
7月1日に縦型ショートエンタメコンテンツ「劇団そふとばんく」の配信がスタートしました。テレビ・SNSで活躍する人気クリエイター陣が “劇団員” として参加したショートドラマが公開されていきます。その撮影現場にお邪魔しました。
目次
いつもの日常のすぐ隣にある、ちょっとヘンな劇場「劇団そふとばんく」

7月1日にスタートした縦型ショートエンタメコンテンツ「劇団そふとばんく」は、「いつもの日常のすぐ隣にある、ちょっとヘンな劇場」をコンセプトにしたショートエンタメプロジェクトです。 ちょっと不思議でクセになるストーリーの数々は、人気TikTokクリエイターたちのアイデアが映像に落とし込まれたもの。TikTokなど「劇団そふとばんく」の公式SNSアカウントで続々配信中です。
撮影現場に潜入! アパートの一室が非日常の “劇場” に早変わり

訪れたのは、あるアパートの一室。すでに公開されている動画をはじめ、コメディ要素がたっぷり詰まったショートドラマの撮影が行われていました。

撮影現場に入ると、ちょうど本番を控えた演者やスタッフがセットで待機していました。演者たちはお互いに冗談を言い合ったり、小道具の扱いについて笑いながら確認し合っており和やかな雰囲気。そのような空気感の中でも、「このセリフ、ちょっと言い回し変えてみたらどう?」「じゃあカメラ位置も少し変えてみよう」など、撮影中に次々と、セットの中で小さな修正を繰り返していました。

リラックスムードから一転、本番が始まると空気がピンと張り詰めます。ワンカットの撮影に何度も何度もテイクを重ね、ギリギリまで動きやセリフを調整。
「ここで一瞬、間を置いた方がいいかも」
「その目線、もう少し上からに変えてみましょう」
そんな緻密なやり取りから作品や「面白さ」へのこだわりがひしひしと伝わってきます。1、2分の映像の裏にたくさんの情熱が込められていることを知りました。



「1分間以上の “一瞬”」で “ひと笑い” のきっかけを届けられる存在に

撮影現場の片隅で、真剣な表情を浮かべ映像チェックをしているこの方。実はこの日のエピソードの脚本を手がけ、自らも演者として出演している忠津勇樹さんです。撮影を終えたただつさんにお話をうかがいました。
「劇団そふとばんく」では、どのような立場・役割を担っているのですか?
2年ほど前から「ただつわたなべ」という名前でTikTokでショートドラマのアカウントを運営しています。その経験や知見を生かして、動画の構成や撮影現場でのオペレーション、演出などにも幅広く関わりながら、作品づくりに取り組んでいます。いろいろなタイプの人を巻き込み、場を盛り上げていくのが得意なので、現場の盛り上げ役も兼ねてオールラウンドプレイヤーとしての立ち位置を自負しています(笑)

今回、担当した脚本で特に印象深いものはありますか?
新入社員のミスから始まる即興劇団の脚本ですね。この作品は、僕が大学卒業後に会社員として働いていたときの実体験をもとにして、シチュエーションを脚色しました。ある日、会社の同期が上司からの電話で、東京のオフィスにいたにもかかわらず、「もうすぐ名古屋に着きます」と答えてしまったそうです。しかも、それを本気で言っていたらしく、周囲はざわついたそうです(笑)
「人は追い詰められると、こんな言動をするんだな」と強く印象に残り、このエピソードをベースに脚本化しました。作品では、新入社員が予定どおりに出社できなかったという設定のもと、新入社員に対して周囲の人たちがどう接するか、どうサポートできるかを描いています。日常の中にある小さな出来事をきっかけに、人としてのあたたかさが垣間見えるような「ヒューマンコメディ」に仕上げました。
脚本を書くにあたって、特にこだわったポイントや工夫した点を教えてください。
「エチュード(即興演技)」と呼ばれる自由演技の場面を設けており、脚本に明記されていないセリフや展開を演者自身がその場で加えていくこともあります。たとえば幽霊が登場するシーンでは、「この先談笑」や「この先いい感じに」といったざっくりした指示だけが書かれており、そこからの展開は演者の感性に委ねられています。実際、こうしたエチュードが脚本部分よりも面白くなった、というケースも少なくありません。
自然な演技力が試される場でもあるんですね。
そうですね。出来上がった動画に「ここからエチュードです」と明示することはないので、視聴者にとっては、どこまでが脚本で、どこからが即興なのか分からないことも多いと思います。ただ、今回の脚本は、「ここ、たぶん即興だな」と感じるような自然さが出るように心がけています。例えばしょうゆの持ち方。普通はコップをしっかり持つところを、僕は親指と人さし指で持ってみせたりして、「この人潔癖症なのかな」と思わせるような所作を入れています。そういう細かい演出でキャラを浮かび上がらせるのが僕のこだわりですね。


どの部分がエチュードか探しながら見るのも面白そうですね。他には、どんなところに「ただつさんらしさ」が表現されていますか?
僕の場合は、鋭いツッコミや無表情でのリアクションでちょっとシュールな空気をつくることが持ち味かなと思っています。少し照れくさい言い方ですが、「僕が言うからこそ面白くなる」というセリフがあると思っていて。他の俳優さんが言ってもそこまでウケないけれど、自分が言えば成立する、そんな技術には自信があります。他の演者さんたちも、それぞれに強い個性を持っていて、誰もが「この人が言うから面白い」という瞬間をつくってくれる。そのバランスがすごくいいなと感じています。
視聴者の皆さんには、この作品をどのように受け取ってもらいたいですか?
ショートドラマは、たった1分の非常に短い尺の中で勝負する世界です。しかも今の時代、最初の1秒で視聴者の心をつかめなければ、すぐにスワイプされてしまう。まさに “親指との戦い” と言えるでしょう。だからこそ、1分という制限の中で笑いや感動をどれだけ凝縮できるかが問われる、クリエイターとしての真価が試されるジャンルでもあると思っていて、作品に対する熱量と、緻密な構成力が欠かせません。だからこそ、観る人にも「ただの短い動画」ではなく、「ここまで考え抜いて作られているんだ」と感じていただけたら、より深く味わってもらえると思っています。
僕たちが目指しているのは、「1分間以上の “一瞬”」を届けること。視聴者の親指が止まり、思わず立ち止まって見入ってしまうような1分間をつくることです。
劇団そふとばんくの作品を通じて、視聴者の皆さんにどんな体験を届けたいですか?
誰しも、生きていればしんどいことってありますよね。思うようにいかないこともあるし、家に帰ってもなんとなく疲れている。そんな日常の中で、ふとこの作品を観て「ちょっとホッとしたな」とか、「今日はしんどかったけど、これで笑えた」というように “ひと笑い” のきっかけを届けられる存在でありたいです。そして、「気づいたら生活の中に劇団そふとばんくが入り込んでいるな」と自然に感じてもらえるような存在になれたらと思っています。

テレビ・SNSで活躍する人気クリエイター陣が “劇団員” や脚本を担当
今回インタビューしたただつさんをはじめ、Z世代を中心に圧倒的な支持を集める人気TikTokクリエイターたちが “劇団員” や脚本家として参加。個性豊かなキャラクターと自然体の演技を生かした脚本で、日常に “ひと笑い” と “ときめき” をプラスします。
劇団員
ただつわたなべ
劇団アナログスイッチに所属する忠津勇樹と渡辺伸一朗によるTikTokユニット。
TikTok
たかみち店長
あるあるネタやショートホラーで人気のTikTok芸人。男子高校生が選ぶ好きなTikToker TOP5にランクイン。
TikTok
山下(やまげ) / YAMAGE
クリエイティブプロダクション「SEZAN」所属。SNS総フォロワー数75万人を誇る、次世代を担うマルチクリエイター。
TikTok
松川 星(まつかわ・あかり)
ドラマや広告で活躍する俳優。数多くのファッションブランドや美容雑誌のモデルも務める。
TikTok
朝日 音羽(あさひ・おとは)
『今日、好きになりました。』出演で話題に。映画やドラマなどにも出演し、TGC teenや雑誌モデルも経験。
TikTok
桜望 香奈(おうみ・かな)
恋愛シチュエーションやあるある系ショートドラマで人気。2023年TikTokドラマクリエイター賞にノミネート。
TikTok
脚本家
- カツオ
『ぐるぐるナインティナイン』や『しゃべくり 007』など多数のテレビ番組に参加する放送作家。 - 忠津 勇樹(ただつわたなべ)
「劇団アナログスイッチ」に所属する俳優。TikTok を中心に演出・脚本も担当。TikTokユニット「ただつわたなべ」で活動。 - 宮地ケンスケ
お笑いトリオ「ニブンノゴ!」の元メンバー。テレビバラエティやコメディの舞台脚本も多く執筆する放送作家。
今回の取材で印象的だったのは、演者はもちろんその場にいる人たちが作品づくりを “楽しんでいる” ということ。撮影終了後も、自然と次のアイデアの話で盛り上がる姿に、劇団そふとばんくは単なる映像プロジェクトではなく、チーム全体で作り上げる “ちょっとヘンな劇団” そのものということが伝わってきました。
これからもさまざまなメンバーが参画予定とのことです。これからの劇団そふとばんくにも目が離せません!
(掲載日:2025年7月8日)
文:ソフトバンクニュース編集部
日常に “ひと笑い” と “ときめき” をプラスする「劇団そふとばんく」

ショート動画は「劇団そふとばんく」の公式SNSアカウントにて配信中。1本1分のショートドラマに込められた、“劇団員” たちのこだわりと熱量を、あなたのスマホで体感してみてください。










