「加速するAI革命。未来を見据え、いま動く。」をテーマに、ソフトバンクとして最大規模の法人向けイベント「SoftBank World 2024」が、10月3〜4日に開催されました(3日は招待制による会場開催、4日はオンライン開催)。
ソフトバンクグループ株式会社 代表取締役 会長兼社長執行役員 孫正義をはじめ、ソフトバンク株式会社 代表取締役 社長執行役員 兼 CEO 宮川潤一による基調講演、ソフトバンク株式会社 専務執行役員 法人統括 桜井勇人による講演や、最先端テクノロジー企業のキーパーソンたちによるプレゼンテーションが行われました。
孫正義 講演「超知性の世界が10年以内に到来。調和の取れた超知性へ進化する」
「AGI(汎用人工知能:人間とAIがほぼ同一の知能レベルになる)の世界が10年以内に来る」とSoftBank World 2023で話した孫。「今では、AGIの世界は2、3年後にやってくると考えている。AGIを1万倍ぐらい超えた知能をASI(人工超知能)とすると、ASIが10年以内に来る。しかも、このASIの人工知能は『超知性』に進化して、その超知性が10年以内にやってくると思っている」と、AIの急速な進化ついて見解を示しました。
AIの進化について、先日OpenAIが公開した「o1」を取り上げ、「o1は考えるところまで進化した。考えるという機能の中には強化学習がある。Q関数を用いて数千ものエージェントが試行錯誤し、解決策を探索して実行する。うまくいったら報酬が与えられ、強化学習が繰り返される。このエージェントが報酬を得られるメカニズムによって、問題の解決策を見つけていく。Q関数の機能に新しいものを与えて違う角度から更新を行っていく(探索)ことで、新たな解決策の発見(発明)につながる。知る、理解する、考える、発明するまでAIが進化すると、より日常的なレベルでAIがわれわれに寄り添う “24時間自分専用のエージェント” が実現するであろう」と考えを述べました。
ASIが調和を取る超知性の世界まで進化すると、思いやりや慈愛、慈しみの世界のような精神的なもっと深い関係性を持てるだろうとし、「ソフトバンクグループの経営理念『情報革命で人々を幸せに』の通り、まさにASIによる情報革命は、人々を幸せにすることがゴールであるべきで、そういった超知性の世界が10年以内に来る」と語りました。
詳しくは、ビジネスブログ 「Future Stride」でレポートしています。
宮川潤一 講演「新たな価値創出の原動力となるAIこそ、今後の経営資源の中心に」
宮川は「AI共存社会に向けて」をテーマに、シンギュラリティによりAIが人間の知性を超える時期が迫る中、この劇的な変革が企業にもたらすものや、AI時代を支えるソフトバンクの取り組みについて講演しました。
日本のビジネスにおける生成AIの活用状況について、各国と比較したデータを提示し、生成AIの利用に消極的な傾向を説明。スマートフォンが登場した2008年当時、世間に受け入れられなかったときと同じだと指摘し「好む、好まざるに関わらずAI時代は必ずやってくる。経営者はAIに対する選択を間違えてはいけない」と警鐘を鳴らしました。新サービスを開発する社員がAIを活用した場合のシミュレーションを例に「AIという武器を身に付けた社員が圧倒的に成果をあげる。そうした社員がどれだけいるかが企業の競争力に直結する」と語りました。
「間もなくやってくるAI時代に向け、企業の進化を支えるため、ソフトバンクは日本における次世代の社会インフラとなるべく準備を進めている。皆さまからご意見をいただきながら全力で取り組んでいきたい」と述べた宮川は、今回のSoftBank Worldを、AIに対するアクションを考えるきっかけにしてほしいと呼びかけました。
詳しくは、ビジネスブログ 「Future Stride」でレポートしています。
桜井勇人 講演「AX時代に挑戦するインテグレーターに必要なもの」
2024年4月より法人事業を統括する桜井勇人は、クラウドインテグレーション本部 本部長 松田寛司、ソリューションエンジニアリング本部 本部長 宮本泰照と対談。企業への生成AI導入を伴走してきたエンジニア部門トップの2人と「AX(AI Transformation)インテグレーター」としての未来について語りました。
「さまざまなテクノロジーでお客さまの課題解決に応える中、取り扱うソリューションは今や700を越えるとともに、エンジニアは10年で2倍に増え、新たな事業を創造できるメンバーも加わりました。本格的なAI時代を迎え、AIによるトランスフォーメーションを推進する『AXインテグレーター』としての地位を確立し、人材不足や地域格差、異常気象など日本の社会課題をどう解決していくのか。お客さまのかなえたい思いを、最先端のAIテクノロジーで解決していくことが、法人事業の次の挑戦です」
インテグレーターとして歩むため、自社でも徹底的なAI活用を推進しているソフトバンク。「AI活用に不安を感じるAI人材やノウハウ不足、情報の正確性への不安やルール、ガバナンスの問題などに対して、ソフトバンクの高いスキルを持つエンジニアが全力で支援してまいります」と述べました。
詳しくは、ビジネスブログ 「Future Stride」でレポートしています。
協賛各社やソフトバンクのソリューションが展示された展示会場は、多くの来場者でにぎわいを見せました。
(掲載日:2024年10月8日)
文:ソフトバンクニュース編集部
SoftBank World 2024 公式サイト
SoftBank World 2024の講演は、一部を除き、2024年11月8日(金)まで公式サイトからオンデマンド視聴可能です。