2021年2月8日、ソフトバンクグループ株式会社（以下「SBG」）が2021年3月期 第3四半期 決算説明会を開催。代表取締役 会長兼社長執行役員 孫 正義が登壇し、第3四半期の業績やソフトバンクビジョンファンド（以下「SVF」）の概況、SBGの役割について改めて説明しました。
過去最高の純利益よりも大切なこと
冒頭、孫は第3四半期決算の概要を説明。純利益が3兆円を突破し、前年同期比6.4倍の3兆552億円と同期間で過去最高の数字となったことを説明した上で、「事業家として生まれ、自分の会社を起こして、この程度で満足するつもりはない」とSBGには利益以上に重視していることがあると強調。NAV（Net Asset Value）が9カ月で1.2兆円増えたことに触れ、改めてNAVを重視し、今後も伸ばしていく姿勢を示しました。
先日発表されたArmの売却の進捗についても「購入価格の3兆3千億円よりも高く評価した取引で売却することになり、対価の一部はNVIDIA株式で取得することになる。AIの時代に最も適したチップセットを生み出していく2社の融合により、AIが力を発揮できるコンピューティングプラットホームが生まれ、人類の将来に大いに貢献することが一番大事である」と力強く語りました。
SVFも収穫期となり順調に推移
続いて孫は「SBGとはどういう存在かを改めて申し上げたい。それは金の卵を生み出す製造業だ」と話し、1990年代後半からの投資実績の中から100億円以上の利益で売却した、あるいは上場を果たした投資先を「金の卵」と表現して紹介。SBGがいわゆる既成概念の投資会社とは異なる点を説明しました。通信インフラ事業の創業に集中した時期を挟んで、「これからはAI革命がさまざまな産業を再定義する」とSVF開始した2017年以降、約15社の投資先が新規上場を果たすなど、「金の卵が加速度的に増えている」と説明し、その原動力であるSVFの現況に触れました。
現在、SVFの投資先（売却済・投資の実行プロセスに入っているパイプラインも含む）の数は131社※（SVF1：92社、SVF2：39社）に増加。投資利益は2019年度の赤字から反転回復して1.3兆円になり、始まって間もないSVF2でも約5,000億円の未実現評価益を計上したことなど、順調な推移を紹介。
そして、「ほんの1年前、SVFは『腐った卵しか産まない』『間違った、ほとんど機能をしていないたファンドだ』『株主に対して価値を創造していない』などと批判されましたが、私は信じていたわけです。やっと収穫期に入り始めた」と説明しました。
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- ※SoftBank Vision Fund（131社）：2020年12月31日時点の投資先（SVF1=全持分売却済10社を含む92社、SVF2=26社）+2021年1月1日から2月5日の間に投資したSVF2の投資先（2社）+2021年2月5日時点のSVF2のパイプライン（11社）の合計
なぜ、金の卵を産み出せるのか
「金の卵を産むガチョウとして、AI革命に特化する」と宣言。白い卵を金の卵にするためには、より大きなビジョン、より大きな資金、グループシナジーによる「ターボチャージ戦略」が必要だと語るとともに、「投資はリズム」と表現。そのリズムを生み出すことを可能とする仕組みとして、圧倒的なスケールを用いて、専門分野に特化した組織的な分業システムからなる「金の卵の製造業」の仕組みのイメージを示しました。
「Beyond Carrier」を掲げるSBKKともシナジーを
また、今回の説明会では日本におけるユニコーン企業育成においてソフトバンク株式会社（以下、「SBKK」）に期待する役割についても言及しました。
「宮内社長が提唱している『Beyond Carrier』を、4月から宮川新社長が推し進めることになる。インドのPaytmの技術を用いてPayPayを生み出したように、SBKKは日本でさまざまなデジタルプラットフォーマーの受け皿になることができる」と述べ、SBG、SVFの投資企業との間でシナジーを生み出すことに期待を寄せました。
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（掲載日：2021年2月8日、更新日：2021年2月9日）
文：ソフトバンクニュース編集部
