
9月26日、ソフトバンク株式会社 竹芝本社にて、STATION Ai によるスタートアップ支援施策の説明会が開催されました。本説明会では、NVIDIAの先端技術に支えられたインフラを基盤に、ソフトバンクが推進する「AI Foundation for Startups」および STATION Ai の「AI Boost Program」 という2つのプログラムを紹介。スタートアップが直面する「高額な計算基盤」「人材不足」「顧客開拓の難しさ」といった課題に応える取り組みが紹介されました。
目次
AI開発の壁を乗り越える。スタートアップを支援する新たな取り組み
スタートアップがAI分野で成長するためには、乗り越えるべき壁が少なくありません。例えば、AIモデルの開発に不可欠な計算基盤は高額で、初期投資の負担が大きいこと。また、高度なAIエンジニアを確保することは難しく、開発体制の構築そのものが課題となること。さらに、完成したプロダクトを社会実装する段階では、大手企業など顧客との接点を得にくく、導入機会をつくりづらいこともあります。 こうした課題は、プロトタイプ開発から商用化までのあらゆるフェーズに影響を与え、スタートアップの成長スピードを鈍らせる要因となってきました。

新しい技術の発展を支える基盤の提供で、AI開発に挑戦しやすい環境を実現する「AI Foundation for Startups」
ソフトバンク株式会社 次世代社会インフラ推進室 室長の淺沼邦光は、北海道苫小牧市で建設を進める大規模AIデータセンター「北海道苫小牧AIデータセンター」の整備計画と、スタートアップ向けの活用支援について説明しました。2026年度に稼働開始を予定している「北海道苫小牧AIデータセンター」は、最新GPUを搭載した国内最大級の計算基盤を備えるものです。

淺沼は、「スタートアップが直面する高額な設備投資や計算リソース不足といった課題を踏まえ、短期専有利用や柔軟な契約期間に対応する仕組みを整える。さらに、NVIDIA AI Enterpriseによる開発支援を組み合わせることで、 “試す→検証する→商用化する” というプロセスを効率的に進められる環境を提供する」と述べました。

また「通信やデータの強みを生かし、スタートアップが社会実装に踏み出すときに伴走できる存在でありたい」と成長支援に向けた意欲を示しました。
事業会社との協業機会を広げ、AIプロダクトを世の中で使ってもらえる一歩に「AI Boost Program」
日本最大級のオープンイノベーション拠点としての強みを生かし、スタートアップ支援に取り組むSTATION Ai株式会社。名古屋に構える拠点には、現在スタートアップ約600社と事業会社約400社、あわせて1,000社を超える会員が集い、協業や事業共創を進めています。
代表取締役社長兼CEOの佐橋宏隆氏は、AI分野におけるスタートアップが抱える課題について「計算基盤や人材の不足だけでなく、顧客開発の難しさが日本特有の課題」と指摘。その上で、来年4月から始動予定の「AI Boost Program」を通じて、事業会社とのネットワークを生かし、AIプロダクトを世の中で使ってもらえる一歩を支援する役割を果たしたいと語りました。

今回発表された新プログラム「AI Boost Program」は、12月に募集を開始し、翌年4月から4カ月間のプログラムを提供します。5社の採択を予定しており、ソフトバンクが提供する「AI Foundation for Startups」プログラムを活用し、高性能GPUシステム無償提供。そして、NVIDIAが専門エンジニアによる技術伴走を担います。STATION Aiは、潜在顧客との接点をつくり、スタートアップの事業化を支援します。

佐橋氏は「スタートアップの挑戦を支援すると同時に、事業会社との結びつきを促し、新たなイノベーションを生み出したい」とコメントしました。
世界の最新技術やノウハウに触れ、成長を加速するチャンスに
続いて、NVIDIA Cloud Service Program(CSP)/GTM担当のJen Hoskins氏が登壇し、グローバルで進むAIスタートアップ支援の潮流について紹介しました。世界中で3万社以上が参加する「Inceptionプログラム」をはじめ、NVIDIAが提供するハードウェア優待や開発ツール、トレーニング環境へのアクセスについて説明しました。

Jen Hoskins氏は「今回の取り組みにより、日本のスタートアップも世界基準の支援ネットワークを活用できる」と述べ、国際的なエコシステムとつながることで新たな成長機会が生まれると期待を語りました。
「AI Boost Program」は、12月から募集を開始し、来年4月に始動します。 AI開発に挑むスタートアップにとって、実践的なサポートを受けられる新たな機会となりそうです。
関連プレスリリース
- AIモデルの開発や事業化を支援する、スタートアップ企業向けのプログラム「AI Foundation for Startups」を提供開始(2025年3月31日 ソフトバンク株式会社 プレスリリース)
(掲載日:2025年10月14日)
文:ソフトバンクニュース編集部
国内最大規模のオープンイノベーション拠点「STATION Ai」

「STATION Ai」は、スタートアップの創出・育成やオープンイノベーションを促進するため、専門スタッフによるきめ細やかなサポートやさまざまな支援を提供しています。約1,000社を超える国内外のスタートアップやパートナー企業、VC、大学などが参画し、新規事業を創出。館内にはレストラン、ホテル、ジムなどを備えた快適なオフィス環境が整い、勉強会やメンタリング、企業間のマッチング機会も豊富です。




