国内最大級のシェアサイクルプラットフォーム「HELLO CYCLING」。2024年1月30日からは、電動キックボードと同じ分類の特定小型原動機付自転車に対応した電動サイクルのシェアリングサービスがスタートしています。見た目はまるで自転車のようですが、フル電動でペダルをこぐ必要がないため、座っているだけで進めてとってもラクチン。今回は、編集部がこの電動サイクルに乗って川沿いの道を長距離走行してみました! 乗り方や乗り心地、乗る前に知っておきたい交通ルールや利用方法もご紹介します。
電動サイクルに乗って川下りへ
こちらが「HELLO CYCLING」で利用できる電動サイクル。フル電動で、ペダルをこぐ必要のない自転車のような乗り物です。
「電動アシスト自転車」と「電動サイクル」は名前も見た目も似ていますが、実はまったくの別物。電動アシスト自転車は、法律上では自転車という区分。普通の自転車のようにこげるペダルが付いていて、動き出すときに必ずこのペダルをこがなければいけません。
一方、電動サイクルは法律上は「特定小型原動機付自転車(特定小型原付)」に区分されます。16歳以上であれば運転免許証は不要で、ヘルメット着用は努力義務。車道や自転車道は制限時速20km、道路標識で通行可能とされた歩道は制限時速6kmで通行が可能と定められています。100%電気で動くため、ペダルは付いていますが、固定されていて足を乗せるだけの仕様。ハンドルの横についたスロットルを操作することで前進します。
電動サイクルを利用するための事前準備を忘れずに!

電動サイクルを利用するためには、事前にアプリ内で「交通ルールテスト」に全問正解し、「16歳以上であること」を証明する年齢確認書類を提出しなくてはいけません。交通ルールテストはイラストを交えて解説されていてとても分かりやすく、クイズ形式で必要な知識をしっかり学ぶことができます。
HELLO CYCLINGの公式サイトでも交通ルールを紹介しているので、乗車前にこちらもチェックしてみてください。
また、自転車同様に乗車用ヘルメット着用の努力義務があるので、忘れずヘルメットを用意しておきましょう。
今回は、総武本線幕張駅前から電動サイクルに乗り、花見川沿いのサイクリングコースを走って海を目指すという、いわゆる川下りにチャレンジ。歩けば1時間弱の道のり。果たして無事に到着できるのでしょうか…?
幕張駅の北口ロータリーにある「HELLO CYCLING」のステーション。ここで、電動サイクルをレンタルします。
電動サイクルの利用方法
電動サイクルに乗る前に、まずは利用方法について紹介します。
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STEP 01
「HELLO CYCLING」アプリ(iOS、Android)を起動※1。マップ画面から電動サイクル対応のステーションを絞り込み、予約や返却ができるステーションの位置を確認する。
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STEP 02
電動サイクルのステーションピンをタップする(電動サイクル専用ステーションはピンの色が紫、電動アシスト自転車と電動サイクル共用ステーションは黄色)。
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STEP 03
「HELLO CYCLING」アプリや車両に搭載されているスマートロックのQRを読み取って電動サイクルの予約を行い、アプリの「解錠」ボタンからスマートロックを解錠する※2。
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STEP 04
利用終了後は電動サイクル対応のステーションに返却する※3。
ステーションの設置場所は「HELLO CYCLING」アプリのステーションマップで確認できます。電動サイクルと電動アシスト自転車を分けて表示することもできるので、電動サイクルを使いたい場合は、対応しているステーションだけを表示すると便利です。
電動サイクルは15分から利用可能。利用料金※4は15分ごとに200円、12時間まで最大4,000円※5です。時間内であれば、上限金額以上の料金はかかりません。
HELLO CYCLING公式YouTubeで電動サイクルの利用方法についての動画もアップされているので、こちらもぜひ参考にしてください。
- ※1
「電動サイクル」は、PayPayミニアプリ「シェアサイクル」、LINEミニアプリ「HELLO CYCLING for LINE」およびRingoPassには非対応です。
- ※2
「HELLO CYCLING」アプリ1アカウントにつき、「電動サイクル」は同時に1台のみご利用いただけます。なお、同時にご利用いただける最大数は、電動サイクル1台と電動アシスト自転車3台もしくは、電動アシスト自転車4台となります。
- ※3
「電動サイクル」のバッテリーが切れると利用できなくなるため、車両のディスプレイにバッテリーアイコンが点灯した場合は、お近くのステーションに返却してください。
- ※4
全車両の利用料金には各種損害保険の料金が含まれています。地域によって料金体系が異なりますので詳しくは「HELLO CYCLING」アプリから「利用料金表」をご確認ください。
- ※5
上限金額は同一車両を使い続けた場合に適用されます。
電動サイクルをレンタルしたら出発進行!
運転は簡単で、ハンドル右手のスロットルを回すだけ。スロットルを早く回すと急加速するので、ゆっくり回すのがポイント。直感的に操作できるので、初めてでも安心です。走行感も普通の自転車とほとんど同じで、すぐにコツをつかめました。

電動サイクルは車道を走行するのが基本ですが、自転車専用通行帯(自転車レーン)も走行可能です。
花見川サイクリングコースを目指して、市街地を進みます。ペダルをこぐ必要がなく、座っているだけなのでとってもラクチン。平らな道なのでスイスイ進みます。
自転車専用通行帯(自転車レーン)とは?

自転車専用通行帯(自転車レーン)とは、車道左側に設けられた自転車専用の車線です。主に赤色や青色の塗装がされ、白い自転車マークと青い矢羽根の矢印、「自転車専用」「左側通行」などの表示が施されています。歩道を走行するのは間違い。自転車に乗る人がみんなルールを守って自転車レーンを使用すれば、歩行者との接触事故を減少することができるでしょう。
花見川にかかる瑞穂橋までやってきました。
橋から川を見渡せます。この日は快晴で日差しを受けた川面がきらきらしていました。

市街地を抜けて、花見川サイクリングコースの入り口に到着! ここからが川下りの本番です。

住宅街を抜けて、川沿いのサイクリングコースへ!
このまま川下りを進めていきたいところですが、サイクリングコースで電動サイクルに乗るにはいくつかの手順が必要です。

「普通自転車及び歩行者専用」の道路標識を見つけたらモードを切り替えましょう。
サイクリングコースは歩行者自転車専用道なので、まずは電動サイクルのハンドル横についているボタンを操作し、「車道専用モード(最高速度20km/h)」から「歩道可モード(最高速度6km/h)」に切り替えます。

最高速度表示灯は車両の後ろとハンドルの前に付いています。
「歩道可モード」を選択後は、いったん電動サイクルを止めて、最高速度表示灯を切り替えます。「車道専用モード」のときは緑色に点灯、「歩道可モード」のときは緑色に点滅して、周囲に車両の状態を知らせます。
歩行者自転車専用道を電動サイクルで走行する際は、原則として道の左側を走ります。
モードと表示灯を切り替えたら、いよいよサイクリングコースへGO! ここからは待望の川下りです。

サイクリングコースの右側にはずっと花見川が見えています。川沿いを走るのは気持ちいい!

適度に緑があり、日差しを遮ってくれます。頬をなでていく風も爽やか!


道中にはトイレや休憩用のベンチも。気温や湿度が高い時期は熱中症予防のためにも、適度に休憩を挟みながら進みましょう。

サイクリングコースはいったん花見川から離れて、住宅街へ。広々とした公園があり、お子さんたちがきゃっきゃと声を上げて遊んでいて、気持ちが和みました。
景色を楽しみながらゴールの海へ!
住宅街を抜けて、再び花見川沿いに戻ってきました。ここからは海を目指してひたすら直進していきます。
ここまで来たら、一気に川幅が広くなりました。川下りのゴールである海が近いのでしょう。より一層気分が盛り上がります
川沿いの景色もさっきまでとは少し雰囲気が違います。川幅が広くなり、対岸には高層マンションが建ち並んでいました。

トンネル内は空気がひんやりしていて、ちょっとした癒やしスポット。
途中の公園で休憩。公園の近くの凸凹道や舗装されていない道もラクラク走行できました。
今回は市街地の道もサイクリングコースもほぼ平らなルートでしたが、電動サイクルは登坂が得意なので、坂道も簡単に登ることができちゃいます。

ゴールまでラストスパート! と言っても相変わらずの安全運転です(笑)

今まで走ってきたコースの中では一番川との距離が近く、目に見える景色もかなり爽快です。

川と海の境目が分からないほど、海の近くまでやってきました。風のにおいにも変化があり、吹いてくる風にほんのり磯の香りが混じっていて、海が近いことを実感します。

まるで南国のような花が咲いていました。場所によってさまざまな植物が咲いているので、景色に変化があって飽きることがありません。

ゴールまであと少し! 行く手に見えるのは美浜大橋です。


カーブもラクラク。車体が小さいので小回りがききます。かなり長距離を走行していますが、座っているだけなので全く疲れを感じません。

サイクリングコースの沿道に松の木が増えてきました。海の近くって松の木が多いんですよね。
ここまで4㎞以上走行していますが、バッテリーの残容量はまだまだあります。電動サイクルのバッテリーの航続可能距離は40kmなので、長距離を移動する際は注意しましょう。バッテリーの残量はアプリ上でいつでも確認できますよ。

ひんやりした薄暗いトンネルを抜けると、視界に海が飛び込んできました!

電動サイクルでの川下り、ついにゴール!
太陽の日差し、海のにおいなど、自然を全身で感じることができて最高に気持ちよかったです。

利用が終わった電動サイクルをステーションに返却します。おつかれさま!
フル電動でペダルをこがず、自転車のように座って走行できる電動サイクル。日常使いにも、ちょっとした観光にもぴったりです。今回のように、サイクリングコースを走るのも気持ちいい! 「HELLO CYCLING」のアプリからサッと予約できて、ステーションですぐに借りられます。皆さんも電動サイクルを便利に使いこなしましょう!
(掲載日:2024年7月12日)
文:吉玉サキ
編集:エクスライト
電動サイクルの提供地域は今後も拡大予定

「HELLO CYCLING」の電動サイクルは、現在は千葉市とさいたま市、堺市、和歌山市の一部地域のみで利用できます。今後、電動サイクルの提供地域やステーション数、車両台数は順次拡大される予定です。秋には東京都、大阪府の一部エリアでも提供が始まる予定だそう。該当エリアの方は楽しみにしていてくださいね!