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人気声優 小野賢章さんに聞く、仕事と声の流儀。「その声は、“リアルなのか” “リアルじゃないのか”」

人気声優 小野賢章さんに聞く、仕事と声の流儀。「その声は、“リアルなのか” “リアルじゃないのか”」

今、バスケットボール業界が脚光を浴びています。

日本人初のNBAドラフト1巡目指名や日本代表チームのワールドカップ出場など、その盛り上がりからは目が離せません。そんな中、日本の男子プロバスケットボール「B.LEAGUE(Bリーグ)」の2019-20シーズンが10月3日に開幕しました。

今回、話を伺ったのは、Bリーグのライブ配信を行っている動画配信サービス「バスケットLIVE」内の特集「2019-20 B1全チーム紹介」でナレーターを務める、人気声優・小野賢章さん。声優として活動する傍ら、舞台俳優や歌手などマルチに活躍されている彼に、仕事や声の流儀、バスケットの魅力などのお話を伺いました。

声優の小野 賢章(おの・けんしょう)さん

子役時代から舞台・映画・テレビドラマに出演。ハリー・ポッターシリーズのハリー・ポッター役で声優としての活動を開始し、アニメでは「黒子のバスケ」の黒子テツヤ役や、「ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風」のジョルノ・ジョバァーナ役など。

バスケットLIVE

ソフトバンクが提供しているバスケットボールの動画配信サービス。B.LEAGUE(Bリーグ)の全試合のライブ/見逃し配信をはじめ、注目選手のプレー集、インタビューなど、多彩なコンテンツを配信しています。

バスケットLIVEのウェブサイト

仕事の流儀や将来への不安。「なんでもやりたい精神を常に持っています」

声優の小野 賢章(おの・けんしょう)さん

なぜ、声優という仕事を選んだんですか?

正直、それしか選択肢がなかったんですよね。子役からこの世界に入っていたこともあって、サラリーマンをやるという考えもありませんでした。あとは、毎作品ごとに設定や世界観が違うので、常に学びや刺激があって続けられている気がします。

子役から始まり、舞台俳優、声優、歌手などマルチに活躍されていますが、仕事をする上で大切にしていることはありますか?

自分が何を求められているのか。この作品に呼ばれた理由だったり、監督がどんな役や芝居を求めているものだったりは常に考えていますね。もちろん、役作りをしてから現場に挑むんですけど、監督の考えと違うことをやったら指示が入るので、それに対してどう柔軟に対応していくかが必要だと思っています。特になければ「あー、これが正解だったのか」とそのまま続けますね。

自分の価値を常に意識されていると。ちなみに、仕事のオファーはどんなときに断りますか?

基本的には「なんでもやりたい精神」があるので断らないですよ(笑)。どんな仕事にも学びがありますし。ただ、スケジュールが過密すぎる場合は泣く泣く断ったりしますね。

大変だった仕事のエピソードはありますか?

うーん、舞台は長期間拘束されるので、その合間にアニメの収録などの仕事が入ってくるとスケジュール調整が大変ですね。どうにもこうにも調整ができなくて、本番の3〜4日前に初めて舞台の稽古時間が取れたときがあったんです。そのときは、夜中1時から4時まで稽古をして、ちょっと寝て朝からアニメの収録をする、という日々を過ごしていてだいぶつらかったですね(笑)。

普段、声優仲間とはどういったことを話していますか?

お互いの作品は見ているので、「あそこ良かったよー」って、感想を言い合ったりします。若いころは、同じオーディションを受けることもよくあるので、自分が出たかった作品に相手が受かることや、逆もしかりだったので、悔しい気持ちもありました。ただ、年齢を重ねていくと皆同じような経験をするので、「お互い様だよね」って、そういったライバル意識はなくなってきましたね。

「声優の世界って、何歳になってもオーディションがあるので常に不安はあります」

子どもから大人の役まで幅広く演じられていますが、声でキャラクターや感情を演じ分けるときに心がけていることはありますか?

キャラクターごとにどのように違いを作るか、というよりもファーストインプレッション(第一印象)からパッと声を決めちゃいますね。監督のディレクションや他人の意見を受け入れる余白を持つように、あまり作り込みすぎないようにしています。

可愛いキャラクターを演じるときは「俺は可愛い、俺は可愛い…」って、たまに自己暗示をかけることもありますけどね(笑)。

小野さんくらい売れっ子になると、あまり仕事の壁はなさそうに見えますが不安はありますか?

いやいや、そんなことないですよ(笑)。常に不安はあります。声優の世界ってすごくわかりやすくて、何歳になってもオーディションがあるので楽ができないんですよね。いまだにめちゃくちゃ受けても、めちゃくちゃ落ちまくるので。本当に油断できない世界だなって常に思っています。落ちている数の方が圧倒的に多いですよ。

小野さんが考える、声へのこだわりや出し方。「その声はリアルなのか、リアルじゃないのか」

どのように小野さんならではの声を演じるように心がけていますか?

わかりやすくいい声ってあるじゃないですか。特徴的だったり、渋くて低かったり。僕は自分の声を普通だと思っているんですよ。生活している中で、「あれ、この声 小野賢章だ」って気づかれたことも1回もないですし。

例えば、生死をかけた戦いのシーンをよく演じるんですけど、腹式呼吸で「腹から声出してます!」みたいな声の出し方をしても、大げさすぎて嘘くさく聞こえちゃうんですよね。その瞬間を生きているリアルな声じゃないっていうか。

そういうとき、多少 声帯を傷つけてもいいから、喉を締めつけて声を出しちゃうタイプの人間なんですよね。後先考えないというか。一応プロなんで、次の収録に影響を出しちゃいけないんですけど、今の仕事に自分のすべてをぶつけるようにしています。この作品にとって「その声はリアルなのか、リアルじゃないのか」を常に考えていますね。

その技術はどのようなトレーニングで身についたのでしょうか?

これといったトレーニングはしていないんですが、とにかく「気づくこと」に集中しています。収録した自分の声を聴くのってめちゃくちゃ恥ずかしいんですけど、ちゃんと聴き返して反省点を見つけるようにしていますね。「この滑舌ダメだったなー」とか「セリフが絵と合ってなかったなー」とか。そんなにマメじゃないんで、メモまでは取らないですが、ちゃんと振り返って、次に活かすようにしています。

難しいセリフってあるんですか?

「えっ?」っていうリアクションのセリフかな。「えっ?」って、実はすごく深くて、聞こえなかったときだったり、聞こえているけど信じられなくて聞き直すときだったり、びっくりしているときだったり。同じ表記なのに状況によって全く違う意味合いになるのに、それを声だけで表現するのはめちゃくちゃ難しいですね。

ちなみに、私たち素人でも今スグできそうないい声の出し方ってありそうでしょうか?

うーん、声量を上げるのが一番いいですよ(笑)。僕もそうなんですけど、声が抜けちゃう人って、発生時の息の量がムダに多いんですよ。少しの空気でしゃべれるようになると芯のあるしっかりとした声になりますね。

わかりやすく言うと、ウィスパーボイスがそれの最大級かな。

「こうやってしゃべる」(ウィスパーボイスで)

これはもうほとんど息しかでていないですよね。まあ、僕も全然普段の声は通らなくて、店員さんにも全然気づいてもらえないんですけどね(笑)。

今後、演じてみたい役はありますか?

今まで、戦闘ものの作品やシリアスな心境を演じる役柄が多かったので、リアルな日常を描いた作品をやってみたいです。

声優とは多少 毛色が異なる仕事だと思いますが、バスケットLIVEのナレーションを引き受けた理由はなんですか?

バスケのアニメの役(黒子のバスケの黒子テツヤ)をやっていて、元々興味があったんですよね。あと、以前から気になっていたBリーグのチームや選手の知識も増やす機会にもなるので「ラッキー」と思いました(笑)。

仕事や声の流儀を伺ったところで、小野さんも熱を入れているバスケの魅力を語っていただきます。

バスケットLIVEのナレーションを経て、小野さんが感じたバスケの魅力とは

小野さんが感じたバスケの魅力は?

やっぱり、「試合の展開の速さ」かな。サッカーだと2、3点入れば試合が動いた、という印象になるんですが、バスケは常に攻守が切り替わって点がドンドン入っていくので飽きないんですよね。あと、会場もコンパクトで全体が見渡しやすいので、試合中の一体感も生まれる気がします。

Bリーグの魅力や好きなチームはありますか?

全国各地にチームがあるので、わざわざ東京に行かなくても近くで地元のチームの試合を観に行けるところが魅力だと感じています。好きなチームでいうと、全チームのナレーションをしているのもあって決めかねています。1つのチームに肩入れすると、その推しチームのナレーションだけやたら気合をいれてやっちゃいそうなので(笑)。

ただ、この前サンロッカーズ渋谷のベンドラメ礼生選手と関野選手を取材したんですが、直接 選手と話して交流があると、自然に応援したくなっちゃいますね。もちろん、八村選手はスゴいと思いますが、Bリーグの選手じゃないんで(笑)。ただ、NBAに行ける日本人の選手がドンドン出てくるのは、日本バスケ界の未来も明るい気がします。

ちなみに、バスケットLIVEで最近 臨場感抜群のVR映像の配信を始めたんですが知ってますか?

え、そうなんですか! 本当は試合を観に行きたいところですが、家とかでもその迫力でバスケ試合を楽しめるなら一度試してみたいですね。

小野さんがナレーションをするバスケットLIVE(例:西地区 琉球ゴールデンキングス)

Bリーグ「2019-20 B1全チーム紹介」

ありがとうございました!

最後に動画コメントもいただきました

「バスケットLIVE」では、B.LEAGUEの全試合のライブ配信や見逃し配信をはじめ、注目選手のプレー集、インタビュー、バスケ関連番組など多彩なコンテンツも配信中。迫力のプレーの数々をぜひチェックしてみてください。

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小野賢章さんから「サイン入り色紙」を3名さまにプレゼント!

今回インタビューに登場していただいた小野賢章さんからプレゼントをいただきました。「直筆サイン入り色紙」を抽選で3名の方に差し上げます。応募は以下をご確認ください。

本キャンペーンは終了しました。

(掲載日:2019年10月21日、更新日:2019年11月1日)
文:ソフトバンクニュース編集部