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苦手や困りごとを抱える子どもの “ひとりでできる” を増やす。行動手順を視覚化するアプリを先生たちが体験

苦手や困りごとを抱える子どもの “ひとりでできる” を増やす。行動手順を視覚化するアプリを先生たちが体験

大阪府守口市の小学校教員が参加する「守口市教育研究会 支援教育小学校部会」で、日常生活に困りごとを抱える子どもをサポートするスマホアプリ「アシストガイド」を体験するワークショップが行われました。

教員の研鑽と交流を目的とした研究会でのICT活用ワークショップ

守口市では月に1回、平日の午後に、市内の教員の研鑽(けんさん)と交流を目的とした研究会が開催されています。今回は一般学校、特別支援学級、通級指導教室、特別支援学校の教員45人が参加。香川大学教育学部の坂井聡教授による講演「インクルーシブ教育を実現するために」とスマホアプリの「アシストガイド」を使った「紙飛行機の作成手順書」を作るワークショップの2部構成で行われました。

教員の研鑽と交流を目的とした研究会でのICT活用ワークショップ

「アシストガイド」は、知的障がいや発達障がいなどにより、日常生活に苦手や困りごとがある子どもを支援するアプリ。子どもの日常生活で必要な「やること」や「行き方」などを写真や図形、矢印などを使って視覚化して、アプリに登録しておくことで、子どもが自分で行動しやすくなるだけでなく、保護者や支援者のサポートに係る負担を軽減できるのが特長です。ソフトバンクと香川大学の共同研究により開発し、2020年から無料提供しています。今回のワークショップは、「アシストガイド」を使った支援ツールの作成を通して、児童が自分で「やること」や「行き方」ができるようになるためのICT活用を学ぶことを目的にしたものです。

ワークショップに先立って行われた講演で坂井教授は「視力が原因で見えにくい人は、コンタクトやメガネによるアシストで本来の力が発揮できるように、忘れ物をすることが多い人は、ICT活用によるアシストで本来の力が発揮できるようにすればよいのです」と、日常生活に困難を抱える子どもに対してICTを活用することで効果的な支援ができると語りました。

紙飛行機の作り方の手順書を作成

ワークショップでは、手順作成の実践として「紙飛行機の手順」をアプリで作成。参加者は、折り紙で紙飛行機を作る人と、その写真を撮る人が2人一組になって手順書作りを行いました。

紙飛行機の作り方の手順書を作成

講師を務めたソフトバンク株式会社 プロダクト本部 UX企画統括部の水野哲心が、「利用者本人の目線で写真を撮る」「図形や矢印を使って必要な動きを表現する」「背景にノイズがないよう、写りこみに気を付ける」「図形や矢印は極力少なく大きく」と、情報の視覚化での重要ポイントを解説。写真の加工方法の説明では、あまり知られていなかった写真アプリの便利機能なども紹介しました。

参加者からは、「アシストガイドの存在を知り、使い方を知ることができてよかった」「使いたいと思ういろいろな場面が浮かんだ」「視覚支援が必要な児童に使いたい」といった感想が聞かれました。

紙飛行機の作り方の手順書を作成

困りごとを抱える子どもの日常生活や社会参加を支援するアプリ「アシストガイド」

困りごとを抱える子どもの日常生活や社会参加を支援するアプリ「アシストガイド」

保護者や支援者、子ども自身が、日常生活の「やること」や、その「やりかた」を視覚的に登録・確認することができるアプリです。視覚化することで、子どもは自分1人で行動しやすくなることが期待できます。iPhoneやiPad、またはAndroidスマホやタブレット端末で、無料で利用できます。

アシストガイドの
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(掲載日:2024年7月2日)
文:ソフトバンクニュース編集部