12月1日、青森県平川市で、MONET Technologies株式会社(以下「MONET」)が提供するAI交通デマンドシステムを導入した新しい公共交通機関「のらっさ」の運行開始セレモニーが開催されました。
地域の交通格差をなくし、AI活用で効率的な移動を実現するデマンド交通
時刻表や決まったルートがなく、利用者のニーズに応じて柔軟に運行する乗り合い型の公共交通機関「デマンド交通」。運行ルートや発着地を自由に組み合わせられるため、バス交通の利便性の向上やコスト削減などにつながると期待され、さまざまな自治体で導入が進んでいます。
青森県平川市では、高齢者の方をはじめ、誰もが安心して移動できる地域公共交通を目指し、新たなデマンド交通「のらっさ」の運行を12月1日より開始。導入した背景には、市内循環バスの利用者の減少や、バスドライバーの人手不足といった課題がありました。また、循環バスの中には商業施設を経由しない路線もあり、利用者は最寄りの停留所から商業施設へ歩いて移動しなければいけませんでした。デマンド交通の導入に伴い、市内循環バスの4路線が廃止され、既存の停留所を活用しながら大幅に拡大。市役所や駅、スーパー、医療機関など合計267カ所に停留所を設け、7人乗りのミニバン車両3台が利用者の予約状況に応じて運行します。
車両がお披露目! 「のらっさ」の愛称を考案したのは小学6年生
デマンド交通「のらっさ」の運行開始を記念して、平山市役所の屋外スペースでセレモニーが行われました。セレモニーでは、水色を基調とした車体に、リンゴやモモの木、雄大な岩木山がイラストで描かれた車両が公開されました。「のらっさ」の愛称は、市内に通う小学6年生の生徒が考案したもの。津軽弁で「乗ろう・乗ってみよう」という意味で、多くの人に利用してほしいという思いが込められています。
車両には、MONETが提供するAI交通デマンドシステムが導入され、青森県では初の導入事例となります。AIの活用によって、最適なルートと配車を判断することで運行の効率化を実現し、利用者は、電話またはスマホの専用アプリや市のLINE公式アカウントから予約が可能。キャッシュレスでの支払いにも対応しています。
長尾忠行市長は「子どもから高齢者までの多くの市民に公共交通として利用いただくとともに、DXの推進にもつなげていきたい。市民の移動がより便利に、より快適になるようまちづくりを進めていく」とあいさつしました。また、MONETの代表取締役副社長 兼 COO 森川誠は「人とサービスがつながり、体験の格差がない未来に向け、これからも寄り添っていきたい」と述べました。セレモニーでは、テープカットが行われ、「のらっさ」の門出を祝いました。
平川市では、事前予約が必要な「のらっさ」の利用にあたり、スマホからの予約方法を学べるスマホ教室を定期的に開催しています。講座では、スマホの専用アプリや市のLINE公式アカウントを使った予約方法や、キャッシュレス決済での支払い方法などを、ソフトバンクショップに在籍するスマホアドバイザーがサポートしています。
(掲載日:2024年12月19日)
文:ソフトバンクニュース編集部