皆さんは、ソフトバンクショップでスマホアドバイザーに会ったことはありますか? 彼らは、スマホに関するいろんなお悩みを解決するスマホのプロフェッショナルなのですが、実はユニークなキャリアを持った人がたくさんいるんです。
今回話を聞くのは、元ホテルマンの金木さん。彼は、ホテルマン時代に1日数百人を接客した経験を生かして、スマホアドバイザーAWARDでスマホ教室部門の1位に輝きました。ホテルマン時代のユニークなエピソードからスマホアドバイザーという生き方を選んだ理由、お客さんの心をつかむ秘訣を聞きました。
スマホアドバイザー

全国1,200店舗のソフトバンクショップに常駐しているスマホのプロフェッショナル。体験型のスマホ教室やスマホやアプリ・サービスの操作方法の説明、スマホ選びのお手伝いなどを行う。
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スマホアドバイザーが在籍していないソフトバンクショップもあります。
今回話を聞いたスマホアドバイザー
金木 浩司(かねき・こうじ)さん
量販店での販売クルーを約2年間担当した後、スマホアドバイザーのキャリアをスタート。神奈川県のテラスモール湘南店やノクティ溝の口店などで約5年間の活躍を経て、つい最近アドバイザーリーダーへ昇格。「日本一 楽しいスマホ教室」をテーマにした「スマホ教室」の評判が非常によく、リピーター続出中。休日の趣味は、奥さんとのジム通いやショッピング、ディズニーなど。
出会いは一期一会、要望は十人十色。お客さまの息子のフリまでしたホテルマン時代
スマホアドバイザーになる前は、東京や神奈川を中心としたホテルのフロントマンとして活躍されていた金木さん。主な業務は、チェックインやチェックアウト、予約受付といったお客さまの対応ですが、ユニークなオーダーを多々経験していました。
金木「皆さんでも想像のつきやすい『枕を変えてほしい』『充電器を貸してほしい』などのオーダーが多かったのですが、外国人のお客さま向けに『日本語でラブレターを書く』お手伝いをしたこともあります(笑)」
そんなことまで(笑)! 某ホテル映画のように、面白い出来事がたくさん起こりそうですね。
金木「映画で見るような事件はほとんど起きませんが……(苦笑)。他にも印象的だったのは、認知症のお母さまと娘さんがいらっしゃったときに、お母さまがなぜか僕を息子だと勘違いされたので、息子のフリをしたことがあります」
ええっ……! 勤務中ずっと息子さんのフリをしていたんですか?
金木「はい(笑)。手が空くたびに客室へ足を運んでお話をしたり、お帰りの際には『お母さん、いってらっしゃい』と言ってお見送りをしたり、娘さんのご協力の下、花をプレゼントすることもありましたね。そこからよくホテルに泊りに来てくださるようになったので、毎回サプライズを考えていました」
お客さまへのホスピタリティを徹底することで金木さん目当てのリピーターもいらしたそうです。そんな金木さんがホテルマンとして働く上で、普段心がけていたことがあるそう。
金木「1日あたり約数百人のお客さまにお会いするのですが、一度お会いした方の顔と名前は必ず覚えるようにしていました。一人ひとりの特徴をつかんで、ジェスチャーを交えて記憶に残すのが一番効果的でしたね。また、フロントは花形といわれていて、何でもできて当たり前なので、常日頃から地域の情報を知るための勉強をしていました。レストランやレジャースポット、映画のチケットの取り方など……。ですが、お客さまは十人十色。いくら勉強しても『そうきたかー』と思う盲点をついた質問が多々あるので、常に刺激や学びに満ちていました」
勉強熱心ですね。一番仕事への学びにつながったことは何ですか?
金木「『お客さまのフリをして、近隣のホテルに泊まる』、これに尽きます。自分がお客さまの立場になって、ホテルのサービスを経験してみると学ぶことがたくさんあるんですよね。僕が必ず聞くのは、チェックイン時に予約していた部屋から別の部屋に変更ができるかなど、競合他社がどんな対応をするのか調査してましたね。ちなみに、ホテルマンはたいてい立ち振る舞いでバレます(笑)。あとは、休日はほとんどホテルに泊まっていたので、給料をほぼつぎ込んでいました(苦笑)」
すごい……。そこまで熱中したホテルマンのやりがいとはなんでしょうか?
金木「ホテルでのお客さまとの出会いは一期一会で、一瞬です。その限られた時間のなかでも、お客さまが言葉にしない『本当はこうしてほしい』といった本音を探るのは難しかったですね。過剰なホスピタリティがかえって余計なお世話と捉えられてしまうこともありましたし。そんな中でも、『この人をどうやったら喜ばせられるだろう』と毎日ワクワクしていました」
“接客の世界一”から“スマホの世界一”へ。数多くの高齢者ファンを持つ、金木さんが大切にしているたった一つの母の教え
一見、順風満帆にもみえるホテルマン時代。そんな金木さんですが、あることをきっかけにキャリアチェンジを決断。ソフトバンクに入社し接客業務を経験した後、スマホアドバイザーになりたいと希望を出したそうです。金木さんのように自らスマホアドバイザーになりたいと志願する人は当時は珍しかったとか。
ホテルマンからスマホアドバイザーへ転身したきっかけはなんだったんですか?
金木「前職では”接客の世界一”を目指して日々一生懸命働いていたのですが、ホテルの支配人から『接客が飛び抜けている』と言われたんです。それで、ここではもうあまり成長できないような気がしてしまって。ホテルのような年功序列の世界ではなくて、向上心と実力次第で上に上がっていける場所がいい。そう思って携帯業界を選びました。まさか、自分がソフトバンクで働くとは思ってもみませんでしたけどね」
スマホアドバイザーの仕事を一言でいうと、「お困りごと解決係」と語る金木さん。金木さんが開催する教室はリピート率が非常に高く、1番長い方は100回以上、少なくても20回ほど参加されているそうです。卒業する人や、友人を誘って参加する人もいるらしく、和気あいあいとした様子が伺えます。なぜそこまでのリピート率を維持できるのか、金木さんはこう語ります。
金木「参加者同士が仲良くなって、毎週この人たちに会いたい! と思ってもらえるような場を作ることが大切です。そのために参加者それぞれの個性を把握して、『この人とこの人が仲良くなれそうだな~』と考えたり。参加者同士が一緒に頑張ろうと声を掛け合えることが、何よりの励みになりますよね」
スマホに対してどんなイメージを持っている方が多いんですか?
金木「最近はスマホを”使わなければならない”と苦痛に感じている方も多いみたいです。なので、いつも忘れずに意識することは、なるべく無理強いせずに相手に寄り添うこと。難しい、何ができるのか分からないという状態から、スマホを”楽しい”と思えるようなツールにできるよう日々工夫しています」
スマホ教室で頭を悩ませていることはあるんですか?
金木「一方的なインプットではなくて、何度参加しても楽しいと感じてもらえるように、毎回ネタを考えることは正直大変です。『次これをしたら喜んでくれるかな』と考えながら、駅から店まで歩く道中で素敵なお花見つけたら撮影したり、『PayPay』が使えるお店を把握したり。遠回りして視点を変えながら、日々の生活で教室のネタ探しをしてます。年配の方は他愛もないことを楽しんでくれるので、反応が悪ければネタを変えて、の繰り返し。クラスごとに喜んでくれるポイントも違うので、日々勉強しながら『つまらない教室の先生』にならないようにしてます」
実は金木さん、店舗の異動をきっかけに会えなくなってしまった”熱狂的金木ファン”のために、スマホ教室のオンライン開催を提案したのだとか。オンラインだからこそ意識していることもあるそうです。
金木「オンラインだと、どこの店舗にいても付き合いの長いお客さまと会える機会が作れるからうれしいですね。対面と違って画面上のみの交流になってしまうからこそ、より相手に自分を知ってもらうよう意識しています。先に自分の生活や日常の出来事を話すことで、参加者も話しやすいと感じてくれて、そこから話も広がったり……」
ホテルマン時代に身につけたホスピタリティがあってこそ、でしょうか。“相手を喜ばせる”ためにいつも行っていることがあれば教えてください。
金木「相手が関心のあることを探って、話題に出すこと。例えば、神社が好きな方だったら週末神社に足を運んで、次の回でその様子を写真や動画でお伝えしたり。参加者の方からも、最近撮った写真を加工して見せてもらうことで、お互いの信頼関係の構築にもつながりますよね」
参加者が加工した写真を発表している様子
ホテルマンからスマホアドバイザーになっても変わらない思い「とにかく周りの人を幸せにする」
金木さんの使命感は、幼少期に母親から学んだ「とにかく周りの人を幸せにしなさい」という教え。今でも使命感として胸に強くあり、「デジタル化する社会で置いてきぼりになりがちなお年寄りを”守りたい”という思いを持っています」と語ってくれました。
金木「来ていただいたお客さまに、どんな付加価値を持って帰ってもらうか。それはホテルマンでもスマホアドバイザーでも変わらないことです。ホテルだと宿泊する、今だとスマホ教室に参加する、という目的があって来られていますが、一人ひとりが本当は心の奥底で求めていることを探し当て、それを満たしてあげるところに一期一会の難しさと面白さがありますね」
先月リーダー試験に合格し、アドバイザーリーダーへ昇格した金木さん。リーダーになっても、自分でスマホ教室を開催し続けていきたいという気持ちは変わらないのだとか。
金木「アドバイザーリーダーになってもでもオンラインスマホ教室を開催し続けます。やっぱり、自分に会いに来てくれるお客さまもいるので、挑戦し続けて前例を覆したいですね。そして、自分のチームメンバーや全国にいる1人でも多くのスマホアドバイザーの心に火をつけて、自分と同じような気持ちでスマホ教室を開催するような方を育てていきたいとも思っていますよ」
お話を聞いていて、私も金木さんのファンになっちゃいました。これからも応援しています!
(掲載日:2021年10月27日)
文:ソフトバンクニュース編集部

ソフトバンクショップでは、金木さんのようなスマホアドバイザーがご購入前のご案内やご購入後のスマホの操作サポートを行っています。安心して新しい機種をご検討ください。