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雨水を使ってこけ玉づくり。都会のビルで雨水を蓄えることで目指す水循環

雨水を使ってこけ玉づくり。都会のビルで雨水を蓄えることで目指す水循環

将来深刻な水不足が懸念され、「水の世紀」とも言われる21世紀。ソフトバンク株式会社の本社ビル・東京ポートシティ竹芝には、持続可能な水循環の取り組みを推進し、雨水を蓄えるさまざまな仕組みが整っています。そんな雨水を活用し、インテリアとしても大人気の「こけ玉」を作る小学生向けワークショップが、11月13日に竹芝UBCの主催により開催され、ソフトバンクの社員も家族連れで参加しました。水の循環に大切な役割を果たすレインガーデン(雨水浸透緑地帯)や、雨水を使って子どもたちがこけ玉づくりに挑戦する様子をご紹介します。

竹芝新八景
竹芝新八景

「空・蜂・水田・菜園・香・水・島・雨」の8つの景から成る竹芝新八景では、緑豊かな環境づくりと生物多様性の保全を目指した取り組みを行っています。今回のイベントは、「雨の景」をテーマに開催されています。

「流す」から「蓄える」へ。雨水を貯めて、ゆっくりと地下へ浸透させるレインガーデン

東京ポートシティ竹芝の1階にある「レインガーデン(雨水浸透緑地帯)」。都会では半分以上の雨水が下水道に流れているそうですが、ここでは雨の一部がビルの配管を伝って雨水貯留槽やレインガーデンへと流れてきています。

「流す」から「蓄える」へ。雨水を貯めて、ゆっくりと地下へ浸透させるレインガーデン

「流す」から「蓄える」へ。雨水を貯めて、ゆっくりと地下へ浸透させるレインガーデン

「ほら、あそこ見てみて!」

「流す」から「蓄える」へ。雨水を貯めて、ゆっくりと地下へ浸透させるレインガーデン

雨の日は壁面の黒い配管から雨水が流れてきます

自然環境では、雨水は地下に浸透するか、地面の上を流れて少しずつ蒸発しながら海に合流します。近年、激しい雨が増える一方で雨が降る日数は減少する傾向へと雨の降り方が変わってきていることから、持続可能なまちづくりのために注目されているのが「水循環」です。

集中豪雨の際には、下水道に流しきれない雨が溢れてしまうと洪水を引き起こす原因になることも。東京ポートシティ竹芝がある港区では、雨水と汚水が一本の管で流される「合流式」下水道が地面の下を走っているため、別々に流す「分流式」に比べると洪水時の水質汚染などの問題がより深刻化しやすいとされています。

下水道に雨水を「流す」のではなく、建物や敷地で「蓄える」

下水道に雨水を「流す」のではなく、建物や敷地で「蓄える」

持続可能な水循環の促進を目指して、東京ポートシティ竹芝でとられているのは、「貯める」「浸透させる」という2つのアプローチ。地下の雨水タンクで貯水し、レインガーデンで地下浸透させています。

こうして都会にも緑や土の場所を残し、雨水を地下浸透させることで、都市型洪水を防ぐ効果が期待されます。持続可能な水の循環に役立つレインガーデンは、ビルが立ち並ぶオフィス街や都心部でも、自然が豊かでリフレッシュできる空間のひとつです。

「流す」から「蓄える」へ。雨水を貯めて、ゆっくりと地下へ浸透させるレインガーデン
「流す」から「蓄える」へ。雨水を貯めて、ゆっくりと地下へ浸透させるレインガーデン

「流す」から「蓄える」へ。雨水を貯めて、ゆっくりと地下へ浸透させるレインガーデン

植物にもやさしい雨水を活用して、「こけ玉づくり」にチャレンジ!

東京ポートシティ竹芝の地下で貯めていた雨水を利用して、子どもたちはこけ玉づくりに挑戦。こけ玉は植物の根っこを土で包み、その周りにこけ植物を巻きつけたものです。こけ玉に使用する植物は多肉植物が多いそうですが、今回用意されていたのは、イチゴ、セダム、ヤブラン、パキラ、カネノナルキ、ツタバウンラン、コミカンソウのなかまといった7種類の植物。ちなみに、イチゴは竹芝新八景・菜園の景で育てられた苗です。その中から子どもたちは好きな植物を真剣に選びます。

植物にもやさしい雨水を活用して、「こけ玉づくり」にチャレンジ!

机の上には、土と乾燥したこけを用意

植物にもやさしい雨水を活用して、「こけ玉づくり」にチャレンジ!

「う~ん、どれにしよう……」

土をこねて丸めたあと、穴を開け、それぞれが選んだ植物を植え付けます。うーん、ちょっと難しそう?

植物にもやさしい雨水を活用して、「こけ玉づくり」にチャレンジ!
植物にもやさしい雨水を活用して、「こけ玉づくり」にチャレンジ!

ここで雨水の出番です。乾燥していたこけを雨水に浸すと、水が浸透してこけがふくらみます。今回使用した雨水は、水道水に比べると塩素といった余計な物質を含んでいません。そのため、植物の水やりに好ましいだけでなく、節水にもつながるので植物にも経済的にもフレンドリー。

植物にもやさしい雨水を活用して、「こけ玉づくり」にチャレンジ!

こけが水を含んだら、やさしく広げながら土の周りに巻きつけます。子どもたちには少し難しいようで、一緒にいた保護者の方たちが手伝う姿も。おにぎりのように手で丸くしたあとは、こけ玉に糸を巻きつけて固定します。1年ほど経てば、土の形状が安定し、糸が自然にほつれてくるそうです。

植物にもやさしい雨水を活用して、「こけ玉づくり」にチャレンジ!
植物にもやさしい雨水を活用して、「こけ玉づくり」にチャレンジ!

テーブルの上の片付けたあと、完成したこけ玉を持って、外で写真撮影。お天気も良く、子どもたちは自分のこけ玉を持ってカメラの前でポーズをしたり、スキップテラスを駆け回っている様子も。

植物にもやさしい雨水を活用して、「こけ玉づくり」にチャレンジ!

植物にもやさしい雨水を活用して、「こけ玉づくり」にチャレンジ!
植物にもやさしい雨水を活用して、「こけ玉づくり」にチャレンジ!

初めてのこけ玉作りに挑戦した子どもたちからは、「意外と簡単だった」「楽しかった」といった声がちらほら。中には、自分のこけ玉に名前を付けている子もいました。

こけ玉の水やりは、1日に1回ほど霧吹きで水やり、2~3日に1回程度の頻度で土が完全に乾いたら水に浸し、泡が出なくなるまで水につけるのがポイントだそうです。家に帰っても雨水を使って育ててあげたいですね。

竹芝 新本社ビル オフィスの一部を写真でご紹介

竹芝 新本社ビル オフィスの一部を写真でご紹介

竹芝の新本社ビルは、従業員全員が最高のパフォーマンスを発揮でき「Smart & Fun! 」を体現できるコミュニティー型ワークスペース。オフィスで働く部門をまたいだオープンイノベーションの創出を目指すほか、働く時間や場所に縛られない、よりイノベーティブでクリエーティブな働き方を目指しています。

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(掲載日:2021年11月24日)
文:ソフトバンクニュース編集部