
瀬戸内海に浮かぶ弓削島(愛媛県上島町)に所在する弓削商船高等専門学校とソフトバンク株式会社は、災害時に海上から通信を確保する体制の強化に向けて、練習船「弓削丸(ゆげまる)」の災害支援利用推進に関する連携協定を3月25日に締結しました。
災害支援機能を備えた「弓削丸」を活用し、海上からも通信確保が可能に
本協定は、弓削商船高専とソフトバンク両者が保有する技術・ノウハウ・サービスを活用し、相互連携によって災害時の対応力を高めるものです。
具体的には、自然災害などで陸路が遮断された場合でも、海上から被災地にアクセスする手段の確立や、船上基地局の運用により被災地の通信エリアを確保する体制の構築、通信復旧用資材の輸送や要員の宿泊などを行います。また、平時から定期的な共同訓練を実施し、即応体制の維持・向上を図っていきます。

2024年3月に竣工した練習船「弓削丸(4世)」
これらの取り組みの中核を担う、2024年3月に竣工した練習船「弓削丸」は、災害支援船としての機能を備えています。船上基地局として運用が可能な他、物資輸送機能、1日あたり約10トンの造水能力、陸上への電力供給設備、衛生設備などを有し、被災地で継続的に活動できる “自立型の支援拠点” として活用されます。


孤立地域での通信課題に対し、より実効性の高い備えを
本協定の背景には、2024年1月に発生した能登半島地震での経験があります。この地震では、土砂崩れや道路陥没により陸路でのアクセスが困難となり、迅速な通信復旧が課題となりました。こうした中、海上から電波を届ける船上基地局が通信確保に貢献し、陸路に依存しない復旧手段の有効性が改めて認識されました。
日本は離島が多く複雑な海岸線を有しており、同様の課題が今後も想定されます。こうした背景を踏まえ、災害時における通信確保手段の強化とレジリエンス向上を目的として、本協定の締結に至りました。

協定式で弓削商船高等専門学校 校長 内田誠氏は、今回の協定について次のように意気込みを語りました。「弓削丸は、国土強靱化(きょうじんか)基本計画の方針のもと竣工し、本校としても災害対応に取り組んできた歴史があります。先代の『弓削丸3世』は阪神・淡路大震災の際にも支援を行ってきました。今回の協定により通信事業者4社すべてとの連携体制が整いました。今後は共同訓練などを通じて連携をさらに深め、安全・確実に活動できる体制を構築してまいります」
ソフトバンクのエリア建設本部 四国ネットワーク技術部 部長 鎌仲順人は、「今回『弓削丸』という新たな選択肢を得られたことは大きな前進です。特に、海上から通信エリアを補完できる点は、孤立しやすい地域における通信確保において重要な意味を持ちます。今後は、本取り組みを通じて、より実効性の高い備えへと進化させていきます」と取り組みへの決意を述べました。
ソフトバンクは、「どんな状況でもつながる安心」を社会に提供することを使命とし、本協定のような取り組みを通じて、防災・減災および通信インフラの強靱化に貢献していきます。
(掲載日:2026年3月30日)
文:ソフトバンクニュース編集部
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