空撮や人の目の届きにくい高い所の点検作業など、ドローンの活用が進んでいます。ソフトバンクでは企業が簡単にドローンをビジネスに活用できる「SoraSolution（ソラソリューション）」を提供中。このサービスはどのように活用されているのでしょうか。先日、和歌山県にある駅の設備点検で実施されたフライトの様子をご紹介します。
今回のフライトは山間の急峻な場所にある駅の設備点検
今回のフライトは、土木構造物の検査や診断を行う株式会社シーエス・インスペクターの設備点検作業。場所は、高野山（和歌山県伊都郡高野町）の入り口、南海電鉄の極楽橋駅です。
深い山間にある極楽橋駅は、2020年7月に駅構内がリニューアルされました。またケーブルカー乗り場ともつながっており、2019年3月に新しく導入されたケーブルカーの車内では、観光地の様子が映像で流されるなど、高野山観光が大変魅力的に紹介されています。
駅舎や線路などを整備された状態に保つためには、定期的な点検が欠かせません。しかし極楽橋駅は駅舎が山間の急峻な場所にあるため、壁や屋根や線路などの点検は危険を伴います。
「鉄道の設備は多岐にわたりますが、点検で人が容易に立ち入ることが困難な場所が多くあります」と話すのは、シーエス・インスペクターの担当者。このような場所でも「SoraSolution」を使えば、容易に点検を行うことができます。今回の作業ではソフトバンクからも担当者を派遣し、ドローン操作のサポートなどを行いました。
駅舎の屋根や架線が張り巡らされた線路上など、数々の難所をドローンで点検
今回の作業は、駅舎全体が確認できる見通しが良い場所に位置する橋の上から、遠隔操作にて実施。電車の運行に支障を来さないよう、時刻表も確認しながら行うことになります。また、周辺の通行者を確認するため、見張り役も配置するなど、万全の体制が取られました。
ドローンが撮影した画像（上空約100メートルから撮影したときのもの）
まずはケーブルカーの線路に沿って、山の上にある駅までの線路状況を撮影します。飛び立ったドローンは、あっという間にはるか上空へ。自動航行で往復約1.6kmの行程を、約13分で帰ってきました！ 人の目視で点検を行おうとしても、このような短時間で実施することは不可能です。
「自動操縦のルート設定も簡単に行えるので便利ですね」とシーエス・インスペクターのご担当者さまにも好感触でした。
ドローンから送られてくる映像を確認中
その後は高所にあるホームの壁を、外側からドローンで撮影。通常であれば足場を組む必要がありますが、その時間や費用を削減することができました。
建物の屋根の点検も重要です。これまでは人が屋根に上って確認していた破損・腐食・異物などの変化を、ドローンで上空から容易に確認することができます。異常があった場合に必要な箇所だけ人が対応すれば良く、作業効率は格段に向上します。
線路の状態を確認する試みも行いました。線路上は架線が多く張り巡らされているため、慎重を期して手動操作で点検作業を行いました。
この日は好天にも恵まれ、作業は無事終了。
「これまでの点検作業では多くの準備期間と作業員の確保が必要でしたが、SoraSolutionを使うことで作業の効率化が期待できます。今後他の場所でも利用していきたいと思います」とお客さまから「SoraSolution」活用の手ごたえを感じていただくことができました。
ソフトバンク担当者のコメント
法人プロダクト&事業戦略本部 デジタルオートメーション事業第1統括部 IoTプロダクト企画推進部 木南 雅彦
「SoraSolution」は高精細な映像を撮影しながら、事前に設定したルートを自動航行するシステムを備えており、手軽にドローンを使用することができるサービスです。今回のような設備点検を始め、他の分野でも便利に活用していただけるよう、携帯電波を使った広域の対応や空のインフラ化に向けた機能拡張など、さまざまな機能の拡張を順次展開していく予定です。
（掲載日：2020年9月18日）
文：ソフトバンクニュース編集部
