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「駆け出す前に書き出せ」 ースマホと手帳で上手にタスク管理をするコツとは?

やるべきことは「駆け出す前に書き出せ」!?スマホと手帳で上手にタスク管理をするコツとは

しっかりタスク管理をしているつもりでも、「うっかり予定を忘れていた!」「やることが多すぎてどれから手をつけていいのかわからない」なんてことになりがちです。そんなときは、スマホや手帳を活用したタスク管理で頭の中をクリアにしましょう。やるべきことを書き出して整理し、タスクを「見える化」すれば、時間が有効に使えるようになるはず。今回は、手帳評論家の舘神さんに、タスク管理が必要な理由と、スマホと手帳を使い分けて上手にタスク管理する方法をうかがいました。

目次

お話を聞いた人

舘神 龍彦さん

舘神 龍彦さん
株式会社アスキー勤務を経てフリー。おもな著書に『凄いiPhone手帳術』(えい出版社)『パソコンでムダに忙しくならない50の方法』(岩波書店)など。『手帳と日本人』(NHK出版新書)は大学受験の問題に2度出題されるなど、著書への評価は高い。「マツコの知らない世界」をはじめ、テレビ・ラジオ出演多数。

タスク管理、できていますか?

タスク管理、できていますか?

タスク管理に欠かせない手帳やスマホアプリ。うまく活用できる人がいる一方で、「なかなか使いこなせない」「使い始めても途中で挫折しちゃって続かない」なんて人も。まずは、スマホと手帳、それぞれのタスク管理のよくある困りごとを見てみましょう。

【スマホ】

  • 画面が小さく、抱えているタスク全体を見渡せない
  • ツールの使い方を覚えるのが面倒
  • 通知が多くて集中できない
  • ツールが多く、どこにメモを残したのかわからなくなる

【手帳】

  • 期日が決まっているタスクとそうでないタスクの整理が難しい
  • タスクの入れ替えに慣れが必要
  • 使い始めてもなかなか続かず挫折してしまう

舘神さん「手帳でもスマホでも、ただなんとなく予定を書いているから続かないというのはよくあることだと思います。まずは、予定を記入することで『可処分時間の残高照会』になるという考え方をしてみましょう。ATMで口座の残高確認をするのと同じ感覚で、これから取り掛かる予定を記入して、残っている自分の時間がどれくらいあるのか『見える化』する。そうすれば、それ以外の時間をどう使うかということに意識が向くようになります。このように時間の管理ができるようになると、タスク管理もスムーズにできるようになるかと思います」

タスク管理をするメリットは?

全部自分の頭の中でやっているのでスマホや手帳などでタスク管理をする必要はない、という人もいますが、それはやはり難しいそうです。

舘神さん「タスク管理くらいならば、頭の中でできるという人もいるかもしれませんが、実際には脳の中のワーキングメモリーは一度に7つ前後のことしか記憶できないそうです。つまり、記憶に頼ったタスク管理には限界があるんですよね。そもそも、自分の頭の中だけでタスクを管理していると、作業をする前に毎回その日にやるべきタスクを思い出すという時間が発生します。でも、冷静に考えるとこの時間ってかなり無駄ですよね。

その点、スマホや手帳でタスクを管理すれば、作業をする前に思い出す無駄な時間がなくなるだけでなく、タスクの抜け漏れを防ぐことも。また、タスクの優先順位がわかって作業効率が上がったり、積み重ねることで次へのフィードバックができるなどのメリットもあります。特におすすめなのが所要時間を記録しておくこと。次に同じようなタスクが生じた場合、かかる時間を想定しやすくなるでしょう」

タスク管理がうまくなる基本の考え方

タスク管理が上手くなる基本の考え方

タスク管理をした方がいいことはわかっていても、なかなか思うようにできない…! そんな方のために、タスク管理がうまくなる基本の考え方を解説します。スマホでも手帳でも考え方は同じです。

STEP1:今あるタスクを全て書き出す

人間はすぐに忘れてしまう生き物。頭の中から出力しておかないと、大事なこともそうでないことも同じようにきれいさっぱり忘れてしまいます。まずは、今あるタスクを全て書き出して、タスクリストを作りましょう。このとき、タスクはなるべく具体化・細分化して書くのがおすすめだそうです。

STEP1:今あるタスクを全て書き出す

舘神さん「私はよく『駆け出す前に書き出せ』と言っています。前述したように人間が一度に覚えていられることは7つ前後と言われていて、新しいことを覚えるとどんどん忘れていってしまうんです。それを防ぐためには、スマホでも手帳でもなんでもいいのでいったん頭の中から外部に出力して『見える化』することが大切です」

STEP2:タスクの優先順位を決める

今あるタスクを全て書き出したら、それぞれいつまでにやるのか、締め切りの日時を書き入れましょう。こうすることで、すぐに取り掛かるべきタスクと、今すぐに取り掛からなくてもいいタスクを分けることができます。その後は締め切りが早い順にタスクを並べ替えて、優先順位を決めていきましょう。また、書き出すことでそれらをいったん頭の中から追い出して考えることに集中できるメリットもあります。

STEP2:タスクの優先順位を決める

舘神さん「緊急度、重要度の高いタスクは頑張って先にやっつけてしまいましょう。そういうタスクを後回しにすると、意識のどこかでそのことが気になって作業の効率が落ちてしまいます。締め切りの早いものから手をつけることで、目の前のタスクに集中することができます」

STEP3:プランニングをする=タスクをスケジュールに組み込む

それぞれのタスクにかかる時間を想定し、書き足しましょう。初めての作業で時間を想定できないときは、過去の似たような作業にかかった時間から予測します。普段からタスクにかかった時間の記録を取っておくと、こういうときに便利。タスクをスケジュールに組み込むときは、キツキツに詰め込むのではなく、少し時間に余裕を持たせましょう。

実際にタスクをこなし始めたら、リストの完了したタスクは線で消す、チェックを入れるなどして、終わったことがわかるようにしましょう。完了したタスクを「見える化」することで達成感を味わえます。

STEP3:プランニングをする=タスクをスケジュールに組み込む

舘神さん「締め切りが決まっていないタスクはついつい後回しにしがちですが、例えば通院など、自分や家族の健康に関することは優先的にスケジューリングしましょう。歯医者に行くついでにスーパーに寄るようにすれば時間を有効に使えますよ。

タスクのはかどりを確認する際の注意点としては、スマホの管理ツールの中には、完了したタスクが消えてしまうものがあることです。完了したタスクが見えるツールを使った方がいいでしょう」

スマホと手帳、それぞれのメリットは?

スマホと手帳、それぞれのメリットは?

タスク管理はスマホアプリと手帳、どちらを使うのがいいのでしょうか? 使い分けを考える前にまずはそれぞれのメリットについて理解しておきましょう。

スマホのメリット

スマホは、カレンダーアプリなどで他の人とスケジュールを共有できるのが最大のメリット。電車やバスの乗り換えの詳細や地図アプリのリンクをカレンダーに貼り付けるなど、情報をクリップしやすいのも特徴です。また、食事のカロリーやランニングルート、運動量など、日々のさまざまなデータを手軽に記録することも可能。

舘神さん「カレンダーアプリは後から検索できるのが便利ですね。例えば、3年前に〇〇さんとどこで会ったかを思い出したいとき、3年前の手帳を持ってくるよりも、カレンダーアプリで検索したほうが早いです。特にデジタルツールが好きな人や手帳などに手書きで書き込むのが苦手な人はスマホでタスク管理をする方が向いているかと思います」

手帳のメリット

紙の手帳は1カ月ごと、1週間ごとのページがあり、予定の全体像や詳細を把握しやすいメリットがあります。使い方の自由度が高く、欄外に締め切りが決まっていないタスクを記入したり、仕事とプライベートでペンの色を使い分けたり、自分なりのルールでカスタマイズできるのが魅力。カレンダーアプリに入力するほどでもないささいな用事でも、気軽に書き込むことができるでしょう。

舘神さん「紙の手帳のほうが、一覧性は高いと思います。例えば、僕が使っているB6サイズの手帳は、見開きだと手持ちのスマホの約4倍のサイズ。単純に、大きくて見やすいのがいいですね。手書きが好きだったり、自分なりに自由にカスタマイズするのが好きな人は手帳でタスク管理をする方が向いているかと思います」

スマホで上手にタスク管理する方法は?

スマホがこれだけ普及すると、スマホのアプリでスケジュール管理をする人も多そうです。もちろん、スマホと手帳はどちらか1つでも使えますが、舘神さんによると「スマホでタスク全体を管理して、タスクの詳細は手帳で補足する」という方法もおすすめだそうです。具体的にはこのように使ってみましょう。

STEP1:スマホにはタスクだけを入力する

「Yahoo!カレンダー」の画面

「Yahoo!カレンダー」の画面

スマホのスケジュールアプリにタスクの名前だけを入力。その日に何があるか、何をする予定なのかスマホを見ればすぐにわかるようにしておきましょう。タスク全体を管理するのはスマホですが、スケジュール欄のスペースには限りがあって細かい記述はできないので、各タスクの詳細に関しては手帳に記入して補足するようにします。

STEP2:手帳にはタスク+番号を記入する

STEP2:手帳にはタスク+番号を記入する

手帳にはスケジュール欄にタスクとタスクの番号を記入(例:A1、B1のようなイメージ。例えば、仕事のタスクをJ1、J2、J3…、プライベートのタスクをP1、P2、P3…というようにするとわかりやすくなります)。

STEP3:タスクの番号ごとにメモ欄に詳細を記入する

STEP3:タスクの番号ごとにメモ欄に詳細を記入する

手帳のメモ欄にはスケジュール欄に記入したタスクの番号ごとに、具体的にどんな作業をするのかと、それにかかる所要時間を記入。作業が終わったら横線を入れてチェックして、どこまで作業が終わったのかがひと目でわかるようにしておきましょう。仕事であれば関係する人の名前を記入したり、タスクとタスクを→で結んだり、引き出し線をひいてコメントを書いたり、自由にカスタマイズして自分なりの最適な記入方法を探してみてください。

舘神さん「このような使い方をするので、手帳は予定とメモ欄を同じ面で一覧できるものがおすすめです。私は手帳とカレンダーアプリを併用しています。メインはカレンダーアプリで、サブ的に手帳も使うと、タスク管理が効率よくできますよ」

舘神さんおすすめのスマホ・手帳の使いこなしテク

最後に、スマホと手帳を上手に使い分けてタスク管理する際に知っておくとさらにタスク管理がはかどる舘神さんおすすめのスマホ・手帳の使いこなしテクを紹介します。

【スマホ】

①リマインダー機能を活用する

iPhoneなどにあるあらかじめ入力しておいた予定を知らせてくれる便利なリマインダー機能。予定の少し前に教えてくれるので、うっかり忘れてしまうミスを防げます。下記の画像のように場所を設定して、その場所に着くと通知が届くようにするとさらに便利です。

リマンインダーで近所のドラッグストアに着くと通知が届くように設定。

リマンインダーで近所のドラッグストアに着くと通知が届くように設定。

ドラッグストアに着くと「トイレットペーパーを買う」という通知が。これで買い忘れを防げます。

ドラッグストアに着くと「トイレットペーパーを買う」という通知が。これで買い忘れを防げます。

②移動時間などの隙間時間に見直す習慣をつける

せっかく予定を入力しても、確認しなければ意味がありません。完璧に記憶する必要はありませんが、移動中の電車内などでたまに見直して先の予定をイメージする癖をつけるといいでしょう。

③パソコンと連動させる

スマホのカレンダーアプリはパソコンと同期できるものがほとんど。パソコンからも予定が確認できて便利です。

④メールから予定を作成する

会議の日程などがメールで送られてきたとき、メール画面から予定を作成すると簡単です。メールを受け取ってすぐにスケジューリングすれば忘れることがありません。

舘神さん「特にリマインダーの場所を設定して通知が届くようにしておくのがおすすめです。例えば、たまに駅の駐輪場に自転車を停めたとき、あらかじめ入力しておけば、帰ってきて駅に着くと『自転車をピックアップしよう』とスマホが教えてくれるんです」

【手帳】

①予定以外のことを書いて、メモやノート代わりに使う

予定以外のことも書き込めるのが手帳のいいところ。思いついたアイデアなどをその場で書きとめておくと、後から役にたつことも。メモをする際は日付も一緒に書くのがおすすめです。

②タスクの種類や重要度によってペンの色を変える

タスクの種類や重要度によってペンの色を変える

仕事のタスクは青、プライベートのタスクはオレンジのペンで書く、締め切りが早い緊急のタスクは赤のペンで書くなど、自分なりのルールを作ればより見やすくなります。

③保留中の予定は付箋に書いて手帳に貼る

まだ確実とは言えない予定を書き込むのにためらいがあるときは、付箋に書いて貼っておきましょう。予定が流れたら付箋を剥がせばいいし、予定が確実なものになったら手帳に書き込むことができます。

舘神さん「時間軸をいかに活用したり無視したりできるかが、手帳使いのポイント。タスクとチェックボックスを書いてタスクリストを作ったり、その日の出来事や感情を書いて日記的に使ったりと、手帳の自由度の高さを生かしましょう」

まとめ

忙しいと頭の中でタスクがぐちゃぐちゃになってしまうもの。そんなときはタスクを書き出し、手帳やスマホを使ってしっかりと整理しましょう。

「デジタルにせよアナログにせよ、タスクを書き出して整理する習慣をつければ、もっと時間を有効に使えるようになるでしょう」と舘神さん。

スマホや手帳を上手に活用し、タスク管理上手を目指しましょう!

(掲載日:2023年1月6日)
文:吉玉サキ
編集:エクスライト

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