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【解説】スマホに欠かせない「SIMカード」って? 役割や最新規格「eSIM」の特徴も解説

【解説】スマホに欠かせない「SIMカード」って? 役割や最新規格「eSIM」の特徴も解説

スマホを使ううえで、欠かせないのが「SIMカード」。スマホの購入や契約時に見たり聞いたりしたことがあるかもしれませんが、実際にどういうものなのか、何のためのものなのか、知らない人も多いでしょう。

そこで今回は、SIMカードの役割や種類について詳しく解説します。また、最近耳にするようになった「eSIM」についても、特徴などを解説します。

SIMカード、eSIM解説の目次

SIMカード≒携帯電話の身分証明書

SIMカード≒携帯電話の身分証明書

SIMカードとは、爪ぐらいの大きさをしたICカードのこと。そもそもSIMは「Subscriber Identity Module」の略称で、「加入者識別モジュール」という意味です。カードのICチップ部分にスマホの契約者情報電話番号が記録されています。いわば、携帯電話の身分証明書のようなものなんです。基本的な機能はほとんど同じ「USIM」を「SIM」と呼ぶこともあります。

SIMカード≒携帯電話の身分証明書

このSIMカードを、スマホやタブレットのSIMカードスロットに挿すことで、カードに記録された電話番号や契約者情報を認識し、電話やデータ通信が可能になります。取り外しは簡単ですが、基本的には新規契約や機種変更、海外用のSIMカードに入れ替えるときなど以外のタイミングで、目にすることはあまりありません。

3種類あるSIMカードの特徴

SIMカードには、そのサイズによって「標準SIM」「microSIM」「nanoSIM」の3種類があります。

3種類あるSIMカードの特徴

① 標準SIM

SIMカードのなかで最初に普及した種類。サイズは縦25mm、横15mmと、3種類のなかでは最も大きいのが特徴です。ガラケーや、2008年に発売された「iPhone3G」、また同時期のスマホで使われていました。

② microSIM

標準SIMの次に登場したのが、microSIM。サイズは縦15mm、横12mmと小型化されたことから「micro」と付いています。時期としては、2010年頃から発売されたスマホに使われていました。

③ nanoSIM

そして最も新しいのが、nanoSIM。microSIMからサイズがさらに小さくなり、縦12.3mm、横8.8mmと3種類のなかでは最小。2012年頃から採用されはじめ、いまなお主流のSIMカードとして使われています。

また、SIMカードはその機能によっても「音声SIM」と「データSIM」の2種類に分かれます。音声SIMは、スマホに挿すことで音声通話やデータ通信が可能になりますが、データSIMはデータ通信のみに対応しており、音声通話はできません。

SIMカードをデジタル化。次世代規格「eSIM」の特徴

現在はnanoSIMが主流ですが、最近新しい規格が登場しています。それが「eSIM(イーシム)」。

eSIMとは、「Embedded SIM」(組み込み型SIM)の略称。nanoSIMのように、契約時や機種変更時に物理的なSIMカードを端末に挿しこむのではなく、あらかじめ端末に内蔵されていることから、組み込み型と呼ばれています。eSIMを使うと、「プロファイル」と呼ばれるデータをダウンロードすることで、電話番号などの契約者情報が記録され、利用開始できます。

SIMカードをデジタル化。次世代規格「eSIM」の特徴

ワイモバイル・LINEMOは2021年3月から、ソフトバンクは2021年7月からeSIMの提供を開始。主流のnanoSIMに比べ、まだeSIMを使える端末は少ないのが現状ですが、徐々に増えてきています。また、ソフトバンクのeSIMが使える機種を検索できるページもあります。

物理的なSIMカードとどう違う?

  SIMカード eSIM
メリット
  • 対応機種が多い
  • SIMカードを挿し込めばすぐに使える
  • オンライン上で初期設定が完了する
  • 紛失や破損のリスクがない
  • 海外旅行時にスマホ上で必要な設定が完了する
デメリット
  • 紛失や破損のリスクがある
  • ウェブ上で契約した際はSIMカードが届くまで数日かかる
  • 対応機種がまだ少ない
  • 利用手順や初期設定の方法を詳しく理解する必要がある

物理的なSIMカードとの一番の違いは、契約や機種変更時にSIMカードの入れ替えが発生しないこと。SIMカードをオンラインで申し込んだ場合、一般的にはSIMカードが自宅に届くまで数日はかかりますが、eSIM対応のスマホであればショップに出向いて手続きしなくてもオンラインの手続きだけで初期設定が完結することが最大のメリットです。

また、eSIM対応となっているスマホであれば、どのSIMカードが使えるのかなどと細かな種類やサイズを気にする必要もありません。さらに、海外旅行の際に現地のSIMを利用しなければならないときも、スマホで操作するだけで利用を開始できます。

一方、デメリットとしては、主にオンライン上での契約ではプロファイルのインストールなどを自分で行うため、利用までの手順を理解する必要がある点が挙げられます。また、対応機種がまだ充実していないこともあり、目当ての機種を使えないことも考えられます。eSIMの利用には、端末、利用手順ともに事前の下調べが重要です。

2枚のSIMカードを挿せるスマホもあります

スマホの機種によっては、1台に2枚のSIMカードを挿せるものがあります。こうした機能を「デュアルSIM」と呼び、2枚のSIMカードで異なる通信プランを利用できます。例えば、仕事用とプライベート用で異なる電話番号を使い分けたり、1枚を月のデータ容量が少ない音声SIM、もう片方をデータSIMにして全体のスマホ料金を安くしたりといった使い方ができますね。

ソフトバンクやワイモバイル、LINEMOでは、eSIMに申し込んでから実際に利用するまでの手順を、公式サイトで詳しく解説しています。実際にeSIMを利用する場合は、こちらのページを参照してください。

eSIMの設定方法

eSIMにはもう1つ、物理カードにはないメリットがあります。それは、SIMカードを郵送する際の包装紙や取り外しのためのカードが要らないこと。ソフトバンクはSDGsの一環としても、SIMカード包装の簡易化に取り組んでいます。

(掲載日:2022年1月28日)
文・編集:友納一樹(TEKIKAKU)
撮影:高原マサキ