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スマホライフの味方「Bluetooth」。名前の由来や仕組みをかんたん解説!

スマホライフの味方「Bluetooth」。名前の由来の仕組みをかんたん解説!

スマホやパソコンなど、さまざまな機器が無線で通信することが当たり前になった昨今、Wi-Fiとともに広く普及しているのが「Bluetooth」です。しかし、詳しい仕組みや特長を知らないまま使っている方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、Bluetoothの仕組みを改めて解説。さらにWi-Fiと比較しながら、Bluetoothならではの特長なども紹介します。

そもそもBluetoothってどんな機能?

「Bluetooth」とは無線通信の規格の1つ。同時にその機能のことを指します。世界で仕様が統一されている標準規格であるため、対応する機器ならどこの国の製品でも通信することができます。

上の写真で拡大した眼鏡のようなロゴマークが、Bluetoothに対応することを示す目印。製品本体やパッケージに記載があれば、Bluetoothを使って通信できます。

そもそもBluetoothが初めて登場したのは、今から約20年前。1999年にスウェーデンの世界最大手通信機器メーカーであるエリクソン社を筆頭とした5社が「Bluetooth 1.0」を発表し、翌年にBluetooth対応機器が登場。当初はノートパソコンをPHSや携帯電話に接続してインターネットを利用できるようにするのが主な目的でした。この機能は今でも「テザリング」として残っていますね。

それからは年々バージョンアップが施され、キーボードやマウス、プリンターなど対応機器も増加。昨年2019年には最新バージョン「Bluetooth 5.1」が発表されています。

Wi-Fiと何が違う? Bluetoothの性質とは

自宅やオフィス、駅にショッピングモールなど、いまやあらゆる場所で利用できるWi-Fi。最近では動画やゲームなど大容量コンテンツが充実し、いわゆる「ギガ不足」にならないように積極的に活用している人も多いはず。Bluetoothよりも馴染みのある存在かもしれませんね。

そんなWi-FiとBluetoothは、無線通信機能である点では共通していますが、性能面は大きく異なります。通信範囲、通信速度、消費電力の3点で違いを簡単に見ていきましょう。

Wi-Fiの通信範囲は屋内では100メートル、屋外では500メートル程度。通信速度も600Mbps~6.9Gbpsと速く、動画やゲームなど大容量のデータ通信に向いています。また、通信範囲内にいる複数の機器が同時に接続できるため、自宅やオフィスでネットワークを構築することにも長けています。しかし広範囲・大容量で通信するため、消費電力も大きくなります。

Bluetoothは、数十メートルが通信範囲の限界。実はBluetooth製品は電波強度によってClass 1(約100メートル)、Class 2(約10メートル)、Class 3(約1メートル)に分かれています。しかし日本国内の電波法では、無線通信で使える電波強度の上限がClass 1の半分ほどに定められているため、Class 1の製品であってもそのスペック通りに通信できるわけではありません。また、一般ユーザー向けに販売されている製品のほとんどはClass 2対応なので、通信範囲はWi-Fiよりも狭いのです。

通信速度は最大24Mbps。Wi-Fiと比べても25分の1程度の速さでしか通信できません。また、接続は1対1のペアで行います(機器同士を登録することを「ペアリング」と言いますよね!)。通信容量と接続機器が少ない分、消費電力はWi-Fiよりも抑えられます。

Bluetoothが得意な3つの通信

Bluetoothは通信範囲や速度でWi-Fiに大きく劣ります。一見すると利便性が低いように思えますが、それは用途によって向き不向きがあるというもの。Bluetoothは、①近距離での通信、②小容量のデータ通信、③長時間の通信に適しています。

まず①近距離にある機同士の通信を得意としています。ポケットや鞄に入れたスマホとワイヤレスイヤホンを接続したり、PCとキーボードやマウスを接続したりと、ペアになる機器が近くにある場合に使います。本来Bluetoothはノートパソコンを携帯電話につなぐ目的で開発されたもの。そもそも近距離専用の通信機能なのです。

また、②容量の小さい通信に向いている点も特長です。通信速度に優れるWi-Fiは大容量通信が可能ですが、データ容量が大きいほど通信の遅延も起こりやすくなります。Bluetoothは、ワイヤレスキーボードによる文字入力のような比較的容量の小さい通信に特化することで、遅延のない安定した通信ができます。

さらに消費電力が小さいため、③長時間にわたって接続しておきたい機器の通信に使えるのもメリット。たとえば、スマートウォッチをスマホに接続して睡眠中のデータを記録したり、スマホをワイヤレススピーカーにつなげて音楽を再生したりするときに消費電力の小ささが役立ちます。

Bluetoothの名前の由来

Bluetoothを直訳すると「青い歯」ですが、これは10世紀のデンマーク王、ハーラル1世の異名「青歯王」から取られているんです。

ハーラル1世はデンマークとノルウェーを平和的に統一したことで知られる人物。当時乱立していた無線通信規格をまとめ、新しい無線規格で複数機器(パソコンと携帯電話)をつなぎたいという思いから、功績にちなんで「Bluetooth」と名付けられました。青いロゴマークも、ハーラル1世(Harald Blåtand)のイニシャルをルーン文字で表し、それを組み合わせて作られています。

Bluetoothの名前の由来

まだまだある! Bluetoothならではの特長

近距離通信に特化していること、長時間接続に向いていることなど、Bluetoothのメリットを解説しましたが、実はまだまだBluetoothには特長があります。その1つが、電波の干渉に比較的強いこと。これには「AFH」という機能が関係しているのですが、その前にBluetoothが使用する周波数について理解しておきましょう。

Bluetoothが通信に使うのは、2.4GHz帯という周波数帯。周波数帯とは、例えるなら電波の通り道のことで、この道をデータが行き来してデバイスが通信します。同じ周波数帯を使う機器が増えると道が混雑し、通信が遅くなったり、途切れたりしてしまいます。

実はWi-Fiや電子レンジも同じ2.4GHz帯を使っています。Bluetoothの「AFH」とは、周囲の機器が使用する周波数を自動で避けて、空いている周波数を使える機能なのです。

分かりやすくいうと、すでに行き来しているWi-Fiや電子レンジに道をゆずり、空いているところを見つけて通っていくイメージ。混雑している(=通信が不安定になる)道を自動で回避するおかげで、他の電波との干渉を避け、安定して通信できるのです。

また、Bluetoothの電波には指向性が低いという性質があります。指向性とは「電波の進む強さが方向によって異なる性質」を意味します。指向性が高いと特定の方向に直進する性質を持ちますが、指向性の低いものは全方位に出力されます。

指向性の高いものとしては、赤外線が例に挙げられます。リモコンをテレビに向けて操作しないと反応しないのは、赤外線の電波が直進する性質を持っているから。反対にBluetoothは電波の指向性が低いため、機器の向きを気にすることなく接続できます。また、障害物に遮られにくいのも特長。スマホをポケットや鞄に入れても接続が途切れないように、機器間に物が存在しても安定して通信できる利便性があります。

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(掲載日:2020年2月28日)
文・編集:ゴーズ