2024年10月1日、愛知県名古屋市に開業した日本最大規模のオープンイノベーション拠点「STATION Ai」。IoTやAI、ロボットなどの最新技術を備えた施設は、イノベーションの創出に向けて創造性をかき立てる空間になっています。「STATION Ai」に参画する企業や施設への入居企業などの会員が利用するオフィスフロアだけではなく、一般の方々も利用できるカフェやレストランなどの飲食スペースや、県民向け会議室など、設備を兼ね備えています。
目次
運搬ロボットからAIカメラまで最新技術が満載!
地上7階建て、延べ床面積約23,000平方メートルの施設は、オープンイノベーション拠点としては日本最大規模。スタートアップの創出・育成やオープンイノベーションの促進を目的とし、国内外のスタートアップ支援機関や、大学、自治体、企業などと連携してさまざまな支援サービスを提供します。
「STATION Ai」は国内屈指のロボットフレンドリーな空間であり、通信環境や走行環境、エレベーターとの設備連携など、ロボットが稼働する環境が整備されています。人に追随して物を運搬してくれるロボットや、清掃ロボットなどが稼働しています。また、IoTセンサーやカメラの情報をAIで解析することで館内の状況を可視化するなどの機能が備わったスマートビルディングです。
愛知県が策定する「Aichi-Startup戦略」の中核プロジェクトとして、開業した「STATION Ai」。ソフトバンクは、「Aichi-Startup戦略」における「愛知県スタートアップ支援拠点整備等事業」の整備運営事業者の選定を受け、STATION Aiの開業に向けてスタートアップを創出・育成する環境の整備や施設の設計などを進めてきました。
起業や事業創出をサポートする最適な環境を提供
STATION Aiは、スタートアップと新規事業を創出したい大手・中小企業(パートナー企業)がつながることで、イノベーションが生まれることを目指し、施設内は多様な交流が生まれやすいよう工夫されているそうです。また、さまざまなスタートアップ「STATION Ai」の建設工程から携わっており、その技術が活用されています。
それでは、中をのぞいていきましょう! 会員専用のエリアから入っていきます。
![鮮やかな花で彩られた受付。モニターには館内の利用状況が表示される](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/s/sbn_tc_11/20241015/20241015174024.jpg)
鮮やかな花で彩られた受付。モニターには館内の利用状況が表示される
3階のオフィスエリアの受付で、チェックインして入館。ゲストをオフィスに招く際や、コワーキングスペースで1日だけ利用する場合も、受付でチェックインが必要となります。
![QRコードの読み込みでチェックインとチェックアウトができる](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/s/sbn_tc_11/20241015/20241015174039.jpg)
QRコードの読み込みでチェックインとチェックアウトができる
仕切りがなく会員同士の交流を生み出すオフィス
受付の先がオフィスエリア。フリーアドレスで自由に利用できるコワーキングスペースや、スタートアップやパートナー企業が専有する固定席があるスペースなど、フロアによって席が区分けされています。コワーキングスペースと固定席エリアともに、どこでどんな人が仕事をしているかを分かりやすくするためのシームレスなつくりにして、会員同士の交流が活発に行われるような空間になっています。
![3階のコワーキングスペース](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/s/sbn_tc_11/20241015/20241015174055.jpg)
3階のコワーキングスペース
![固定席のオフィスエリア](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/s/sbn_tc_11/20241015/20241015174114.jpg)
固定席のオフィスエリア
段違いになっているフロアをスロープでつなげ、ガラス張りにすることで開放的な印象に。フロアの境界をなくすことで、階層の異なる人とも交流をしやすくする狙いがあるのだそう。
![仕切りがなく会員同士の交流を生み出すオフィス](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/s/sbn_tc_11/20241015/20241015174133.jpg)
施設内には、会員が利用できる、さまざまなタイプの会議室が用意されています。中にはこのような高級感がある会議室もあるのでさまざまなシーンに合わせて利用できますね。
![シーンに合わせて利用できる会議室](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/s/sbn_tc_11/20241015/20241015174208.jpg)
各階の端に設けられた階段状のラウンジは、単なる動線ではなく、食事や交流の場として活用されています。会員がリフレッシュできる空間として設計されており、人工芝が敷かれたエリアでは靴を脱いでくつろぐことができます。
![仕切りがなく会員同士の交流を生み出すオフィス](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/s/sbn_tc_11/20241015/20241015174153.jpg)
オフィスエリアにはいたるところで仕事をしたり交流したりできる空間があります。このエリアは鮮やかな花を置くことで、彩りが豊かな空間に。実は、花が植えてある白い鉢や小さいサイドテーブルは、3Dプリンタで作成されており、この空間にマッチしたものになっています。ここには、木材の端材などの植物性廃棄物から家具を作成するスタートアップ「Spacewasp」の技術が取り入れられています。
![床にある模様はモールス信号で「STATION Ai」と書いてある](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/s/sbn_tc_11/20241015/20241015174224.jpg)
床の模様はモールス信号で「STATION Ai」と書いてある
オフィス以外にも、ものづくりや運動ができる施設も
会員専用で利用できる施設は、まだまだあります! 3Dプリンタやレーザーカッターなどの工作機械がある「テックラボ」は、ものづくりを行う環境が整っています。
![オフィス以外にも、ものづくりや運動ができる施設も](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/s/sbn_tc_11/20241015/20241015174242.jpg)
また、会員が子どもを預けて仕事に集中できるように託児所を完備。さらに、トレーニングジムで体を動かすことも。ジムの運営には、防犯カメラを活用したAI画像解析ソリューションを提供するスタートアップ「OptFit」の技術が取り入れられており、マシンの利用状況などを確認できるほか、異常が発生した際にはすぐに人が駆け付けられるようになっています。トレーニング機器がしっかりそろっているジムがオフィス内にあれば、仕事終わりに気軽に体力づくりができちゃいますね。
![オフィス以外にも、ものづくりや運動ができる施設も](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/s/sbn_tc_11/20241015/20241015174259.jpg)
![オフィス以外にも、ものづくりや運動ができる施設も](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/s/sbn_tc_11/20241015/20241015174318.jpg)
会員だけではない、地域の住民に広く開かれた施設
次は、会員だけではなく、学生や近隣の住民が利用できる一般開放されているエリアをのぞいていきます!
地域の住民にも利用できる飲食店や会議室などの設備も
イベントスペースや飲食店があり、地域のイベントに参加する人やご飯を食べにくる人が気軽に訪れられる空間に。和食やインドカレー、カフェなどの飲食店がオープンする予定で、机にあるQRコードをスマホに読み込んで注文するセルフオーダーを採用するそうです。
![地域の住民にも利用できる飲食店や会議室などの設備も](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/s/sbn_tc_11/20241015/20241015174341.jpg)
![地域の住民にも利用できる飲食店や会議室などの設備も](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/s/sbn_tc_11/20241015/20241015174359.jpg)
住民の集会やセミナーなどを行うことができる広い会議室もあり、予約は「STATION Ai」のウェブサイトから簡単にできます。もちろん会員も使用することができるので、企業の研修などで利用することも可能です。
![地域の住民にも利用できる飲食店や会議室などの設備も](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/s/sbn_tc_11/20241015/20241015174415.jpg)
次世代ホテルや眺めのいいルーフトップが最上階に!
7階に上がるとなんと宿泊施設が!
次世代のホテル宿泊体験を提供する「SQUEEZE」の技術が取り入れられ、ルームキーには交通系ICカードを使用して、スムーズな入退室が可能に。2名定員の部屋から最大14名宿泊できる部屋まであるそうで、全部で25部屋の客室があります。海外か日本の技術やスタートアップを視察がてら訪れる人が宿泊したり、スタートアップの合宿で使用したり、近くの病院で入院している人の家族が利用したりするなど、さまざまな目的で利用できそうですね。
![次世代ホテルや眺めのいいルーフトップが最上階に!](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/s/sbn_tc_11/20241015/20241015174433.jpg)
7階には宿泊施設の他に交流ラウンジと鶴舞公園とグラウンドを見渡せるルーフトップがあります。ホテルに宿泊しにきた際や仕事終わりに、ソファに座ってくつろぎながら話したり、開放的なルーフトップできれいな景色を眺めながら話に花を咲かせたりすることができます。
![次世代ホテルや眺めのいいルーフトップが最上階に!](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/s/sbn_tc_11/20241015/20241015174449.jpg)
![次世代ホテルや眺めのいいルーフトップが最上階に!](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/s/sbn_tc_11/20241015/20241015174510.jpg)
多様な交流とイノベーションを育む空間を創出
STATION Aiでは、オープンスペースを各所に設置していたり、会員が利用できる託児所やジムなどの機能を用意したりすることで利用者の企業や事業創出を最大限サポートする施設になっていました。また、地域の住民も利用できる会議室や飲食店、ホテルなどの設備があり、多様な人が集まることで、施設内だけではなく施設外にもオープンな空間になっていると感じました。施設内の廊下の壁や会議室など、いたるところにアートが展示されています。これらは知的障害のあるアーティストの作品をビジネス展開する「HERALBONY」のアート作品。作家47名・152作品の作品によって、施設の雰囲気が華やかで明るい空間になっています。
![愛知県にまつわるテーマと、人・動物・自然など「まち」を彩るモチーフを組み合わせて表現したアート](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/s/sbn_tc_11/20241015/20241015174530.jpg)
![名古屋にまつわるテーマと、人・動物・自然など「まち」を彩るモチーフを組み合わせて表現したアート](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/s/sbn_tc_11/20241015/20241015174546.jpg)
愛知県にまつわるテーマと、人・動物・自然など「まち」を彩るモチーフを組み合わせて表現したアート
10月31日のグランドオープン時点で所属するスタートアップ企業数は約500社、パートナー企業数は約200社となる見込みです。STATION Aiに所属する会員は10月1日からオフィスフロアなどを利用開始、一般の方は11月2日から施設の利用が可能になります。
アジアにおけるオープンイノベーションの中心に
愛知県の大村秀章知事は、「愛知県に世界レベルの施設ができたと考えている。日本だけでなく、アジアのスタートアップの中心地にしたい。『STATION Ai』で常にマッチアップが行われ、イベント誘致やイノベーションが起こる、そういった場所にしていきたい」と期待を寄せました。
また、グローバル展開については、「現在9カ国21の大学・研究機関と連携しており、そのネットワークをさらに広げていきたいと考えている。さらに、フランスにある世界最大級のスタートアップ集積施設『Station F』やアメリカのシリコンバレーなど海外のスタートアップ施設とも連携を深め、互いに紹介し合いながら協力を進めたい」と述べました。
![アジアにおけるオープンイノベーションの中心に](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/s/sbn_tc_11/20241015/20241015174603.jpg)
STATION Ai株式会社 佐橋宏隆 代表取締役社長兼CEOは「現在、所属しているスタートアップは約500社だが将来的には1,000社を目指している。パートナー企業も現在の約200社から増やしていきたい」と説明。
「日本に進出を考える海外のスタートアップと日本の企業を『STATION Ai』でつなぐことで、新たなビジネスを創出していきたい。海外の投資家や事業会社も日本のスタートアップに関心を持っているので、『STATION Ai』から広く発信し、スタートアップだけではなく海外の大企業の誘致も進めていきたい」と意気込みを示しました。
![アジアにおけるオープンイノベーションの中心に](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/s/sbn_tc_11/20241015/20241015174620.jpg)
(掲載日:2024年10月17日)
文:ソフトバンクニュース編集部
国内最大規模のオープンイノベーション拠点「STATION Ai」
![STATION Ai 概要](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/s/sbn_tc_12/20240802/20240802140821.jpg)
スタートアップの創出・育成およびオープンイノベーションの促進を目的に、さまざまな支援サービスを提供している「STATION Ai」。国内外のスタートアップ企業や支援機関、大学、自治体などが参画し、新規事業創出に取り組んでいます。