最近、CMなどでもよく目にする「ふるさと納税」。
「税金が控除される」「地域活性化だ」など、一見良さそうなメリットが並んでいますが、実態はどうなのか気になるところ。どんな仕組みなのか、プロならではの活用方法はあるのか、実際どれくらい控除されるのか、などなどふるさと納税サイト「さとふる」の広報担当者にあれこれ聞いてきました。
ふるさと納税サイト「さとふる」ってなに?
ソフトバンクグループの株式会社さとふるが運用するポータルサイト。米や肉、雑貨、旅行券など、幅広いラインナップのふるさと納税のお礼品がランキング形式で選べます。
株式会社さとふる 道岡志保(みちおか・しほ)さん
広報担当。PRコンテンツの企画・運営や取材対応の他、自治体や事業者のもとへ足を運び、寄付者へ地域の声を届けている。
ふるさと納税の基本講座の目次
出迎えてくれた道岡さん
「よろしくおねがいします」
ふるさと納税という言葉はよく聞くのですが、あまり分かっていないので色々教えてください!
「頑張って答えていきますね」
「ふるさと納税の基礎講座、始まりますよー」
ふるさと納税の基本の仕組みややり方を知ろう
そもそも、ふるさと納税とはなんですか?
「『ふるさと納税』とは、納税とつきますが、好きな自治体へ寄付することができる仕組みのこと。寄付をした金額の一部※は、住民税や所得税などの税金から控除・還付されます。
また、寄付する自治体も選べるので、選んだ地域の特産品・名産品がお礼品(返礼品)としてもらえたり、税金の使い道を選べたりするんですよ」
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- ※寄付金から自己負担額2,000円を引いた金額が控除額となります。
どうやって控除を受けるんですか?
「『確定申告制度』と『ワンストップ申告制度』という2つのやり方がありますね。ざっくり言うと、『確定申告制度』は誰でもできて寄付先の自治体数は無制限、『ワンストップ申告制度』は確定申告をする必要のない人が対象で、寄付先の自治体が5つ以内となります」
ふるさと納税は地域活性化につながる?
好きな自治体に寄付ができるということは、地域にお金が入ってくるということですか?
「はい、ふるさと納税が地域の特産品のPRツールにもなっているため、特産品の生産・販売する地域事業者の収益が上がったり、特産品を通して地域に興味がわくことで観光客が増えたりなどの経済効果もあります。地域の特産品と全国の方のマッチングの場でもあると思っています」
事例はありますか?
「例えば、佐賀県唐津市にある障がい者就労支援施設。お礼品としてカレーやハンバーグなどのレトルトパックを販売しているのですが、ふるさと納税を通して売上が上がりました。それにより、障がい者の方の賃金向上からの自立につながったり、就労数の拡大につながったりしています。
他にも、福岡県筑前町では寄付金を活用してイベント『ど~んとかがし祭』を開催しました。わらで作ったシン・ゴジラ(最終形態)などのモニュメントを飾り、人口3万人弱の町に約11万人もの来場者が訪れました」
「さとふる」は地域活性化のお手伝いもしています
お礼品の発送などの流通面のサポートや問い合わせなどのサポートだけではなく、中長期的な地域の発展につなげるために特産品のブランディングやお礼品開発のサポートも行っています。
「さとふる」広報のイチオシお礼品や活用方法は?
ふるさと納税のお礼品は肉や魚などの食べ物が多いイメージなんですが、他にはありますか?
「ふるさと納税のサイトごとに取り扱う自治体やお礼品は異なっていて、『さとふる』では、肉や魚だけではなく、地酒、雑貨、旅行券などがもらえますよ」
「さとふる」で選べるお礼品のラインナップです! どどん!
!!! 逆に多すぎて選べないんですが、おすすめってあるんですか?
「特産品の肉や魚介はもちろんのことですが、最近は『体験型』がおすすめですね。1泊2日の旅行だったり、ゴルフや乗馬だったり。『北海道でゴルフをやってから、温泉旅館に泊まる』など、自分の趣味と上手く組み合わせる活用方法もあります」
地域特有の文化も体験できるわけですね。
「そうです。最近の私の話ですが、北海道稚内市の『稚内牛乳 アイスクリーム4種12個セット』に寄付しました。出張で稚内に伺った際に食べて、牛乳の風味や甘味がしっかり感じられる、素朴な味わいに感動しました。また食べたいと思い、帰ってきてからすぐにお礼品を申し込みました。地域で出会った味を、自宅で味わい、感じることができるのもふるさと納税のお礼品の魅力だと思います」
ちなみに、中の人だから知ってる活用方法とかないんですか?
「うーん… 活用方法というほどのものではないですが、発送月が選べるお礼品があります。控除上限額はその年の年収などで決まるので、年収が確定したあとに年内までに寄付をして、お盆の時期に合わせて実家にお礼品を送るなどのやり方もありますよ」
「さとふる」には発送月を選べるお礼品もいっぱい
2020年の所得税の還付・2021年の住民税の控除対象となるのは、2020年12月31日の寄付分までです。 控除上限額まで寄付を申し込みたいけど、一度にたくさんお礼品が届くのは困る…という方におすすめです。
教えて! 年収600万だったらどれくらい控除されるの?
実際どれくらい控除されるんですか?
「細かい条件によって変わってくるのですが、例えば 年収600万の共働きで子供なしだと、約7万6,000円が控除上限額の目安になります。年収や家族構成などによって変わってくるため、良かったらシミュレーションを使ってみてください」
控除上限額7万6,000円のおすすめセットはありますか?
「そうですねえ、大分凍える寒さになってきたので、家族用のとらふぐ鍋セットとかはいかがでしょうか? 晩酌用の日本酒や食後にコタツで食べる果物もそえて」
これが、控除上限額7万6,000円のおすすめセットです!
最後に今後の話を教えてください。
「以前、寄付者にアンケート調査を行ったところ、『返礼割合(寄付金に対しての還元率)』よりも『地域性』を重視※することが分かりました。ここでいう『地域性』とは、地域内で生産・加工されているか。また、それだけではなく、地域の観光の見どころやおすすめスポット、特産品の情報など、その地域ならではの情報やストーリーを伝えて共感してもらうことが、重要だと考えています。そのお手伝いを頑張っていきたいですね」
いろいろ勉強になりました、ありがとうございました!
(掲載日:2018年12月25日、更新日:2020年12月8日)
文:ソフトバンクニュース編集部