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「TOMODACHIサマー2014 ソフトバンク・リーダーシップ・プログラム」開催 今年も被災地から高校生など約100人がカリフォルニア大学バークレー校へ

ソフトバンク株式会社(以下「ソフトバンク」)は、「TOMODACHIイニシアチブ」の趣旨に賛同し、東日本大震災で被災した東北の高校生を対象に、米国でリーダーシップと地域貢献を学ぶ機会を提供しています。3回目となった「TOMODACHIサマー2014 ソフトバンク・リーダーシップ・プログラム」では、約100人の高校生と、現地および帰国後のサポートを行う成人6人をカリフォルニア大学バークレー校に招待しました。

リーダーシップと地域貢献を学ぶ

米国大使館と米国の非営利公益法人 米日カウンシルが主導し、民間企業や団体が共同で日米の若者を支援する「TOMODACHIイニシアチブ」。ソフトバンクはこの趣旨に賛同し、3回目となる「TOMODACHIサマー2014 ソフトバンク・リーダーシップ・プログラム」として東日本大震災被災地の高校生約100人を、ソフトバンクグループ代表 孫 正義の母校である米国カリフォルニア大学バークレー校に招待しました。2014年7月22日から8月12日までの間、参加者は同校でのプログラムをはじめ、週末のホームステイやボランティアなどの活動を通じ、グローバルな視点を持ったリーダーシップの在り方と、地域貢献の実践的な考え方を学びます。今年は新たな取り組みとして、現地および帰国後の生徒たちの活動のサポートを目的に、教職員や非営利団体職員など6人の成人の方が参加。高校生と共に、リーダーシップと地域貢献を学びました。

参加者インタビュー

「TOMODACHIサマー2014 ソフトバンク・リーダーシップ・プログラム」に参加した3人の方に、プログラムを終えた感想や今後の抱負などをインタビューしました。なお、インタビューするのは、2012年の同プログラムに参加した、福島県いわき市出身の田部 翔太さん。高校時代、震災で減ってしまった観光客を取り戻そうと、本プログラムの参加者といわき市の観光ツアープロジェクト「TOMOTRA(トモトラ)」を立ち上げ、広報とカメラマンを担当。このときの経験から、「映像を通じて感動を世界へ」をモットーに、現在、よりクリエイティブな映像制作を目指し東京の大学へ進学し、映像学科で学んでいます。

今回の取材をした本プログラムOBの田部 翔太さん

浪江の今を伝えるために
山本 幸輝さん(福島県立福島西高校2年生)

私は、人をまとめるリーダーシップ力を身につけたいと思い、本プログラムに参加しました。米国では「Y-PLAN(Youth-Plan, Learn, Act, Now!)」という、課題解決型ワークショップを受講。その中で、滞在先のバークレー市の課題を見つけ、町をより良くするための解決策を検討し、最終的には解決策を同市に提案しました。

帰国前には、「Y-PLAN」での学びを地元の浪江町にどう生かせるか、福島県浪江町出身者4人で話し合いました。浪江町は現在、原発事故による避難指示地区のため、許可なく立ち入ることができない町です。そのため私たちは、人がいないことが一番の問題だと感じています。

プログラムの卒業式で、ジョン・ルース前駐日米国大使から浪江町への応援メッセージをもらう山本さん

人がいないと町として機能せず、政治・経済・行政なども何一つ動きません。そこで私たちが考えたのは、立ち入りが許可された際、町民も町外の人も浪江町を訪れてもらえるよう、今から浪江町の身近な情報をSNSで発信していこうというものです。そうすれば浪江町の現状を伝えられるとともに、常に人々の関心を引くことができます。SNS以外にも、チラシを配ったり、ポスターを張ったりといった活動を行っていきたいと考えています。しかし高校生だけでは金銭的にも大変なので、NPOや企業を巻き込んで活動をしていきたいと思います。

大好きな石巻のためのアイデア
平塚 美紅さん(宮城県東松島高校1年生)

私は、地元石巻が大好きで、中学1年の時からボランティア団体に入っていました。約20年前に同じく震災の被害を受けた兵庫県明石市へ、復興に関する取り組みや活動について話を伺いに行ったこともあります。ただ、これらの過去の経験から学んだたくさんのアイデアを、どう地元に生かせば良いか分からず、活動のヒントを得るために本プログラムに参加しました。

そして「Y-PLAN」で、バークレーの街を歩き、地図を作ることで、あらためてその場所の課題や素晴らしさを知ることができるということを学びました。

帰国後の平塚さん。地元・石巻の津波の被災地域にて

そこで帰国後、石巻から参加した仲間10人と、ただの地図ではなく、米国での学びを私たち流にアレンジした地元のスタンプラリーをしようと考えました。そうすることで、幅広い世代の住民に街歩きを楽しむ機会ができると思います。実際に地元を歩いてみると、レストランの紹介では店長さんのお薦めメニューの紹介も掲載してみよう、ラリー先を写真で説明するのはどうか、などアイデアがたくさん浮かんできています。

教育者からみた若者の成長
牛来 正之さん(私立磐城緑蔭中学・高校 英語教諭)

昨年、私のクラスの生徒が本プログラムに参加したことで、話し方や考え方が大きく変わり、地域貢献にも非常に積極的に取り組むようになりました。生徒の変化の理由が気になり、彼らが米国で何をしているのか実際に見てみたいと思い、このプログラムに参加しました。

一番印象に残ったことは、3週間での“若者の成長”でした。課題を発見してその解決策をチームで導き、最終的には多くの大人の前で堂々と発表する。

バークレー校の教室での牛来さん

私は教師ですので普段から中高生と接していますが、日を追うごとに「誰かのために何かをしたい」という気持ちが強くなるなど、すさまじいスピードで成長していく生徒たちの姿を目の当たりにすることはなかなかありません。今後の課題は、せっかく熱い思いを持っているのに、金銭面の問題で活動が実現できない事態を避けることだと感じています。そこで、公開プレゼンテーションなどを通じて、企業やNPOと協力できる機会をつくり、金銭面の支援をしてくれる団体とのつなぎ役ができればと思っています。

本プログラムに参加し、若者の可能性をあらためて実感しました。今後も参加した高校生と一緒に、地域貢献プロジェクトに関わっていきたいと思っています。

ソフトバンクでは今後も、さまざまな活動を通じて、被災地の復興を支援してまいります。

(掲載日:2014年10月6日)