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PR動画をAIで自動生成。渋谷に来たらどのお店に行く? を動画で後押し

広域渋谷圏生成AI活用実証実験

2025年12月1日から2026年1月31日まで、東急不動産株式会社(以下「東急不動産」)とソフトバンク株式会社は、生成AIと動画活用した実証実験を渋谷エリアで実施しています。
「動画をきっかけに、 “行ってみたい” という気持ちが生まれ、街を歩く行動につながっていく」そんな取り組みの背景や狙いについて、街づくりを担う東急不動産と、ソフトバンクの担当者に話を聞きました。

渋谷スクランブル交差点や忠犬ハチ公像だけじゃない。広域渋谷圏における店舗の認知向上や来店促進につなげる

渋谷スクランブル交差点や忠犬ハチ公像だけじゃない。広域渋谷圏における店舗の認知向上や来店促進につなげる

渋谷は、スクランブル交差点や忠犬ハチ公像など、訪日外国人にも世界的に知られたスポットを有し、多くの来街者が訪れる街です。一方で、街に長時間とどまらず別のエリアへ移動してしまうケースも少なくありません。店舗側では、訪日外国人向けにプロモーションを実施したいものの、撮影や編集、翻訳などにかかる費用や労力が大きいという課題もあります。

そうした課題を解決するための試みとして、渋谷エリアの飲食店や物販店がこだわりを込めた “渾身(こんしん)の一品” を紹介するPR動画を、ソフトバンクのAIマルチエージェント技術を活用して自動で生成し、来街者に届ける実証の取り組みが、渋谷で行われています。

ソフトバンクのAIマルチエージェント技術

AIがPR動画を自動生成。店舗の「渾身の一品」を渋谷で届ける実証

こうしたPR動画を生み出しているのは、自然言語処理モデル「GPT」などをベースとしたAI(人工知能)マルチエージェントです。複数のAIエージェントがそれぞれ役割を担い、シナリオ設計や映像演出、編集といった工程を分担・連携しながら進めることで、動画制作のプロセスを自動化しています。さらに、全体を統括するディレクター役のAIが調整を行うことで、短時間で一貫性のある動画を生成することが可能です。プロモーションする商品や、メニューの特長と写真数点を入力するだけで、約15秒のショート動画を日本語・英語・韓国語・中国語(簡体/繁体)の5言語で生成できる点も特長です。

生成されたPR動画は、東急不動産が提供する地域特化型ウェブサービス「OurPick」を通じて配信され、スマートフォンやタブレットから視聴できるほか、渋谷フクラスや渋谷サクラステージなどの複合施設に設置されたタッチ式サイネージ、東急ステイ渋谷の客室内タブレットなど、来街者が自然に触れる場所でも表示されます。PR動画を見て気になったお店は、そのまま場所や詳細情報を確認できるため、動画をきっかけに実際の来店へとつながりやすい仕組みです。

「写真とテキストだけで、ここまでおいしそうな動画ができるなんて驚きました!」という声も聞かれました。-AIがPR動画を自動生成。店舗の「渾身の一品」を渋谷で届ける実証

「写真とテキストだけで、ここまでおいしそうな動画ができるなんて驚きました!」という声も聞かれました。

担当者に聞く! AIで街の魅力が伝わる形をつくる理由

担当者に聞く! AIで街の魅力が伝わる形をつくる理由

今回の取り組みについて、街づくりの視点から関わる東急不動産と、AI技術の開発・実装を担うソフトバンクの担当者に話を聞きました。

話を聞いた人

伊藤 篤志(いとう・あつし)さん

東急不動産株式会社
渋谷運営事業部 広域渋谷圏価値創造グループ

伊藤 篤志(いとう・あつし)さん

妹尾 輝(せのお・ひかる)

ソフトバンク株式会社
データ基盤戦略本部 ソリューション設計部

妹尾 輝(せのお・ひかる)

後安 謙吾(ごあん・けんご)

ソフトバンク株式会社
データ基盤戦略本部 ソリューション設計部

後安 謙吾(ごあん・けんご)

坂内 遼太郎(さかうち・りょうたろう)

ソフトバンク株式会社
データ基盤戦略本部 ソリューション設計部

坂内 遼太郎(さかうち・りょうたろう)

「渾身の一品」を動画で紹介するという切り口は、印象的でした。どんな狙いがあったのでしょうか。

伊藤 篤志(いとう・あつし)さん

「店舗に来ていただくために魅力を伝えるうえで、料理や商品などの “渾身の一品” が1番伝わりやすいと考えました。店舗のこだわりが動画として視覚的に伝われば、『おいしそう』『行ってみたい』という直感的な反応を引き出せると思ったんです」

そうなんですね。今回、東急不動産と取り組みを進める中で、ソフトバンクはどんな役割を担い、AIをどのように活用したのでしょうか。

妹尾 輝(せのお・ひかる)

「1番重視したのは、専門的なスキルが必要な作業を全て任せられるか、という点でした。動画制作はどうしても経験やツールを扱うスキルが必要な工程が多く、そこがボトルネックになりがちです。制作の流れそのものをAIに全て任せることで、人は “何を伝えたいか” を考えることにに集中できる形を目指しました」

後安 謙吾(ごあん・けんご)

「PR活動に時間やコストを割けるかどうかが、店舗の規模や体力で決まってしまう状況を変えたいと思っていました。技術で制作のハードルを下げ、誰もが『やってみよう』と思える環境を整える。それこそがソフトバンクとして担う役割だと考えました」

実際に生成された動画を見て、印象に残った点はありますか。

坂内 遼太郎(さかうち・りょうたろう)

「正直、想像以上でした。動画を見た瞬間に、理屈抜きで『ここに行ってみたい』と思ってしまったんです。単なる商品紹介動画ではなく、キービジュアルが生き生きと動き出したり、体験を語るナレーションが入っていたりと、まるでSNSで人気インフルエンサーの投稿を見ているような臨場感がありました。1人の利用者として気持ちが動いたことが、1番印象に残っています」

最後に。AIで作られたPR動画をきっかけに、渋谷を訪れる人は、街の中でどんな行動を取るようになると思いますか。

伊藤 篤志(いとう・あつし)さん

「渋谷を訪れた人が、有名なスポットを見るだけではなく、動画をきっかけに『このお店に行ってみよう』ともっと広域渋谷圏を楽しみたいと考えていただけたらうれしいですね。一つ一つの行動は小さくても、そうした動きが積み重なっていけば、街の歩き方そのものが少しずつ変わっていくと思います」

妹尾 輝(せのお・ひかる)

「AIは前に出るものではなく、あくまで裏側で支える存在だと考えています。渋谷エリアへの来街者が『どこに行こうか』『何を食べようか』と迷ったときに、自然と選択肢が広がる。そのきっかけをつくるために、技術が役立てばいいですね」


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(掲載日:2026年1月30日)
文:ソフトバンクニュース編集部