マンション開発を手掛ける日鉄興和不動産株式会社(以下「日鉄興和不動産」)がMONET Technologies株式会社と連携して企画した、マンション向け MaaS「FRECRU(フリクル)」の実験が始まりました。
マンションの居住者専用のバスとして、最寄り駅へのシャトルバス運行だけでなく、商業施設や病院など11カ所の乗降ポイントを予約に応じて巡回。マイカーや公共交通機関に加わる、新しい「足」としての活用が期待されています。
シャトルバスとオンデマンドバスのハイブリッド運用。スマホアプリから乗車予約が可能
この新しい取り組みは、日鉄興和不動産が分譲した「リビオシティ・ルネ葛西」(総戸数439戸)の居住者(管理組合)が主体となり、試験的に実施するもの。マンションの最寄りの駅は2カ所※ですが、いずれも徒歩圏内ではないため、特に朝の通勤・通学時間帯はバスの混雑や遅延に悩む居住者が多数。また、車がないと日常的な移動に不便を感じている子育て世代が多く住んでいるため、乗降場所や利用時間などの運行概要は、居住者の要望を基に決まりました。
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- ※東京メトロ東西線「葛西」駅、JR京葉線「葛西臨海公園」駅
「FRECRU」は、通勤・通学時間帯の朝(7:00~9:00)のみ最寄りの葛西駅まで居住者専用のシャトルバスとして運行。日中の時間帯(9:30~23:00)はオンデマンドでの運行に切り替わり、スマホアプリで予約をすれば、周辺の乗降ポイント間を自由に移動することができます。利用料金は300円/回(シャトル運行時は200円)※で、スマホ決済「PayPay」にも対応しています。
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- ※いずれも小学生以下は無料
今回の実験は、日鉄興和不動産が参加している「MONETコンソーシアム」発の取り組み。駅からの距離が重要視され、立地によって価格が高騰する昨今のマンション事情を踏まえ、マンション向けMaaSによって交通の利便性を高めながら、郊外でリーズナブルな物件が提供できるという商品・サービス開発の一環として取り組むもの。今後は、この実験で挙がった課題を検証し、エリア内の複数物件へのサービス提供などが検討されていくそうです。
(掲載日:2020年2月26日)
文、撮影:ソフトバンクニュース編集部