20代で名乗りを上げ、30代で軍資金を貯め、40代でひと勝負し、50代でビジネスモデルを作り、60代で継承する。19歳の時に考えた人生50カ年計画に触れながら「ソフトバンク・ビジョン・ファンド設立により、50代でつくりたかったビジネスモデルの構築は概ねできたと思っている」と述べた代表取締役会長 兼 社長 孫 正義。ライフスタイルなどが根本から変わるシンギュラリティーの夜明けに向け、ソフトバンクグループの成長戦略の要となる “群戦略”の本質とは?
営業利益50%増加、スプリント事業が成長エンジンに
2018年3月期 第1四半期の連結業績は、売上高 2兆1,861億円(前年同期比3%増)となり、調整後EBITDA 7,001億円(同3%増)、営業利益 4,793億円(同50%増)、純利益(親会社の所有者に帰属する当期利益) 55億円(同98%減)となりました。営業利益の増加はスプリント事業の回復が主要因。「1年ほど前からスプリントはソフトバンクグループの成長エンジンになると話してきた。回復ぶりを刮目いただきたい」と述べました。
一方、純利益の減少については「会計上は紛れもない事実」としながらも「2016年に締結したアリババ株式先渡売買契約に係るデリバティブ損失の計上が原因」と説明。3年後(2019年6月)に売買が成立する本契約では、売買成立までは株価が上昇すると会計上は“評価損”を四半期ごとに計上する必要があるため「計上した損失は2年後に会計上で戻ってくる。今回デリバティブ損失を除くと純利益は前年対比61%増だった」と語りました。
国内通信事業ではヤフーとの連携を始めとする販売促進策を積極的に実施していること、その成果としてモバイルの解約率が大幅に改善したことなどに触れました。
起業家集団のゆるやかな結合
今後の成長戦略ではソフトバンク・ビジョン・ファンドの活用と目指すべきビジネスモデルについて言及しました。「世界には先進的なテクノロジーやビジネスモデルを持った起業家が多数存在する。彼らの投資はマネーゲームではなく、日本でのジョイントベンチャー設立など事業を拡大させるためのノウハウを伝授するなど、お互いに刺激し合える関係でいることが大切」と“同志的結合”の重要性を説明しました。
「われわれが目指す情報革命は、多くの人の力を結集しなければ実現できない。グループ企業でもなく、日本の財閥でもなく、ベンチャーキャピタルでもない。同じビジョンや志を持った成長する起業家集団のゆるやかな結合が群戦略であり、ソフトバンクグループの目指すモデルだと考えている」と意気込みを述べました。
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(掲載日:2017年8月8日)
文:ソフトバンクニュース 編集部
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