愛知県が推進する「愛知スタートアップ戦略」の中核プロジェクト「STATION Ai（ステーション・エーアイ）」。その建設工事の本格化を前に、2023年1月6日、愛知県の名古屋市公会堂で起工式が執り行われ、整備・運営を担うソフトバンク株式会社の子会社STATION Ai株式会社など関係者15名が建設工事の安全を祈願し、くわ入れを行いました。
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愛知独自のスタートアップエコシステムを形成。スタートアップ1,000社を目指す
「STATION Ai」は、地上7階建て、延べ床面積は約2.3万㎡とスタートアップの支援拠点としては国内最大規模。来年2024年10月に開業予定です。建物は企業のオフィスやイベントスペースのほか、プロトタイプの制作が行えるファブラボなどで構成され、一般開放エリアにはカフェやレストランのオープンが予定されているなど、スタートアップと地域住民に自然とコミュニケーションが生まれるような施設を目指しています。
冒頭のあいさつで愛知県の大村知事は、起工式の実施に対し関係者への謝辞を述べた後、事業経緯を次のように説明しました。「社会環境の大転換期を迎え、産業構造の変革への適応が求められる中で、今後も愛知県が日本経済を引っ張っていくためには、スタートアップを起爆剤としたイノベーション創出が不可欠。愛知県が推進している『愛知スタートアップ戦略』で中核を成すのが、このSTATION Aiです」
加えて、愛知県が提携する世界各国のスタートアップ先進地域との共同プロジェクトについても紹介し、「産官学すべてのステークホルダーを集結して、スタートアップエコシステムをどんどん作っていきたい。リアルとリモートで1,000社のスタートアップを呼び込み、世界中から人の集まる場所にしたい」と強い期待を寄せました。
愛知から日本を代表し、世界をリードする企業を生み出したい
事業者代表として登壇したソフトバンク株式会社 専務執行役員 兼 CHROの青野は、ソフトバンクの事業変遷や社内起業制度ソフトバンクイノベンチャーのこれまでの取り組み実績について触れ、11年間で7,000件を超える事業提案があったものの、事業化は約20件と起業の厳しさを述べました。「企業の成長には、新しい分野や価値をどう作っていくかが非常に重要。社員の事業提案なども取り入れながらソフトバンクは成長してきた」と話し、「STATION Ai」に対しては「われわれのノウハウを全面的に提供・貢献し、愛知から日本を代表し、世界をリードする企業が出てくることを夢見てしっかりと作っていきたい」と語りました。
また同じく事業者代表として登壇したソフトバンク株式会社 専務執行役員 兼 CTOの佃は、 「ソフトバンクが企業や自治体に対して取り組むDX支援やスマートシティ・スマートビル事業で培った知見をSTATION Aiに徹底的に注ぎ込みたい」と述べ、「STATION Aiに集う人々がストレスフリーで、集いたくなるオープンでクリエイティブな環境、そして環境負荷が低い建物を目指すことで非常に良い拠点になる。オープン時だけではなく、完成した後も変革を続けられるような仕組みを取り入れたい」と施設への意気込みを話しました。
STATION Ai株式会社 代表取締役社長 兼 CEOの佐橋は、関係者への謝辞に加え、「最先端のスマートビルとして、建物にはロボットやセンサーを実装し、そこから得られるビッグデータを入居するスタートアップに開放。そのデータを活用して実証実験を行える、いわゆるスタートアップのサンドボックスがコンセプト」と建物の概要を話し、すでに先行して開始しているスタートアップ支援事業「Pre-STATION Ai」に参画するスタートアップ数が1年間で3.2倍の155社に増加した実績を説明。
また今後の展望と注力施策について「スタートアップのメンバー数を1,000社にし、毎年ユニコーン企業が生まれ、最終的には愛知県がオープンイノベーションの先進都市だと言われることを目指したい。そのためには、起業家の裾野の拡大と、モノづくりで世界に名だたる企業を輩出してきた愛知の既存産業のアセットを魅力として、世界のスタートアップに発信し、有望なスタートアップを呼び込みたい」と決意を述べました。
（掲載日：2023年1月12日）
文：ソフトバンクニュース編集部
