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もう、凍らせない! 雪国特有の課題「水道管の凍結」をIoTで解決?

もう、凍らせない! 雪国特有の課題「水道管の凍結」をIoTで解決?

暖かい地域にお住まいの方は想像しにくいかもしれませんが、雪国では冬の寒い時期になると、水道管にたまっている水が凍り「水が出ない」「水道管が凍って破裂」ということがよくあるそうです。

水が出なくなると生活に支障をきたし、さらに破裂してしまうと高額な出費に…

そのような水道管凍結や破裂といった事態が起こらないよう、チョロチョロ水を流したり、配管を温めて凍らないようにしたり、凍結対策は本当に大変なようです。

そんな雪国での問題をIoTで解決しようというイベントがあるという話を聞き、新潟に行ってきました!

雪国特有の課題をIoTで解決するハッカソン! 1位に選ばれたのは…?

にいがた産業創造機構が主催するハッカソンが、2月16日・17日に新潟市で開催されました。テーマは、「雪国新潟の冬の暮らし(消雪・除雪、交通、エネルギー、利雪)×IoT」。

  • ハッカソン:ソフトウエア開発者などが集い、一定期間集中的にプログラムの開発やサービスの考案などの共同作業を行い、その技能やアイデアを競うイベント。

冒頭で雪国特有のさまざまな課題が紹介され、参加チームはそれらの課題をIoTで解決するためのアイデアを出し合い、プロトタイプ(試作品)作りに着手。

ハッカソン会場の様子

ハッカソン会場の様子

参加者は5-6人ごとのチームに分かれ、2日間にわたりプロトタイプ開発を行いました。

今回のハッカソンで作られた参加チームのプロトタイプ

今回のハッカソンで作られた参加チームのプロトタイプ

2日間の集大成を各チームがプレゼンし、見事1位に選ばれたのは・・・

水道管の凍結をIoTで解決するアイデア「蛇口ハック」!

「蛇口ハック」を考案したチームの皆さん

このチームが選択した課題は、「水道管の凍結」。

「どうして水道管破裂って予防できないんだろう?」と熱いディスカッションを繰り返した結果、「対策がなかなか面倒なので予防策ができていない」という結論にたどり着いたそう。

そこで・・・

水栓を少しあけてチョロチョロ水を出す(通称「チョロ水」)という、面倒でアナログな対策ではなく、凍結の危機が迫ったときのみ、「チョロ水」が自動で発動するIoTを使ったアイデアを生み出したのです。

いったい、どんな仕掛けがあるのでしょうか?

IoTを駆使した、「蛇口ハック」の凍らない仕掛けとは?

① 屋外の温度センサーが水が凍る温度を検知すると、水道管に自動で水を通す。

② 各センサーの稼働状況を、クラウドサービスにシェア。

③ クラウドサービスから凍結の危機を近隣住民に通知。

なるほど!! こうすることで水道管を見張っていなくても凍結を防げるというわけですね!

今回は商品の開発ではなく、アイデアとプロトタイプの製作でしたが、今後商用化される可能性もあり、雪国の課題がIoTで解決できる日も近いはず!

また、イベントでは1位になった「蛇口ハック」以外にもたくさんの素晴らしいアイデアが生み出されました。

今後の展開が楽しみですね!

審査委員からのコメント

内山雅彦さん
公益財団法人 にいがた産業創造機構
産業創造グループ 総括マネージャー

今回1位に選ばれたアイデア以外にもたくさんの面白いアイデアが出てきました。このハッカソンをゴールではなく通過点と考えています。社会実装されるところまでがゴールだと考えて、アイデアを出しただけで終わらせず、実用化に向けて進んでいっていただきたいと思います。

今回このイベントで使われたモノとインターネットをつなぐ、IoT向けの通信規格「NB-IoT」をソフトバンクが提供し、NB-IoTを使ったハッカソンとしては国内初開催となりました!

「NB-IoT」??

うーん…なんだか難しいですね。

モノとインターネットをつなぐ、NB-IoTを解説

NB-IoTとは、IoT向けのLTE規格のことで、家電や自動車、世の中にあるさまざまなモノがインターネットへつながるための通信技術のことを指しています。

先ほどの「蛇口ハック」の例で言うと、温度センサーとクラウドサービスの通信に使われています。

ソフトバンクは、このNB-IoTのネットワークの構築を2018年4月に完了し、商用サービスを開始しました。

NB-IoTは、「低コスト」「低消費電力」「長距離通信可」「大量接続可」といった特徴があり、このようにモノとインターネットをつなぐ技術としてとても注目されているんです。

通信技術なので目に見えませんが、身近なところで活躍しているかもしれませんね。

<NB-IoT 関連プレスリリース>

ソフトバンクと共にIoTサービスを加速させる「株式会社ウフル」

今回のイベントは運営事務局として、IoT関連事業を展開する「株式会社ウフル」が参加。

実はソフトバンクは通信技術の提供だけではなく、IoT事業分野のさらなる発展を目指し、ウフルと資本・業務提携しているんです。近い将来、商業施設や身近なあらゆる場所で、モノがインターネットとつながり、より便利になる時代が来るのが楽しみです!

皆さんも、身の回りのIoTを見つけてみてくださいね。

<関連リリース>

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(掲載日:2019年2月28日)
文:ソフトバンクニュース編集部