
7月16日、ソフトバンク最大規模の法人向けイベント「SoftBank World 2025」が、「AX、到来。ーテクノロジーの結集で、ビジネスが加速するー」をテーマに開催されました。
目次
ソフトバンクグループ株式会社 代表取締役 会長兼社長執行役員 孫正義、ソフトバンク株式会社 代表取締役 社長執行役員 兼 CEO 宮川潤一による特別講演をはじめ、ソフトバンク株式会社 専務執行役員 法人統括 桜井勇人による特別セッションや、AIやAX(AI Transformation)をリードする企業のキーパーソンたちによる講演が行われました。
すべての講演がオンデマンドで視聴可能です。ぜひご視聴ください。
SoftBank World 2025 公式サイト

SoftBank World 2025の講演は、一部を除き、2025年8月29日(金)まで公式サイトからオンデマンド視聴可能です。
孫正義 講演「AI agents が常時稼働する世界 ーグループ全体で10億 AI agents 構築へー」

「AIは、あなたの “理解の限界” を超えていく」
ソフトバンクグループ株式会社 代表取締役 会長兼社長執行役員 孫正義はそう語り、AIの能力が飛躍的に高まりつつある現状と、さらに加速していく未来を示し、その進化の深さを強調しました。冒頭では、OpenAIの サム・アルトマンCEOと AI agents の可能性をめぐって意見を交わし、「AI agents は今や思考し、行動する。30年後にはできないことを思い浮かべるのが難しいレベルとなる」と展望を語りました。
その未来を具体化する取り組みとして、ソフトバンクがグループ全体で進める10億 AI agents 構想を挙げました。社員一人あたり1,000を超える AI agents が業務を支援し、それぞれが学び合いながら進化・連携していく世界を目指します。
AI agents は常時ONでマルチモーダルな情報を取得し、それを生涯記憶します。“思考の連鎖” によって知恵を生み出し、報酬に基づくリアルタイム強化学習によって自己進化を始めています。さらには AI agents は、自己増殖し、数千兆の AI agents が常時稼働する世界がやってきます。
孫は「自己進化・自己増殖するエージェントをソフトバンクグループ全体の全部門に広げようとしています。AI agents 同士がどう作用するか、どう仕事を進化させるかということを楽しみにしています。道具があるだけでは未来は開けない。 進化を真正面から捉え、進化にくらいついて、進化を自ら取りにいく文化をつくることが今の日本に一番必要なこと」と語り、日本の企業や社会が進化の波とどう向き合うかを問いかけました。

詳しくは、ビジネスブログ 「Future Stride」でレポートしています。
宮川潤一 講演「エージェントと共に進化する組織へ。AIが支える次世代の働き方」

ソフトバンク株式会社 代表取締役 社長執行役員 兼 CEO 宮川潤一は、「自ら考え、行動していくAIエージェントによって、今までの産業革命とは全く比較にならない、社会に大きな変革をもたらしていくと思っています」と述べ、第四次産業革命の本格始動を強調しました。AIエージェントは単なる効率化のツールにとどまらず、企業の構造や働き方そのものを大きく変えていく存在になると語りました。
宮川は実例を交えて、社内の取り組みについて紹介しました。情報量の多い資料を会社ごとのフォーマットに合わせて要約するエージェントやディープリサーチ機能を備えたリサーチエージェントのほか、AIと気付かないほど自然な音声応対が可能で、社内外のシステムと連携しながら高度な問い合わせにも対応できるコールセンターエージェントなどの開発を進めていると説明し、「自分の横にエージェントがいるのが当たり前な働き方」が広がりつつあると述べました。
世界でGPUやデータセンターを中心にAIへの巨額投資が進む中、日本企業はAIをどう取り入れ、生かしていくのかが問われています。ソフトバンクは、必要に応じてGPUリソースを使える「GPUクラウド」の整備を進め、初期投資を抑えながらAIエージェントを業務に導入できる環境づくりを進めています。さらに、OpenAIと共同で「クリスタル・インテリジェンス」の開発にも取り組み、AI時代に向けた次世代社会インフラを構築しています
最後に宮川は「AIは導入後も進化し続けます。タイミングをよく聞かれますが、答えは『今』です。考えるより、まず動いてみてください。これからの社会を動かす原動力はAIであり、その力をどう生かすかは、経営者の姿勢にかかっています」と述べ、静観か行動か、未来をつくるための選択を促す熱いメッセージで締めくくりました。

詳しくは、ビジネスブログ 「Future Stride」でレポートしています。
現場を変えるAX。支えるAIから、動かすAIへ

ソフトバンク株式会社 専務執行役員 法人統括 桜井勇人は、「AX(AI Transformation)インテグレーター」としての現場変革の方向性を語り、実務に根ざした自社の取り組みを紹介。続いて、ソフトバンク株式会社 次世代技術開発本部 執行役員本部長 兼 SB Intuitions株式会社 代表取締役社長 兼 CEO 丹波廣寅、ソフトバンク株式会社 専務執行役員 兼 CIO 牧園啓市、Gen-AX株式会社 代表取締役社長 CEO 砂金信一郎が登壇し、それぞれの視点からAI活用の現在地と展望を語りました。
桜井は、営業・エンジニアリング・ネットワーク保守業務の中で、AIエージェントが実務にどのように活用されているかについて語りました。例えば、営業支援では、顧客との会話をリアルタイムで解析し、商談資料を即時に提示。システムエンジニアにおけるアプリ開発/検証では、動画デモを交えて「AIが考えて動く」業務現場の姿が示されました。
AIの活用が広がる中で重要になるのが、環境の整備です。クラウド基盤や制度設計、データ整備といった土台を整えることで、現場に安心してAIを届けられる体制が整います。桜井は「われわれが果たすべきは、AIそのものの提供ではなく、企業が安心して導入・活用できる環境をつくることだ」と強調しました。
続く登壇者たちも、技術や制度面からその重要性を補強。丹波は、日本の歴史や文化、法制度に適合した日本発のAI基盤モデル「Sarashina(サラシナ)」について解説しました。牧園は「人とAIが役割を分担し、協働していく時代になった」とAIエージェント導入に求められるガバナンスや基盤整備の在り方に言及。砂金は、自律思考型のAIオペレーター「X-Ghost(クロスゴースト)」における開発の狙いと構想を共有しました。

ソフトバンク株式会社 次世代技術開発本部 執行役員本部長 兼 SB Intuitions株式会社 代表取締役社長 兼 CEO
丹波廣寅

ソフトバンク株式会社 専務執行役員 兼 CIO
牧園 啓市

Gen-AX株式会社 代表取締役社長 CEO
砂金 信一郎
最後に桜井は「人とAIとロボットが共創する社会の入り口に、いま私たちは立っている。AXによって、現場・企業・社会の働き方そのものを再定義していく」と述べ、テクノロジーを伴走者とする未来への意志を示しました。

詳しくは、ビジネスブログ 「Future Stride」でレポートしています。
最新の法人ソリューション展示
展示会場では、AIの社会実装を支える、協賛各社およびソフトバンクの最新法人向けソリューションが展示され、多くの来場者でにぎわいました。
とくに注目を集めていたのが、業務特化型AI「X-Ghost」や音声認識と自動対話に対応する「X-Boost」。講演内でも紹介されたこれらのソリューションは、現場業務を効率化・高度化する力を備えており、デモスペースには多くの来場者が訪れ、展示ブースは終始活気にあふれていました。


(掲載日:2025年7月23日)
文:ソフトバンクニュース編集部
SoftBank World 2025 公式サイト

SoftBank World 2025の講演は、一部を除き、2025年8月29日(金)まで公式サイトからオンデマンド視聴可能です。




