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妊産婦の通院負荷軽減を。長野県伊那市で妊産婦健診特化型の医療MaaSを導入

通院負担を軽減し、家族一緒に胎児の成長を見守る。妊産婦健診に特化した医療MaaSを長野県伊那市が導入

産婦人科クリニック不足や交通手段が限られる地域では、妊産婦健診を受けるために妊産婦自身が自動車を運転して遠方の医療機関まで通院するケースがあります。こうした妊産婦の通院負荷を軽減するために、長野県伊那市は、MONET Technologies株式会社(以下「MONET」)のオンライン妊婦健診特化型の医療MaaSを導入。10月15日に除幕式が開催されました。

オンライン妊産婦健診サービスの需要が高まり、専用車両の必要性を実感

オンライン妊産婦検診サービスの需要が高まり、専用車両の必要性を実感

妊婦健診は、母子の健康状態を定期的に確認し、病気や異常の早期発見や保健指導など、心身ともに安心安全な出産のために重要なものです。通院頻度は妊娠の経過によって異なりますが、一般的に妊娠初期は4週に1回、妊娠中期は2週に1回、妊娠後期は週1回となり、合計で14回ほど通院します。

長野県伊那市では、看護師または検査技師などが同乗のもと、患者や妊産婦の自宅へ出向き、内科と妊産婦健診のオンライン医療サービス事業を提供しています。

2021年度から内科を開始、そして2022年度からスタートしたオンライン妊産婦健診は、需要が想定を大きく上回り、今年に入って100例を超えました。これを受け、参画する医療機関から専門車両が必要なのではないかという声もあがり、伊那市として2台目の医療MaaSとなる、妊産婦健診に特化した車両の導入に至りました。

産婦人科クリニック監修のもと設計された車内は、快適さと安心を両立

産婦人科クリニック監修のもと設計された車内は、快適さと安心を両立

オンライン妊産婦健診サービスでは、検査技師・看護師が専用車両に乗車し、伊那市に住む妊婦の自宅を訪問して、車内でモバイルエコーや分娩(ぶんべん)監視装置を使用した検査を実施し、助産師がオンラインで健診を行います。

車両の内装設計は、妊産婦健診に特化するため一から全面的に見直しが行われました。伊那市のモバイルクリニック事業で妊産婦健診に従事している、産婦人科の「菜の花マタニティクリニック」が監修し、実際にオンライン診療車両で妊産婦健診を受けた利用者の意見も取り入れられています。検査中は外から車内が見えないようにするなど、妊産婦のプライバシーが守られ、リラックスできる空間を追求するとともに、産婦人科クリニックのスタッフがより働きやすい車内空間になるよう、内装と空間設計には特にこだわったそう。

産婦人科クリニック監修のもと設計された車内は、快適さと安心を両立

車内は広々としており、妊婦だけでなく、家族や付き添い者も一緒に胎児の様子を見守ることができる設計に。また、健診がスムーズに進むよう、エコー用の移動式テーブルやカウンターテーブルなどを新たに配置し、効率的な動線が確保されています。

産婦人科クリニック監修のもと設計された車内は、快適さと安心を両立

車内に搭載するエコーなどの医療機器についても、妊産婦健診に特化したものを新たに導入し、妊婦がベッドに横になった体勢でもエコー動画を確認できるサブモニターやエコー画像用プリンターも完備されました。車両の外装デザインは、命の芽吹きを表現する伊那市の桜が描かれたピンクの車体が採用されました。

車両の愛称は一般公募され、多数の応募の中から「い〜なエール」が選ばれました。深刻化する少子化に対して、伊那市や市民など第一当事者が手をたずさえて、育児中の親や新しい命の育みを応援したい、という思いが込められているそうです。

全国初の取り組みを伊那市から、全国へ

全国初の取り組みを伊那市から、全国へ

長野県伊那市では、2020年に全国初となる医療MaaSの実証実験を開始。翌年度にはオンライン医療サービスの本格運行を始め、市内12の医療機関と提携し、現在までに890件の実績があります。

除幕式の冒頭で伊那市の白鳥孝市長は、関係者への感謝を述べたうえで「伊那市が全国初として取り組んでまいりました医療MaaSの取り組みは、現在、伊那市を含めて全国25の地域に普及しているということです。年々増えている状況で、こうしたものが市民、国民、地域の一助になればと思っております。また、新しい活用方法として特に女子学生の皆さんの悩みに応えるような相談会にも対応していきたい」と今後の医療MaaS事業への期待を話しました。

全国初の取り組みを伊那市から、全国へ

続いて、MONETの清水繁宏 代表取締役社長 兼 CEOは、本取り組みへの決意を次のように語っています。「オンライン妊産婦健診サービスの需要増に伴い、全国初の専用車両を仕立てました。産婦人科健診の現場の意見を大きく反映させたものが、一番使いやすいだろうということで、われわれも非常に勉強になる機会となりました。また新たな先進的な取り組みとして、全国で期待され広がっていくのだろうと考えております。今後も、車両や運用企画をしっかりサポートしていきます」

オンライン妊婦健診車両「い〜なエール」は、11月4日より運行を開始しています。

長野県伊那市の医療MaaSの取り組みにおいて、妊産婦健診向けの専用車両を提供(10月15日 MONET Technologies株式会社プレスリリース)

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(掲載日:2025年11月10日)
文:ソフトバンクニュース編集部