2025年6月7、8日に東京・TAKANAWA GATEWAY CITYで開催されたドローンレース「JR東日本グループ presents IBIS2 Master Cup」にソフトバンクチームが出場しました。駅構内を模したコースで行われた本大会は、遠隔視点での精密な操縦が求められる難易度の高いレース。出場した3名の社員に話を聞きました。
求められる高度な操作スキル。技術と演出が融合したドローンレース
「JR東日本グループ presents IBIS2 Master Cup」は、最先端のドローン活用シーンを学べるイベント「JR東日本グループ ドローンDX CHAMPIONSHIP」の一環として行われたドローンレースです。駅構内を模したコースで、JR東日本の点検業務でドローンを活用する部署をはじめ、リベラウェア製の機体「IBIS2 Assist」を業務で活用する企業など8チームが参加。ソフトバンクからは有志の3名がチーム「SoftBank HawkEye」を編成し、レースに挑みました。
会場となったのは、高輪ゲートウェイ駅近くのTAKANAWA GATEWAY CITY内に設置された特設エリア。JR高輪ゲートウェイ駅を模したコースが用意され、選手たちには以下のようなミッションが課されました。JR東日本ならではの要素が詰め込まれたこのコースは、狭小空間での飛行安定性や精密な操縦スキルなど、ドローン操縦者にとってかなり高度な技術が求められます。
- スラロームゾーン（駅の障害を避けるゾーン）
左右・上下に設けられたゲートを通過する - 天井裏暗所点検ゾーン
ドローンが駅の天井裏をうまくくぐり抜ける - Suicaで改札にタッチするゴールポイント
ドローンに取り付けたSuicaを改札にタッチし、ゴールする
各チームは3名の選手で編成されており、2チームずつ対戦し、3本の対戦による合計タイムで勝敗が決定。トーナメント（勝ち上がり）方式で進行します。選手はそれぞれ、会場内に設けられたステージ上のシートに座り、遠隔視点でドローンを自在に操作しなければなりません。
スタートの合図とともに、大型スクリーンに経過時間やミッションクリア時に加算されるポイントがリアルタイムで表示され、観客の視線も釘付けに。ドローンが難関コースをうまく突破すると、観客から大きな拍手が起こるなど、会場全体が熱気に包まれていました。
ソフトバンクチーム「SoftBank HawkEye」は、普段の業務での経験を生かしつつ“遠隔視点での操縦”という特殊な環境の中で、高い集中力と練習の成果を発揮し1回戦を突破。惜しくも表彰台には届かなかったものの、最後まで安定した飛行を維持し、チームワークと操縦技術の高さを印象づけるレースを見せてくれました。
「ソフトバンクのドローン事業をもっと盛り上げていきたい」
レースに出場した3名の社員に話を聞きました。
テクノロジーユニット統括
プロダクト技術本部
神谷 義孝
（かみや・よしたか）
テクノロジーユニット統括
プロダクト技術本部
小嶋 祥吾
（こじま・しょうご）
法人統括
鉄道事業推進本部
清水 拓哉
（しみず・たくや）
※ 所属は全員ソフトバンク株式会社
普段はどのような仕事をしているのですか？
神谷 「ドローン操縦歴は10年ほどで、普段はソフトバンクのドローン事業に携わっており、デモフライトやお客さま先での飛行を担当しています。今回使用した『IBIS2 Assist』はあまり扱ったことがなかったのですが、安全運転を意識して練習を重ねてきました。ソフトバンクのドローン事業を盛り上げたいという気持ちで、チームで力を合わせ、上位を目指しました」
清水 「ドローン操縦歴は1年ほどですが、鉄道事業者やインフラ企業に向けた点検DXの提案を日々行っています。安全運転を心がけつつ、短期間でも集中して練習に取り組み、チームに貢献できるよう努力しました」
小嶋 「私は操縦歴は7年ほどで、関西エリアを中心に自治体向けのDX提案や実証実験のサポートをしています。レースに向けては、1週間前に3日間の練習機会があり、限られた時間の中で安定したフライトができるように調整しました。本番では3番手を担当したので、チームの締めを意識して飛行しました」
今回のレースに参加してみて、いかがでしたか？
神谷 「今回はこれまで扱ったことのない機体だったことに加え、大勢の観客の前で飛行するという状況に、緊張感と大きなプレッシャーを感じました。優勝できなかったのは残念ですが、今後は『IBIS2 Assist』を使った実証など業務にもつなげていきたいと思いますし、引き続き練習を重ねて技術を磨いていきたいと思います」
ちなみに、チーム名「SoftBank HawkEye」はどのように決まったんですか？
神谷 「これはChatGPTとやり取りをした中で生まれた名前です。 『今度、JR東日本グループ presents IBIS2 Master Cupというイベントに出るので、チーム名を考えてください』『カッコいい名前でお願いします』などと相談し、何度かやり取りを重ねた末に、ChatGPTが提案してくれた名前の一つ『SoftBank HawkEye』に決定しました」
ソフトバンクが提供する総合ドローンサービス「SoraBase」とドローン機体「AeroRange G4-S」を展示
イベントのブースでは、ソフトバンクが提供する総合ドローンサービス「SoraBase」と機体「AeroRange G4-S」が展示され、会場でも来場者の注目を集めていました。
「SoraBase」は、ドローンの運用から管理、データ活用までをトータルに支援するクラウドベースのプラットフォーム。機体や飛行ログの一元管理が可能で、業務効率化に貢献します。また、今回展示された新型ドローン「AeroRange G4-S」（エアロジーラボ製）は、最大200分の長時間飛行と7kgのペイロードを実現するハイブリッド型の高性能機体。物流やインフラ点検、災害対応など多様な現場での活躍が期待できます。
総合的ドローンサービス「SoraBase」
ドローンの空撮を利用した目視作業の自動化、人の目の届きにくい高所作業の代替からはじまり、AIを活用することで、取得データの自動解析までを実現し業務効率化を目指します。
（掲載日：2025年7月4日）
文：ソフトバンクニュース編集部
