築地銀だこハイボール酒場新橋店のオーナー・林達也さんは“たこ焼名人”として知る人ぞ知る存在。普段はお店で絶品のたこ焼を作られている林さんですが、今回は特別に家庭で美味しいたこ焼を作るコツを伝授してもらいました!
たこ焼名人に素朴なギモンを聞いてみました
Q. 名人と呼ばれるようになったきっかけは?
実は自分ではどうしてだかわかりません(笑)。お客さまに喜んでもらえるよう一生懸命に焼いていただけで…。ただ、焼き始めてから10年になりますが全然飽きないですし、“完ぺきなものが焼けた!”なんて思ったこともありません。もっと上手になりたいと日々、技術を追及しています。
Q. たこ焼との出会いは?
幼稚園のときに母親と一緒に近所の縁日で食べていましたね。食べるのはもちろん、焼くのを見るのも好きでした。学生のときに飲食のバイトをいくつか経験したのですが、“たこ焼が一番好き”は変わりませんでした。
Q. たこ焼をおいしく食べるコツってありますか?
やはり焼き立てを食べることだと思います。熱々のたこ焼を少しだけ割って、息を吹きかけてハフハフしながら食べてほしいですね。
Q. 家庭でたこ焼をうまく作るコツを一言で言うと?
鉄板の温度と、油のなじませ方、そして裏返すタイミングの見極めの3点。そして一番大事なポイントはできるだけ触らないことですね。
Q. ズバリ名人にとってたこ焼とは?
お子さまからお年寄りまで誰もが楽しめる日本のソウルフードの1つだと思います。私がいる新橋店にも気軽に訪れていただき、みんなでワイワイ楽しみながら食べていただければうれしいです。
築地銀だこハイボール酒場新橋店
営業時間:
月~金
午前11時30分~午後2時
午後4時~午前1時(ラストオーダー 午前12時30分)
土・日・祝
午後12時~午後9時(ラストオーダー 午後8時30分)
「新橋は“サラリーマンの街”なので仕事帰りに気軽に寄っていただけるようなお店づくりを心がけています」と林さん。取材当日も午後4時の開店直後からお客さまが続々と来店されていました。
名人直伝! 家庭用たこ焼器で作る秘伝のレシピ
それでは、実際にたこ焼名人の林さんに作ってもらうことにしましょう!
材料と下準備
生地:たこ焼粉(おススメは「築地銀だこ ヒミツのたこ焼粉」)、卵、青のり、出汁
たこ焼粉と出汁を混ぜ合わせ、そのあとに卵を入れて、ダマが残らないようよく混ぜ合わせます。
具材:天かす、紅ショウガ、ネギ
ネギは小口切りに、紅ショウガも細かく刻んでおきましょう。
中身:タコ
タコは熱が加わると縮むので、鉄板の穴のサイズギリギリくらいの大きさでちょうどいいですよ。
その他:おもち、チーズなど
おもちを中に入れたり、チーズをトッピングするのもオススメ!
- 鉄板は熱々、油はしっかりと
鉄板は最初から最後まで高温MAX状態にしておきます。続いて、高温になった鉄板に油をしっかりなじませます。穴の中だけでなく、縁までまんべんなく広げるのがポイント。鉄板にしっかりと油を浸透させることで、たこ焼が返しやすくなります。
- 生地を半分流し込み、具材を投入
穴の3分の1から4分の1程度の油が入っている状態で生地を流し込みます。最初は穴の半分くらいまで注ぎ、具材を入れていきます。タコは穴の中に1つずつ。天かす、紅ショウガ、ネギの順で鉄板全体にまんべんなく行きわたるように散らしていきます。
- はやる気持ちを抑えて少し待機すべし
生地と具材を入れると鉄板の温度が下がるので、ここで1~2分間待って、生地の表面をしっかり焼き上げます。ここで待たないと後でたこ焼をひっくり返すのが難しくなるので、慌てずじっくり待ちましょう。
- いざ“かぶせネタ”投入
残りの生地を流し入れます。業界用語では“かぶせネタ”と呼ぶのだそうですが、縁までたっぷり入れてシチューのような状態に。実は、たこ焼の味を決めるのが、このシチュー状態でしっかり待つ時間。タコと具材の味が生地に溶け出し、旨みが全体にいきわたるのだそうです。
やがて、プクプクと生地の表面が泡立ち、色が変化してきます。そして穴と縁の境目がくっきり浮き上がり、穴の部分が丸く膨らんでくるから不思議です。
- 最大の難関“返し”
- ※
たこ焼を返す際は、たこ焼器に付属の専用ピックまたは竹串などをお使いください。
浮き上がってきた円の部分だけがしっとり、そして縁の部分の生地が乾いてきたら、たこ焼をひっくり返しましょう。まずは2本の千枚通しを使って、鉄板の縁の上で焼けた生地を穴の中に寄せて入れていきます。寄せながら、大きさを均等にするのがポイント。あまり力を入れると表面の皮が崩れてしまうので要注意。
“ひっくり返す”というより“回転させる”ような感覚で、優しく手前に小刻みに回していきます。左手で持った千枚通しを使って、たこ焼を軽く押さえ、右の千枚通しでちょんちょんと叩きながら、回転させるとうまくいくそう。
- 美しさを決める焼き上げ
美味しさを左右するポイントは、“きれいな球体”を意識して作ること。外側の皮の厚みを均等にして、できるだけたこ焼を触らず、崩さずに丸めたカプセルの中でたこをじっくり煮こんであげるのだそうです。少しずつ回転させながら均等に熱を加えていって、全体に焼き色をつけていけば10分ほどで焼き上がります。
- 空腹中枢を刺激するトッピング
焼き色を見ながら、パリッと仕上がったら完成。船(お皿)にあけてから、温かいうちにソース、青のり、けずり節など、好みのトッピングをして仕上げます。ソースはたこ焼の上に軽く乗せるような感覚でかけると、パリっとした食感が損なわれません。
温かいうちにトッピングすればチーズも程よく、とろりと溶けだして相性も抜群。ポン酢でいただいてもあっさりおいしいのだそうです。
結論:家庭用たこ焼器でも名人のレシピで作るたこ焼は絶品だった!
いかがでしたか? 編集部メンバーも試食させていただいたのですが、家庭用のたこ焼器でもビックリするくらいにおいしく仕上がっていました。さすがはたこ焼名人! ここまで上手に焼くには少し練習が必要かもしれませんが、ぜひご家庭でたこ焼パーティーをお楽しみください~♫
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(掲載日:2017年8月7日、更新日:2017年8月28日)