SNSボタン
記事分割(js記載用)

盤石な守りで攻めの時を待つ -ソフトバンクグループ株式会社 2023年3月期 第3四半期決算説明会レポート

2023年2月7日、ソフトバンクグループ株式会社(以下「SBG」)の2023年3月期 第3四半期決算説明会が開催されました。取締役 専務執行役員 CFO 後藤芳光が連結業績について説明しました。

目次

あらゆるシナリオを想定した安全な財務運営で守りを固める

冒頭、後藤は「市場は非常に不安定な状況が続いており、まだまだ楽観視はできない状況」とした上で、2022年12月末時点におけるSBGの最重要指標について、NAVが13.9兆円とSBGの歴史の中で非常に十分な安全性を維持できていること、LTVが18.2%と引き続き低位を維持していること、手元流動性が3.8兆円と高水準を維持していることを説明しました。

あらゆるシナリオを想定した安全な財務運営で守りを固める

これらの3つの指標について、第2四半期以降からの為替変動が影響していることにも触れ、全体の総括として、「安全なレベルで運営している。このような状況において、投資会社としては、追加の新規投資などを保守的に見ていけば、安全性は高く守っていける事業体である」と述べました。

最重要指標の現状を踏まえ、「守りは盤石です。今後、積極的な攻めのステージに入るまでは投資資金を確保しておく必要がある」と説明。続けて、「ソフトバンク・ビジョン・ファンド(以下「SVF」)については、今の引き締めた管理体制を維持しながら、今後の環境の改善や投資機会をしっかり見極めていく」と示しました。
またいつ攻めに転じるかについて、「さまざまなシナリオを想定し状況に応じた財務戦略で、守りを固めるまたは攻めのタイミングを見極めていくことになる」とコメントしました。

あらゆるシナリオを想定した安全な財務運営で守りを固める

第1四半期から第3四半期までの累計の連結業績は、売上高は4兆8,758億円、投資損失は1兆3,612億円、税引前損失2,900億円、純損失は9,125億円となりました。
第3四半期の純利益は7,834億円の純損失となりました。第1四半期を底に損失は次第に改善してきていると説明しました。

為替の影響を受けつつも安定したレベルを維持

為替の影響を受けつつも安定したレベルを維持

為替の影響を受けつつも安定したレベルを維持

新規投資の厳選と既存投資先の価値向上を目指す

SVFの投資損益は、四半期ごとの推移を見ると損失は改善方向にあると示しました。「今後、新規投資を重ねていく上で、既存の投資先の価値向上を目指しながらリターンを出していきたい。グループ全体の基幹ビジネスとしても成功させていきたい」と意欲を示しました。

また、第2四半期と同様に投資額を大きく抑え、守りの姿勢を徹底したと述べました。続けて、株式公開した企業は4社、売却・資金化した額は6.5ビリオンドルという結果を受け、資金化については、「将来さらに成長する種を早いうちに食べてしまうことのないように、ポートフォリオの今後の発展性や保有比率などを見ながら検討していきたい」とコメント。

新規投資の厳選と既存投資先の価値向上を目指す

SVFの今後の運営方針について、現環境では守りを重視するとし、新規投資の厳選と既存投資先のモニタリングを重視することによる価値向上へのアプローチが重要と説明しました。また、運営面での取り組みについて、ポートフォリオの分散、規律ある資金化、資本の分配を行っていきたいと述べました。

新規投資の厳選と既存投資先の価値向上を目指す

長期的な成長が続く半導体市場、アーム事業に今後も注力

長期的な成長が続く半導体市場、Arm事業に今後も注力

アーム事業について、半導体の市場規模はまだまだ長期的な成長が続くと予想。将来のデバイスはより多くのチップを搭載し、アームのオポチュニティは拡大していくと期待を寄せました。
アームの戦略について、まずは他社に追いつかれないようシェアを維持していく必要性を挙げ、同時にまだアームのシェアが低いサーバーやクラウド分野などでのシェア拡大を図っていきたいとしました。そのために高い価値を提供できる技術開発や価格設定を実現するほか、新興技術分野への投資や持続可能なビジネスの構築も必要と述べ、今すぐ売れるものにとらわれず、10年先に売れるものを開発していける長期的な視野を持ったビジネスにしていきたいと語りました。

長期的な成長が続く半導体市場、Arm事業に今後も注力

また、アームの上場計画について、2023年中の上場を視野に入れ準備を進めていると説明し、環境をしっかり見極めていく必要があると述べました。

最後に、財務戦略については不変であるとし、「これまで通り財務方針を堅持する中で投資を考えていく。投資を先行して財務規律を守らないことはしません」と強調し、続けて「ソフトバンクのビジョンも、今われわれのやるべきことも変わっておりません。情報革命の資本家として、今後世界でIoTやIT、AIの分野をリードできるグループでありたい」とプレゼンテーションを締めくくりました。

2023年3月期 第3四半期決算説明会

免責事項

(掲載日:2023年2月6日、更新日:2023年2月9日)
文:ソフトバンクニュース編集部