
人数が足りず大会に出られない。専門的な指導者がいない。
少子化や指導者不足など、地域によるスポーツ環境の格差は今、深刻な社会課題となっています。
その現状を変えようと、公益財団法人日本バスケットボール協会(以下「JBA」)と株式会社博報堂(以下「博報堂」)が共同で推進するプロジェクト「生涯バスケ部」の第1弾として、JBAのトップパートナーであるソフトバンクも加わり立ち上げたのが「SoftBank Jr.バスケ DXアクション」。 デジタルと人の力をかけ合わせ、子どもたちに新しい “挑戦の場” を届けるプロジェクトが始まっています。
少子化の壁を越えて。スポーツ教育の格差に立ち向かう

JBAと博報堂が共同で推進するプロジェクト「生涯バスケ部」は、すべての世代がバスケットボールに関わり続けられる社会を目指す取り組みです。子どもから大人まで、ライフステージに応じてバスケットボールを楽しめる環境をつくるために、さまざまなパートナーと指導者や審判など人的リソースの拡充、練習場所の確保など、現場が抱えるさまざまな課題の解決に挑戦しています。
ソフトバンクは、2016年からJBAおよびB.LEAGUEのトップパートナーとして、通信技術やDXソリューションを活用した支援を続けてきました。その知見を生かし、「生涯バスケ部」の第1弾として始まったのが、「SoftBank Jr.バスケ DXアクション」です。十分な人数がそろわず大会に出場できないチームや、専門的な指導を受けられない地域が増えていることが課題となっています。子どもたちの「続けたい」「うまくなりたい」という思いを支えるために、ソフトバンクはDX(デジタルトランスフォーメーション)の力で新しい支援の形をつくりました。

プロジェクトは大きく3つのステップで進みます。まず、全国から参加チームを募集・選考し、次に、特別コーチの指導のもとでDXソリューションを活用した練習を実施。月1回の現地指導に加え、週1回のリモート練習を行い、離れた地域のチームも同じ環境で指導を受けられるようにしています。そして最終的には、練習の成果を発揮する場として大会出場を目指します。

練習で中心的な役割を果たすのが、AIを活用したスポーツのスキル向上をサポートするアプリ「AIスマートコーチ」です。このアプリは「動画で学ぶ」「撮って比較する」「振り返る」という3つのステップで、選手の主体的な学びを支援します。子どもたちはこのアプリを使って、自分のフォームを撮影し、プロ選手の映像と見比べながらフォームを研究することが可能。AIによる骨格解析機能を使うと、腕や脚の動きの細かな違いまで確認でき、「どこを直せばいいのか」が一目で分かります。
また、「MY試合記録」というウェブサービスで試合のスタッツ(統計)を記録しながら、子どもたち自身が自分の変化を実感できる仕組みです。
AIと人の力でつくる、誰もが学べる新しい部活のかたち

プロジェクトの第1弾では、全国からの応募の中から、地域特有の課題を抱えながらも「バスケを続けたい」という強い思いを持つ沖縄県と鳥取県の3チームが選出されました。
ミニバスケットボールクラブ
(鳥取県)
ミニバスケットボール部
(鳥取県)
初めて行われた練習会では、東京から派遣されたコーチの指導のもと、実際にAIスマートコーチを使ったトレーニングを実施しました。タブレットを手にした子どもたちがアプリを操作しながら、必死に見ているのは、憧れの選手の動画。バスケットボール日本代表選手6名のプレー映像が収録されており、自分のフォームとお手本の動きを並べて確認することができます。「どこを直せばいいのか」を客観的に理解できるため、子どもたちは正しいフォームを学ぼうと何度もお手本と比べていました。


さらに、ペアで撮影し合いながらアドバイスを送り合う姿も見られ、チームの中に “教え合い・学び合い” の文化が広がるきっかけになっていました。

練習会以降も、コーチの派遣は月に1回行われ、それ以外の日は、AIスマートコーチを活用して練習を重ねます。コーチが「この動画を見てね」と課題を出し、子どもたちはその映像を見ながら動きを学びます。

月に1回の現地指導に加えて、週に1回のリモート練習も実施。離れた場所にいるコーチがオンラインでリアルタイムに指導を行います。各家庭に1台ずつ貸与したタブレットで、子どもたちは自宅でも復習や自主練習に活用しています。

楽しく学べる環境を。スポーツDXが描く、子どもたちの未来
本プロジェクトを担当するソフトバンク株式会社 サービス企画本部の佐々木隆成に、子どもたちの成長やモチベーションを支える工夫、そして今後の展望について伺いました。
実際に練習会を開催してみて、子どもたちの反応はいかがでしたか?
佐々木 「初回の練習でタブレットを渡した瞬間、子どもたちは大喜びでした。動画には、NBAで活躍する選手も登場していて、『この選手の動画あるの!?』と歓声が上がる場面もありました。
マッチ度判定機能も人気で、誰が一番高いスコアを出せるか、と競いながら楽しんでいました。“楽しく学べる環境を作る” ことを重視しているので、子どもたちの笑顔が見られたのは何よりうれしかったです」
子どもたちの成長やモチベーション維持のために工夫している点はありますか?
佐々木 「デジタルの力だけでなく、人の力によるサポートも大切にしています。派遣しているコーチは過去Bリーグにも所属しており、現在も3×3のプロ選手として活躍しています。プロから直接指導を受けられることは大きな刺激になっています。今後は試合の出場も増えていく予定で、子どもたちの意欲はさらに高まっていくと思います」
今回の取り組みを通じて、どのような未来を実現したいと考えていますか?
佐々木 「『アプリでも学べる』『どこでも挑戦できる』という環境をつくって、環境が理由でやりたいことを諦める子どもを減らしたいです。私自身も高校までバスケをしていましたが、客観的に自分を見つめることで、気づけたことがたくさんありました。だからこそ、AIスマートコーチのようなソリューションがあることに大きな意義を感じています」

(掲載日:2025年10月29日)
文:ソフトバンクニュース編集部
テクノロジーと人的支援を組み合わせ、バスケットボールの練習環境を整える
人数が少なくて大会出場を諦めざるを得ない。
専門的な知識を持った指導者がいない。
そんな悩みを、全国の子どもたちが抱えています。
社会問題ともいえるこういった課題を、ソフトバンクのDXソリューションとプロジェクトからのコーチ派遣や大会出場の機会創出などで解決。それが、「SoftBank Jr.バスケ DXアクション」です。




