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リモートワークでも疲れない? PC画面越しでも好印象? 最新のメガネ事情をスペシャリストに聞いてみました

リモートワークでも疲れない? PC画面越しでも好印象? 最新のメガネ事情をスペシャリストに聞いてみました

生活様式の変化で外出機会が減り、メガネで過ごす時間が増えたという人も多いのではないでしょうか? またPCやスマホを使う時間が増え、ブルーライトの影響で目が疲れ、メガネが合わなくなった、という声も増えているそうです。

今回は、メガネライターとして活躍する伊藤美玲さんをお招きし、最新のメガネ事情とトレンドを解説いただきます。メガネ選びに悩んでいる方は、ぜひ今回の話をヒントに自分に合った一本を見つけてください!

目次

お話しを聞いた人

伊藤美玲(いとう・みれい)さん

伊藤美玲(いとう・みれい)さん

出版社勤務を経て、2006年にライターとして独立。国内外のメガネメーカー、デザイナーなどへの取材を数多くこなし、モノ雑誌や眼鏡専門誌、WEB媒体などで、眼鏡にまつわる記事やコラムを執筆している。プライベートでは1児の母。

おうち時間が増えたことでのメガネの悩みとは?

新型コロナウイルス感染症の影響によってこれまでとは大きくライフスタイルが変わったこの2年。リモートワークや動画の視聴、読書など、PCやスマホを見る時間が増えたことでメガネにまつわるこんなお悩みが増えたといいます。

お悩み1 : メガネが引き起こす目の疲れ

「遠くまでよく見えるメガネを作っている方が多いと思うのですが、そのメガネで近距離、特にPCやスマホを見ているとどうしても目が疲れてしまうんです。たとえるなら、望遠レンズで手元にピントを合わせて写真を撮ろうとしているようなもの」

以前は一本のメガネで近くも遠くも見えていたけれど、だんだんと見える範囲が変わってきたと感じる人も少なくないでしょう。生活スタイルはもちろん、加齢によって目のピント調節機能も衰えていくため、それに合わせた度数調節が大切だと伊藤さんは語ります。

解決法 : 自分の生活に合わせた適正な度数のメガネを

「車の運転用に作ったような遠くを見るメガネで手元を見たりすると、見えづらく目の疲れが増す原因になります。自宅で仕事をすることが多いのか、運転することが多いのか、自分の生活に適したレンズがあると思うので、目が疲れる人はまず度数の見直しをしましょう。そのうえで、しなやかで形状記憶にすぐれたものや軽量素材のフレームを選べば、長時間メガネを着用していても疲れにくくなると思います」

解決法 : 自分の生活に合わせた適正な度数のメガネを

軽量かつ弾力性の高い素材のフレームは、耳への負担やずれ落ちが少なく、ストレスを軽減してくれる。(写真のメガネはレンズ込みで約12g / 編集部調べ)

お悩み2 : 長時間のデジタル接触による眼精疲労やブルーライトが気になる……

さらに、PCやスマホの使用が増えたことで気になるのがブルーライト。伊藤さんによると、実はブルーライト自体が眼精疲労の原因になっているという明確な根拠はまだないとのこと。

解決法 : ブルーライトカットのメガネで光から目を守る

「ブルーライトは太陽光にも含まれている強い光。それ自体が眼精疲労の影響になるかどうかはまだはっきりとはわかっていませんが、強い光によってまぶしさやチラつきを感じることで目が疲れることはあるかもしれません。また、視界のぼやけの原因になることもあるので、ブルーライトカットメガネをかけることで、それらが改善される可能性も。最近は限りなくクリアに近いブルーライトカットレンズもありますし、デザイナーさんやフォトグラファーなどモニターで色を厳密に見る必要のあるお仕事でなければ、ブルーライトカット率の高い色つきのレンズを使用して、まぶしさを抑えるのもいいかなと思います」

解決法 : ブルーライトカットのメガネで光から目を守る

伊藤さんの私物であるブルーライトカットのメガネ。モニターのまぶしさを防ぐため、25%のカラーを入れている

お悩み3 : 用途別に複数のメガネを所持したくない

見たい距離に合わせて作るとなると、「何本もメガネが必要になるのでは?」 と心配になる方もいるはず。その心配に関しても、今は解決策があるのだとか。伊藤さん自身、現在のライフスタイルに合わせるために、レンズの上下で度数が異なるアシストレンズ(サポートレンズ)を使用しているそう。レンズ下側の度数が弱くなっていることで、スマホやPCモニターなど、視線を少し下げてで近くを見る際も目が疲れづらいそうです。

解決法 : 遠くから近くまでピントが合う累進レンズがおすすめ

「近くのものを見ようとするとどうしてもピントを調整しようと目の筋肉を使いますが、このレンズを使うととても楽。レンズの上部から段階的に度数が変化する累進レンズと呼ばれるもので、遠近両用、中近、近々とさまざまな種類があります。なかでもおうち時間が長くなった今人気なのは、部屋のなかなど中距離から手元までを見るのにぴったりな中近両用レンズです。PCを見る時間が増えたのならその距離に合わせたメガネに新調するなど、生活スタイルにあったレンズに買い換えるのをオススメします」

解決法 : 遠くから近くまでピントが合う累進レンズがおすすめ

解決法 : 遠くから近くまでピントが合う累進レンズがおすすめ

お悩み別の眼鏡の選び方のポイント!

  • 生活スタイルや加齢などの変化にあわせて度数を選ぼう!
  • PCやスマホ画面のまぶしさが気になる場合は、ブルーライトカットレンズも効果的
  • 遠くと近く、中距離と近くなど組み合わせができる累進レンズなら、何本も眼鏡を持たなくてOK!

リモート会議にマスク生活、そんな時のメガネの選び方

「メガネ選びのコツはサイズにあり」と語る伊藤さん。「レンズの中心に黒目がくることがバランスよく見える一番のポイント」と語ります。また、大きいメガネは小顔効果があると言われますが、目の間の幅や輪郭とのバランスが崩れてしまうのでしっかりと自分の顔に合ったサイズを選ぶのが大切です。そのうえで、現代の生活ならではのメガネ選びやメガネにまつわるお悩みに伊藤さんに答えていただきました。

リモート会議で好印象のメガネとは?

まず、在宅勤務が増えると同時に頻繁に行われるようになったリモート会議にぴったりのメガネについて。PCの画面越しだとメガネのレンズが過度に反射してしまったり、表情がわかりづらかったりと、対面の会議とは違った悩みが出てきますが、いったいどんなメガネを着用するのがいいのでしょう?

「今年らしいトピックとして、PC画面や蛍光灯などの光による反射を抑える『ノンリフレクションコート』というコーティングのレンズが発売されました。私もリモート会議の際は必ず使っていて、リングライトなどの照明を前に置くと、従来のレンズとの差が如実にわかります」

リモート会議で好印象のメガネとは?

下がノンリフレクションコートのレンズ(発売は東海化学株式会社から)。上のものと比べ、天井の蛍光灯の映り込みが少ない

また、複数人のリモート会議では一人ひとりの顔が画面内でとても小さくなってしまいます。そんななかでもメガネの選び方によって好印象を与えることができると伊藤さんは続けます。

「黒よりは茶色のフレーム、またはクリアカラーのフレームを選ぶことで目元を明るく見せられます。また、少し大きめのフレームを選んだほうが、画面上で表示される顔が小さくなっても目元の表情がスッキリわかりやすいので好印象に繋がると思います。太い黒縁のメガネだと顔に影が落ちやすく、重い印象を与えかねません」

マスク生活、メガネを快適に着用するためには?

続いてはマスクと相性の良いメガネについて。「メガネの形だけでなんとかするのは難しいのですが」と前置きしながら、マスク生活でメガネを快適に着用するポイントを教えてくれました。

マスク生活、メガネを快適に着用するためには?

「メガネをかけてマスクをつけると、顔の面積を占める要素が増えてしまうので、強いて言えば小さめのサイズを選んだほうがバランスが良くなると思います。小さめのメガネは、レンズの曇り問題にも有効。小さいメガネにすると直接レンズに息がかかりにくいので、ある程度曇りにくくなると思います」

「ただ、やっぱり曇り止めに勝るものはないんです」と続ける伊藤さん。曇り止め効果のあるレンズも市販されていますが、性質上、レンズにギラつきが出て反射しやすくなっているため、気になるようであれば通常のレンズに曇り止めをつけるのが一番だといいます

「イチオシは個別包装のウェットシートタイプ。メガネケースに入れて持ち運べますし、急に必要になった時でも汚れを拭き取りつつ曇り止めもできます。スポーツをする時はより強力なジェルタイプを使うのがオススメ。メガネのケア用品専門メーカーのものなら安心して使えますし、ぜひお店で自分が使いやすいタイプのものを見つけてみてください」

マスク生活、メガネを快適に着用するためには?

左は伊藤さんオススメのウェットシートタイプの曇り止め。右はジェルタイプで、長時間しっかりと曇りを軽減してくれる

リモートワークやマスク生活を快適にするコツ!

  • オンライン会議が多いなら「ノンリフレクションコート」のレンズでPC画面からの反射を抑える!
  • マスク着用時には小さ目の眼鏡が相性良し!
  • シートタイプ、ジェルタイプなどの曇り止めをシーンにあわせて活用。ジェルタイプなら効果が長続き!マスクの曇りを抑えよう!

メガネの除菌やケア方法。メガネを長く愛用するために

除菌にも気をつけたい今だからこそメガネのケア方法はしっかり知っておきたいですよね。伊藤さんいわく、メガネを丸洗いできる泡タイプの洗浄剤がオススメとのこと。

「まず、レンズには目には見えない砂やほこりがついていることが多いので、から拭きするとレンズに傷がついてしまうんです。なので、まず水で汚れを洗い流すか泡タイプの洗浄剤で優しく洗ってからティッシュで拭くといいですね。私が使っているものはレンズに泡をつけてしばらく置き、ティッシュで拭き取ると曇り止めにもなるんですよ。こういうものを洗面所に1本置いておくといいと思います。最近は「メガネのシャンプー」など、除菌効果があるものも登場し始めているので、より清潔に保ちたい方は使ってみてください」

メガネの除菌やケア方法。メガネを長く愛用するために

こちらもオススメのメガネ洗浄剤。洗面所に置いておけば手軽にメガネのクリーニングができる

また、レンズは湯気やお湯など、熱に弱いので、お風呂で洗うのはNG。ケースに入れて持ち運ぶことで傷防止となり、また、両手で手前に引き出して優しくメガネを外すことが型崩れの防止になるそう。日々の使い方ひとつでメガネは長持ちするといいます。

「今、フレームってすごく丈夫なものが多いので、レンズのほうが先に寿命を迎えることのほうが多いかもしれません。度数の変化もあると思うので、最低でも半年から年に一度はメガネ屋さんに行って、度数とレンズ、フレームの状態をチェックしてみてください」

今回、伊藤さんには、10本以上の私物のメガネを持参いただきました。そのどれもが、機能や個性に彩られていて、すてきなものばかり。その中でも1番驚いたのは、メガネライターを目指すきっかけとなったメガネ。10年以上前のものなのに、手入れが行き届いており新品のよう。

メガネの除菌やケア方法。メガネを長く愛用するために

伊藤さんがメガネライターを志すきっかけとなったフランスのブランド「BOZ(ボズ)」のメガネ

「メガネの不具合は見え方にも影響を及ぼすので、大切に扱うこと、手入れをしてあげることがとても重要です。自分に合うメガネを見つけたら、長く愛用できるようこまめにケアしてくださいね」

おうち時間の中でメガネ選びに悩んでいる方は、今回の伊藤さんのお話を参考に、自分に合う1本を見つけてください。

(掲載日:2021年10月8日)
文:飯嶋藍子
写真:山野一真
編集:エクスライト

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