SNSボタン
記事分割(js記載用)

離れた場所のミュージシャンをつなぐリモート合奏。ヤマハと取り組む未来の演奏の形

リモートでオンライン合奏が楽しめる未来へ。ヤマハと取り組む楽器演奏の新しい形

生活のあらゆる場面でオンラインでできることが広がっています。ヤマハ株式会社(以下「ヤマハ」)とソフトバンク株式会社(以下「ソフトバンク」)が取り組むリモート合奏の取り組みが、10月に静岡県浜松市で開催された「ハママツ・ジャズ・ウィーク」で披露されました。

離れていても、全ミュージシャンがまるで一緒にいるような滑らかなリモート合奏

リモート合奏の披露の場は、今年で32回目を迎えた「ハママツ・ジャズ・ウィーク」のストリートジャズフェスティバル。浜松市やヤマハなどが主催するこのイベントは、「まち中に音楽があり、音楽がまちをつくり出す」ことを目指し、世代を問わず楽しめる「ジャズ」をテーマに官民一体となって企画運営するユニークな地域文化イベントとして、親しまれています。

離れていても、全ミュージシャンがまるで一緒にいるような滑らかなリモート合奏

イベント当日は、プロのミュージシャンが2名ずつ、浜松市内の2つ拠点(新川モール、ヤマハ浜松店)で楽器を演奏し、ヤマハが提供するリモート合奏を楽しめるサービス「SYNCROOM(シンクルーム)」を使ってセッションが行われました。

ヤマハ浜松町でドラムとギターを演奏

ヤマハ浜松店でドラムとギターを演奏

新川モールでサックスとピアノを演奏

新川モールでサックスとピアノを演奏

セッションでは、離れた場所の演奏をつなぐために、ソフトバンクの「SRv6 MUP(Segment Routing IPv6 Mobile User Plane)」という低遅延化技術を適用した5Gモバイルネットワークと光回線が活用されました。

離れていても、全ミュージシャンがまるで一緒にいるような滑らかなリモート合奏

通常、スマホ同士が通信するときには、近くにスマホがあっても、いったん遠くにあるモバイル通信用の交換機などの設備を介して接続が行われるため、離れた場所同士の演奏を合わせてみると演奏が困難なズレが生じることがよく起こります。この遅延を低減するため、SRv6 MUPという5Gの低遅延化技術と光回線を使うことで、遠くにある交換機などの設備を通さず、直接かつ最短距離で、演奏者のスマホ間で通信できるようになり、演奏を合わせたときのズレを格段に抑えることができます。

セッションの前に、「SRv6 MUPと光回線をつないだ演奏」と「通常のモバイルネットワークでつないだ演奏」を比較演奏してみることに…。

SRv6 MUPと光回線をつないだ場合は、同じステージにミュージシャン全員がいるかのようにリズムが合うのに対し、通常のモバイルネットワークの場合には、かなりズレが発生していることがわかります。うなずきながら、リモート合奏の難しさに納得した表情を見せる観客も…。

比較演奏の後、初めてのリモート合奏のステージに臨んだミュージシャンからは、「これからの新しい音楽のスタイルです。さぁ、一緒に音楽を楽しみましょう!」とメッセージが送られ、このステージでは、全部で3曲を披露。観客からは「まるで1カ所にバンドメンバーが全員いるかのように聴こえた」などの声も聞かれました。

SRv6 MUPとは

IPv6はインターネット上で使うアドレスの規格で、従来のIPv4のアドレス(約43億個)に比べ、より多くのデバイスが接続できるよう十分なアドレス数が確保されています。SRv6は、このIPv6のネットワーク上でデータを効率よく届けるための技術です。

SRv6をモバイル通信に応用した技術「SRv6 MUP」を使うことで、高速なモバイル通信で同時にたくさんのサービスを効率的に利用することができます。「SR」は、セグメントルーティングの略で、ネットワーク上でデータをパケットに包んで効率的に届けるために最適なルートやパケット転送方法を選択する経路制御技術です。

遠くにいる人とリモート合奏が楽しめるSYNCROOM

ヤマハが提供する、遠隔地にいる相手とオンラインで低遅延かつ高音質のリモート合奏を楽しめるサービス「SYNCROOM」。インターネット回線を介して、複数のユーザー同士(無償ユーザーの場合、最大6拠点)でリモート合奏ができるサービスです。ヤマハ独自の技術でオーディオデータの双方向送受信の遅れを極小化したことで、遠隔地間でもほとんど違和感のない、快適なオンラインセッションを楽しむことができます。

SYNCROOMについて
詳しくみる

ソフトバンクはヤマハと共同して、SYNCROOMによるリモート合奏時に、より安定した低遅延な双方向通信を実現するため、SRv6 MUPの技術と5Gのネットワークを活用した実証実験に取り組んでいます。

ソフトバンクとヤマハ、SRv6 MUPを適用した5Gの商用ネットワークでリモート合奏の実証実験を開始(2023年8月7日 ソフトバンク株式会社 プレスリリース)

(掲載日:2024年11月18日)
文:ソフトバンクニュース編集部