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10年後には「ASIのNo.1プラットフォーマー」に -ソフトバンクグループ株式会社 第45回定時株主総会

10年後には「ASIのNo.1プラットフォーマー」に -ソフトバンクグループ株式会社 第45回定時株主総会

6月27日、ソフトバンクグループ株式会社(以下「SBG」)の第45回定時株主総会が開催されました。 東京国際フォーラムの会場とオンラインのハイブリッド型で、代表取締役 会長兼社長執行役員の孫正義が議長を務め、報告事項、決議事項議案、成長戦略の説明および質疑応答を行い、4つの議案について決議されました。

孫正義の “変わらぬ志”。情報革命は、ASI実現のために

冒頭、孫はスクリーンに一枚の写真を映し出しました。「今後10年のソフトバンクが目指すものを今日語るうえで、ぜひ改めて見ていただきたい」と示したその画像は、孫自身が17歳のときに出会ったマイクロコンピュータのチップの拡大写真。「指先に収まるほど小さなチップが、どんどん進化して、ワンチップのウエハの中にあるトランジスタの数がどんどん増えていき、いずれ人類の知性を超える存在の出発点になると直感した。実はソフトバンクの歴史も、あのチップとの出会いから始まっていたのです」と振り返り、「つまり、ASI(人工超知能)の実現こそ私の変わらぬ思いであり、ソフトバンクの原点なのです」と力強く語りました。

孫は「人間の知能を超えたASIが必ず現れる」ことを信じて疑わず、その信念は一度たりとも揺らいだことはないと語ります。「ソフトバンクを何のために創業したのか?」と問われれば、それは「情報革命の最先端、すなわちASIの実現のためである」と強調。創業以来繰り返し口にしてきた「情報革命」という言葉も、「ASIという、最も輝き続ける未来を実現するための情報革命」であると位置づけていることを説明しました。

これまでの事業変遷に対して「ソフトバンクは何の会社なのか分からない」「本業が見えない」という指摘があったことにも触れ、常に未来を見据え、時代の最先端に挑み続けてきたことを改めて説明。パソコンのソフト流通から始まり、Yahoo! JAPANの設立や移動通信事業への参入、iPhoneの販売、さらにはArmの買収に至るまで、これまでの歩みはすべて、「ASI」というゴールに向けた布石だったと振り返りました。

現在の「株主価値(NAV)」に触れつつ、「お金はゴールではない」と明言。「大切なのは、高い志を持って目標に向かうこと。その過程で、数値はあとから必ずついてくると私は信じています」と語りました。

“超知能” から “超知性” へ。クリスタル・インテリジェンスが切り拓く未来

孫が掲げる10年後の目標は、「ASIのNo.1プラットフォーマー」になること。「ソフトバンクグループはASIにオールインするつもりでASIの世界に挑んでいます。グループにはさまざまな企業がありますが、その中でもArm、OpenAIが欠かすことのできない2社になると信じています」と明言しました。

続けて、OpenAIとの提携の事例として「Stargate Project」と「クリスタル・インテリジェンス」を紹介。
「Stargate Project」は、アメリカでOpenAIのためのAIインフラを構築する取り組みで、「クリスタル・インテリジェンス」は、企業向け最先端AIです。まずは、ソフトバンクグループが保有する2,500ほどの社内システムを横断的に統合してスーパーインテリジェンスにして活用する構想で、その後、日本の主要企業に対しても展開する予定です。孫は、単に社内システムの統合にとどまらず、次の段階では自律的に行動するAIエージェントになり、さらにそのエージェントを物理的な姿形を持つロボットに搭載していく構想を共有。このAIの進化は、ホワイトカラー(知的労働)だけでなく、ブルーカラー(肉体労働)領域にも広がり、物流、製造、医療、調理、介護、設計、発明といった、あらゆる分野に及び、社会の在り方そのものを根本から変えていくことを示しました。

一方で、「AIは知能だけでなく、思いやりや愛情といった “人間性” を持たなければならない」という点についても言及。「AIは人間が生み、育てるもので、ASIが“超知能” から“超知性”へと進化するということは、知能だけでなく、人としての品格や愛を持つ存在になるということである」と語ります。さらに、ソフトバンクが創業以来掲げてきた「情報革命で人々を幸せに」という経営理念は、そのときこそ最も深い意味で実現されると述べ、「時代がどう変わっても、この思いは私たちの軸として決して揺らぐことはない」と強調しました。

最後に孫は、「ASIの時代において、ソフトバンクグループは世界一のプラットフォーマーになる」と改めて宣言し、プレゼンテーションを締めくくりました。

ソフトバンクグループ株式会社株主総会

質疑応答を経て、「剰余金の処分の件」「取締役9名選任の件」「監査役3名選任の件」「取締役に対するストックオプションとしての報酬等の内容改定の件」の4議案の採決が行われ、全議案が原案通り承認可決されました。

第45回定時株主総会についてはこちらからご覧いただけます。

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決議内容・資料 第45回定時株主総会

(掲載日:2025年6月26日、更新日:2025年7月1日)
文:ソフトバンクニュース編集部