2023年2月3日、ソフトバンク株式会社の2023年3月期 第3四半期 決算説明会が開催され、代表取締役 社長執行役員 兼 CEOの宮川潤一が連結業績について説明しました。
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通期業績予想に対して計画通りに進捗
第3四半期の売上⾼は、4兆3,455億円で前年同期比4%増と、全セグメントにおいて増収。営業利益は9,820億円で、前年同期比22%増。これは主に10月1日に完了したPayPay株式会社の子会社化に伴う再測定益2,948億円を計上したことによるものです。また、純利益は5,086億円と前年同期比21%増となりました。
通期業績予想に対する第3四半期の進捗率は、売上高74%、営業利益94%、純利益94%と、計画通り進捗していると説明しました。
モバイル契約数が大幅に改善。通信料値下げによる影響は縮小へ
コンシューマ事業は、通信料値下げの影響などが影響し、売上高は、前年同期比1%の増収、営業利益は同17%の減益となりました。通信料値下げの影響について「2023年3月期 第1四半期以降は縮小し始めており、2023年3月期を底に次年度以降は大幅に縮小する。コストダウンも含め、V字回復をしていきたい」と今後の見込みを述べました。
第3四半期累計期間におけるスマートフォンの純増数は107万件と、前年同期末比で11%増加。また、同期間における主要回線の純増数は60万件で、前年同期末比129%増と大幅に改善しました。
また、第3四半期に取り扱いを開始した「PayPayカード ゴールド」を含む、「PayPayカード」の有効会員数の純増数が53万に達し会員の獲得が好調であるなど、コンシューマ事業の販売チャネルがグループ企業の成長に貢献していると説明しました。
法人事業の売上高は前年同期比4%の増収。ソリューション等の売上高において、継続収入が前年同期比11%増加と引き続き順調。「中でもクラウド領域、セキュリティ領域など経営課題を解決する継続性の高い商材の売上高が前年同期比20%を超える成長。引き続きソリューション等の売上をけん引している」とコメントしました。
2023年3月期 第3四半期から新設された金融事業は、PayPay株式会社の子会社化やPayPayカード株式会社の顧客基盤拡大に向けた戦略投資などの影響により減益するも、将来の成長に向けた先行投資として、計画通り進捗していると説明。
スマホ決済サービス「PayPay」の登録ユーザー数は5,400万人に達し、第3四半期の決済回数は37.5億回と前年同期比43%増、決済取扱高(GMV)は5.7兆円と前年同期比46%増となりました。
PayPayを中心としたグループシナジーの例として、販促プラットフォーム「LINE・Yahoo! JAPAN・PayPayマイレージ」を取り上げ、トリプルウィンで決済・EC取扱高の拡大と広告収入の増加を図るとしました。また、地域活性化への貢献と決済取扱高の増加を目的とした「さとふる」での「PayPay商品券」の提供開始を挙げ、480の自治体で導入が予定されていることを示しました。
決済代行サービスを展開するSBペイメントサービス株式会社は、第3四半期累計期間の決済取扱高(GMV)は4.8兆円と前年同期比26%増。グループ外の決済を含む非通信の領域がけん引し、同領域は前年同期比で40%増加しました。
「PayPay」アプリと連携した資産運⽤サービスを提供する「PayPay証券」は、PayPayポイント運用サービスの累計運用者数が業界最速で800万人を突破し、急成長していると述べました。
Zホールディングス体制変更による経営の意思決定と統合シナジー創出の迅速化
ヤフー・LINE事業の売上高は前年同期比4%の増収。成長に向けた採用強化に伴う費用および販促費の増加などの影響により、営業利益は同17%の減益。
2023年2月2日にZホールディングス株式会社、LINE株式会社、ヤフー株式会社は、合併方針と新経営体制を発表。狙いについて宮川は「経営の意思決定と統合シナジー創出をスピードアップしていくこと。合併は統合シナジーの最大化を象徴している」とグループシナジーのさらなる活性化に意欲を示しました。
2023年3月期 第3四半期 決算説明会
(掲載日:2023年2月2日、最終更新日:2023年2月6日)
文:ソフトバンクニュース編集部