |
---|---|---|
基本的な質疑応答 | ○ | ○ |
Pro版の検索使用回数 | 制限あり | 無制限 |
ファイル アップロード |
制限あり | 無制限 |
AIモデルの選択 (GPT-4o、Claude3Opus、Mistral Largeなど) |
× | ○ |
画像生成 ( Stable Diffusion XL、DALLE3など) |
× | ○ |
動画検索 | × | ○ |
検索手段としてPerplexityを使ってみよう
設定が終わったら、Perplexityの基本的な機能である検索を行ってみましょう。検索は、画面中央の検索窓に質問や話題を入力します。その際、従来の検索エンジンのようにキーワードを入れるのではなく、会話するように質問を入力してください。例えば、「生成AIとは 初心者向け」と入力するのではなく、「生成AIとは何ですか? 初心者向けに100文字以内で教えてください」といったように、文章で質問します。
「質問をするとき、文字数を指定してあげるとかなり使いやすいですね。あとは情報源の設定が可能です。例えば、『このURLの中から探して』『英語の情報も探して』などと頼むこともできます。『正確なプロンプトで聞かないといけないのかな…』などと気負わずに、まずはカジュアルに、話しかけるように質問してみてください」
質問を入力するとAIが回答を生成し、関連する情報源へのリンクも表示してくれます。また、回答の下に関連する質問を自動で提案してくれるので、情報を深掘りすることが可能です。
「Perplexityに1つ質問をすると、『こんな情報がほしいですか?』というように、関連した質問をいろいろ提案してくれます。それを続けて対話しているうちに、回答の精度が上がっていくんです。答えに納得がいかないときは『もう少し専門的に教えて』などとリクエストすることもできますよ」
検索だけじゃない?Perplexityの便利なおススメ機能を紹介
Perplexity内には、検索範囲を絞ったり、ファイル内容を要約するといった便利な使い方があります。それぞれ確認してみましょう。
検索範囲や回答の出力形式を絞る
検索窓にある「フォーカス」をクリックすると、検索範囲や回答の出力方法を選択することができます。
これによって、「情報を論文から探したいのにニュースメディアから出てくる」といったことがなくなります。フォーカス機能でできることは以下の通りです。
ウェブ | インターネット全体から情報を検索 |
---|---|
学術 | 学術論文や研究資料に特化した検索 |
数学 | 簡単な数式や複雑な計算を行う(方程式やグラフ描画など) |
作成 | 検索ではなくテキストやチャットを生成 |
ビデオ | 動画(主にYouTube)を検索 |
ソーシャル | 投稿型ソーシャルサイトRedditから検索 |
「例えば、特定のトピックについて詳しく調べたい場合、検索結果が多すぎて目的の情報にたどり着けないことがありますよね。『フォーカス』機能を活用すれば、情報源を特定のカテゴリに絞り込むことで、必要な情報を効率的に探すことができます。例えば、『AIの最新動向』を調べる際に、学術を選択すると、学術論文や研究資料に特化した検索が可能です。一方で、ウェブならインターネット全体から幅広い情報を取得できます。また、ソーシャルを使えば、Redditのような投稿型サイトからトレンドやユーザーの意見を収集できます」
ファイルを添付して内容を要約する
検索窓にある「添付」をクリックし、PDFやcsvなどのデータファイルを選択します。すると添付した資料の内容を要約したり、ファイルについての質問に回答してくれます。
「『添付』は、公開されていない独自の情報をまとめたいときなどに便利な機能です。例えば、製品パンフレットなどのPDFを読ませて、『この商品の特徴を300字で教えて』などと聞くことができます。グラフや表の情報も文章化してくれるので、大量の書類を読み切れないときにも使えますよ」
海外のニュースや最新トレンドを探す
左側のメニューバーから「発見」を選択すると、最新のニュースやトピックが表示され、クリックするとそのトピックの要約やソースが表示されます。記事を読みながら、質問を投げかけることも可能です。
「『発見』タブでニュースを読んだとき、疑問に思ったことをPerplexityに質問すると解決してくれます。『まるで専門家に解説してもらうように、AIとのやりとりでニュースを深掘りできる』という体験が、これまでにはないメリットですね」
仕事以外にも使える? Perplexityのユニークな楽しみ方
主に仕事で使われることが多いPerplexityですが、プライベートではこのような使い方もできます。
- 「猫と犬が主人公の冒険物語を1000字程度で作って」などと入力すれば、創作ストーリーが楽しめる。
- 「玉ねぎ、じゃがいも、ベーコンを使った料理のレシピを教えて」と尋ねれば、最適なレシピを提案してくれる。
- 「2泊3日で箱根に行くなら、おススメの旅行プランは?」などと尋ねることで、最適な旅行プランを提案してくれる。
「私は旅行が好きなので、旅先でPerplexityに『ランチがおいしいお店を教えて』などと尋ねています。また、プロフィール欄に『車を所有しています』と書いておけば、旅先へ車で行くプランも自動で提案してくれますよ」
「Perplexityはコンシェルジュのようなものです」と坂本さん。もちろん情報収集や資料作成の効率を向上させてくれる便利なツールですが、仕事のサポートツールとしてだけでなく、まずは気軽に質問をしたり、実際に触って遊んでみたりすることから始めてみてはいかがでしょうか。そうすることで、Perplexityでできることがだんだんとわかってきて、あなただけのコンシェルジュとして、生活をより便利に豊かにしてくれるはずです!
(掲載日:2024年11月13日)
文:吉玉サキ
編集:エクスライト
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1 2024年6月19日時点でAndroid OS版アプリを利用した場合の価格です。同日時点の他の通常価格は、iOS版アプリが月額3,000円/年額3万円、ウェブが月額20米ドル/年額200米ドルです。最新の価格は各アプリストアまたはウェブをご確認ください。