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DXで実現する「誰も取り残さない防災」。会津若松市・東京竹芝エリアで進む災害への備え

DXで実現する「誰も取り残さない防災」 会津若松市・東京竹芝エリアで進む災害への備え

日常のあらゆる場面でデジタルが活用される中、スマホアプリでもさまざまな防災情報が確認できるようになりました。

ソフトバンクは、デジタルを活用した街の防災力の強化「防災DX」を推進しています。福島県会津若松市においては2023年3月から位置情報を活用したデジタル防災サービスを提供、また、東京都港区竹芝エリアにおいて、リアルタイムデータを活用した防災サービスの導入などを進めています。2つの取り組みについて、8月17日に実施された防災DXに関する勉強会の模様をご紹介します。

防災と福祉の協働で超高齢化社会の災害に備える

冒頭、ソフトバンク株式会社 デジタルトランスフォーメーション本部 会津若松デジタルトランスフォーメーションセンター センター長の馬越孝(うまこし・たかし)は、会津若松市では子どもが通う学校の行事・授業などの動画がオープンにされているため、孫の様子を高齢者が閲覧できることなどに触れ、「高齢者も含め身近な情報を得るところから、どんどんデジタルに触れてもらうことで、どう活用していけばいいのかを考えるきっかけになる。地域のデジタル活用の柱として、全国に浸透させるため、標準化・共通化を図っていきたい」と、会津若松市のスマートシティ化への取り組みを紹介しました。

「人口の約30%が高齢者という超高齢化社会の会津若松市では、被災したときに高齢者の誰と誰がそれぞれペアを組むのか、家同士が離れている山間部などでどう避難するのかが課題」であるとし、「防災と福祉の協働」をキーワードに推進している防災DXの取り組みを紹介。

防災と福祉の協働で超高齢化社会の災害に備える

「災害時は、要支援者をどのようにケアがするのかが問われるうえ、地元住民や通勤・通学で会津若松市に来ている人、観光客なども含めた対策が必要。例えば、住民は知人宅や避難所、観光客はスーパーマーケット、ホテルや旅館に避難するなど、平時からしっかり計画しておくことが大切」とした上で、会津若松市で実際に活用されている防災アプリ「デジタル防災」を紹介しました。

災害時の避難行動の確認や、自分がいる場所は安全なのか、自宅から離れているときの避難所はどこか、災害時にケアが必要な家族はどこにいるのかなどが分かるアプリ。会津若松市の市民はもちろん、登録すれば市民以外でも無料で利用可能。市では積極的な利用を呼びかけ、2023年8月現在、約2万ユーザーにダウンロードされている。

災害時の避難行動の確認や、自分がいる場所は安全なのか、自宅から離れているときの避難所はどこか、災害時にケアが必要な家族はどこにいるのかなどが分かるアプリ。会津若松市の市民はもちろん、登録すれば市民以外でも無料で利用可能。市では積極的な利用を呼びかけ、2023年8月現在、約2万ユーザーにダウンロードされています。

防災と福祉の協働で超高齢化社会の災害に備える

「町内会、自治体、市民が連携することで、避難行動要支援者の避難状況も確認できるような仕組みもあります。コロナ禍を経て、避難する際に医療従事者が避難先にいるのか、連絡は取れるのか、といった声が聞かれるようになった。防災だけでなく、ヘルスケアと絡めた取り組みが重要で、そのためにまだデジタル化できていない部分にどうデジタルを取り入れていくのか、町内会の会合などで一つ一つ丁寧に確認しています」と、デジタルインフラのさらなる活用に向けた地域との連携強化の重要性を説明しました。

実際の訓練で避難時の手順を確認

8月27日、会津若松市で市民が参加した防災訓練が実施され、実際に防災アプリを使い、避難時のルートや避難手順などを確認しました。

防災アプリ訓練

防災アプリ訓練

街の情報を1つに統合。災害時、全ての人に正しい行動を

2021年9月に竹芝へ本社が移転して以来、東急不動産と共に、竹芝のスマートシティ化に取り組んできたソフトバンク。竹芝本社ビル内には1,400を超えるIoTセンサー、街には防犯カメラやAIカメラ付きのサイネージを設置して、竹芝エリア内の人流情報や年代・性別情報を取得しています。

ソフトバンク株式会社  デジタルトランスフォーメーション本部 スマートシティ事業推進1部 部長の関治(せき・おさむ)は、街づくりにおけるソフトバンクの役割について「従来行ってきたゼネコンやサブコン向けにソリューションを提供するベンダーとしての役割に加えて、国やデベロッパーに対しては街づくりに伴う課題解決のイノベーションパートナーとして、上流の工程から参画することで社会課題の貢献を進めたいと考えている」と説明。

街の情報を1つに統合。災害時、全ての人に正しい行動を

さまざまな街づくりで「データの利活用」を最重要視しているとし、災害発生には「サイロ化されたデータではなく、街の管理者が街中のあらゆるデータを一元管理してリアルタイムに検知・把握することで、住民や街に訪れた人に適切な行動を取ってもらうためにリアルタイムに配信できる仕組みが必要」と、竹芝エリア向けに開発した防災サービスを紹介しました。

街の情報を1つに統合。災害時、全ての人に正しい行動を

災害時にSNSに投稿された画像をAIで解析し、取捨選択した情報だけを選択して表示したり、避難所や一時滞在施設の開設状況を確認できるLINEを活用した住民向けの配信サービスや、災害情報が一元管理できたり、住民から寄せられる災害状況をまとめて発信できる街の管理者向けのサービスをデモンストレーションを交えて説明。

利用者向けのLINE通知画面/管理者向けの情報発信画面

左:利用者向けのLINE通知画面 右:管理者向けの情報管理画面

「より細やかな防災対策を進めていくために自治体に加えて街を広域でマネジメントしているエリアマネジメントのような組織とも連携して、よりエリアに特化した情報を人々に伝達することが効果的である」とした関。竹芝の事例を通じて得た気づきを基に、「ソフトバンクは他の都市でも防災DXの取り組みを展開していく」と今後の展望を述べました。

(掲載日:2023年8月29日)
文:ソフトバンクニュース編集部