SNSボタン
記事分割(js記載用)

会議室内の状況をAIでリアルタイムに把握。独自開発の画像解析AIエージェントを「MIRU2025」に出展

「会議室予約」や「被害状況報告」など、独自開発のAI基盤を活用した画像解析AIエージェントを「MIRU2025」に出展

2025年7月29日~8月1日に開催された画像の認識と理解技術に関する国内最大規模の会議「MIRU2025」で、ソフトバンク株式会社は高度な画像解析をテーマに次世代のAI活用モデルに向けた研究開発の取り組みを披露しました。

画像解析から自然言語処理まで幅広くサポートする自社開発のAI基盤を活用

今回ソフトバンクが紹介したのは、会議室の状況を可視化する「スマート会議室」と「災害自動レポート」の2つのAIエージェント。いずれもソフトバンクが独自に開発したAI基盤を活用したものです。

このAI基盤では、ANI(Artificial Narrow Intelligence:特化型人工知能)による人数カウントにとどまらず、VLM(Vision-Language Model:視覚言語モデル)を活用して会議室内の状況を把握し、その結果をLLM(Large Language Model:大規模言語モデル)で自然な文章に変換して応答することが可能です。
さらに、災害情報などの外部データを取り込み、映像の意味を解釈することで、単なる画像認識を超えて状況理解にまで踏み込んだ高度な分析への応用にも取り組みました。

展示会場では、模型による会議室の状況をIPカメラが画像取得し、エッジAIがリアルタイムに解析すると、AIエージェントがエッジAIの解析状況を参照してユーザーと会話(チャット)をしたり、状況分析レポートを発行したりするデモが披露されました。

「スマート会議室エージェント」(左)と「災害自動レポートエージェント」(右)の模型。上部の四角いIPカメラから取得した画像をエッジデバイスでAI解析する。
「スマート会議室エージェント」(上)と「災害自動レポートエージェント」(下)の模型。上部の四角いIPカメラから取得した画像をエッジデバイスでAI解析する。
「スマート会議室エージェント」(左)と「災害自動レポートエージェント」(右)の模型。上部の四角いIPカメラから取得した画像をエッジデバイスでAI解析する。
「スマート会議室エージェント」(上)と「災害自動レポートエージェント」(下)の模型。上部の四角いIPカメラから取得した画像をエッジデバイスでAI解析する。

「スマート会議室エージェント」(左)と「災害自動レポートエージェント」(右)の模型。上部の四角いIPカメラから取得した画像をエッジデバイスでAI解析する。

「スマート会議室エージェント」(上)と「災害自動レポートエージェント」(下)の模型。上部の四角いIPカメラから取得した画像をエッジデバイスでAI解析する。

リアルタイム画像解析で最新の会議室利用状況を回答

「スマート会議室エージェント」は、会議室の利用状況などの問い合わせに答えるAIエージェント。例えば会議を開きたいときに、条件に合った部屋を探す手間を減らす事につながります。
「今日の15時から1時間、6人入れる部屋はある?」といった問い合わせに対し、予約状況だけでなく、エッジデバイスによるリアルタイム画像解析を用いて会議室内の滞在有無や収容人数を検知し、ユーザーの要望に沿った利用可能な会議室をAIエージェントがチャットで回答します。

ユーザーとAIエージェントが会話しながら会議室を探して予約ができる。

ユーザーとAIエージェントが会話しながら会議室を探して予約ができる。

展示では会議室を模型で再現し、ソフトバンク本社と同様の会議室可視化システムを稼働。AIが人物模型の数の変化などをリアルタイムに検知し、状況に合わせてユーザーとチャットでやりとりするデモが行われました。

災害発生時に現場の被害状況をAIで分析・報告

「災害自動レポートエージェント」は、災害(地震)発生時に現場の被害状況を分析して報告するエージェント。危険な現場に人が立ち入ることなく遠隔から被害状況を把握することを目的としています。
エッジデバイス上のAIエージェントにより取得された画像を利用し、単なる物体検出を超えて災害現場の状況(コンテキスト)を理解して災害分析レポートを作成することが可能です。

こちらも会議室内の模型の状況を変えるとレポート内容が変化することが体験できるデモを行いました。VLMが、什器や人が倒れているといった状況を検知し、オフィス被害の危険度評価に反映する他、リスクや推奨するアクションについてもレポートを行いました。

災害発生時に現場の被害状況をAIで分析・報告

これらのAIエージェントの開発・提供に用いられたAI基盤は、ソフトバンク社内の会議室の利用人数可視化や、基地局鉄塔のサビ検出などでも活用されています。

今回の出展の責任者でエッジAIデバイスを活用したAIアプリケーションシステム開発を担当する、IT統括AIテクノロジー本部 AI&データサイエンス統括部 AIシステム開発部 部長の内藤達大は、次のようにコメントしました。
「“情報革命で人々を幸せに”という理念のもと、ソフトバンクは生成AIからAIエージェントへと進化する時代の大きな転換点に挑んでいます。私たちも内製開発の強みを活かし、クラウドとエッジ双方の特性を追求しながら、社会や産業の課題解決を加速し、次世代のAI活用モデルを世界に発信していきます」

関連記事

(掲載日:2025年9月3日)
文:ソフトバンクニュース編集部