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水族館の空間を味方に! 生きものの魅力が倍増するスマホ撮影テクニック 〜応用編〜

水族館の空間を味方に! 生きものの魅力が倍増するスマホ撮影テクニック 〜応用編〜

水族館での撮影方法を解説する本企画。基本編では、水族館写真家の銀鏡つかささんに、「暗い」「ブレる」「水槽の写り込み」といった、水族館ならではの課題を解決する撮影テクニックを教えていただきました。今回は応用編として、構図や生きものの質感にこだわった撮影方法や、水族館での人物撮影のコツなどワンランク上の撮影術を、池袋のサンシャイン水族館で、銀鏡さんに Google Pixel を使って教えてもらいます!

銀鏡 つかさ(しろみ・つかさ)さん

教えてくれた人

水族館写真家

銀鏡 つかさ(しろみ・つかさ)さん

1994年東京生まれ。大学時代に水族館に魅了され、全国の水族館を巡り始める。その様子を記録するためにカメラを購入するも、徐々に写真撮影の魅力にも取りつかれ、2020年から本格的に水族館での撮影を開始。X (旧Twitter)で写真を軸に水族館の情報を精力的に発信中。著書に『日本の美しい水族館』(エクスナレッジ)がある。

生きものや水族館の魅力をさらに引き出す! ワンランク上の撮影テクニック5選

水族館での撮影に慣れてきたら、次に意識したいのが生きものたちの動きや構図。ちょっとしたポイントを押さえるだけで、より生きものや水族館の魅力を引き出した写真が撮れるようになりますよ。さらに、水族館での人物撮影のテクニックもあわせて解説していただきました。ぜひ参考にしてみてください。

テクニック①水槽のアクリル面に沿って泳ぐ姿を狙うと「質感」アップ!

テクニック①水槽のアクリル面に沿って泳ぐ姿を狙うと「質感」アップ!

円柱形の水槽や、トンネルのような形をしたオーバーハング水槽は、アクリル面が湾曲しているため、奥にいる生きものをズームで捉えようとするとゆがみやすくなります。ゆがみを抑えて、ウロコや毛並みの質感をしっかり写すコツは、生きものがアクリル面の近くに来た時に撮影すること。また、超広角レンズなら生きものが多少奥にいてもゆがみの影響はそこまで出ません。

水槽に寄ってきたところを撮影することで、ペンギンの羽毛の流れまでくっきり捉えることに成功!(銀鏡さん撮影)

水槽に寄ってきたところを撮影することで、ペンギンの羽毛の流れまでくっきり捉えることに成功!(銀鏡さん撮影)

また、撮りたい生きものが近くに来るまでじっと待つのも大事なポイント。水槽を叩いたり、大げさに手を振ったりして注意を引くのはNGです。

じっくり待っていたらバイカルアザラシが目線をくれました(銀鏡さん撮影)

じっくり待っていたらバイカルアザラシが目線をくれました(銀鏡さん撮影)

テクニック②スピード感を出したいなら「アクションパン機能」を活用

イワシなど群れで一定方向に泳いでいることが多い魚の場合は、動いている被写体の背景をぼかせる「アクションパン機能」を使えば、より疾走感のある1枚に。流し撮りのような効果が出て、水中を猛スピードで泳いでいる様子が伝わってきます!

「アクションパン」モードにし、イワシの群れの動きに合わせてスマホを動かしながら撮影すると…

「アクションパン」モードにし、イワシの群れの動きに合わせてスマホを動かしながら撮影すると…

「アクションパン」モードにし、イワシの群れの動きに合わせてスマホを動かしながら撮影すると…

ドキュメンタリー番組で見るような迫力のある1枚に!(銀鏡さん撮影)

ドキュメンタリー番組で見るような迫力のある1枚に! (銀鏡さん撮影)

テクニック③空間も一緒に撮影することで「水族館らしさ」をあえて強調

テクニック③空間も一緒に撮影することで「水族館らしさ」をあえて強調

趣向を凝らした展示方法も水族館の魅力の1つ。被写体や構図に迷ったら、水槽全体をまわりの空間ごと撮影するのもおススメです。周囲の人工物などもあえて写り込ませることで、水族館の特徴や、展示全体の世界観を表現できます。ポイントは、ズーム倍率を0.6倍に設定すること。超広角レンズによって、ダイナミックな構図が生まれやすくなります。ただし、超広角にするとオートフォーカスの精度が落ちるため、ピントの調整にやや時間がかかることも。

テクニック③空間も一緒に撮影することで「水族館らしさ」をあえて強調

サンシャイン水族館の目玉である「天空のペンギン」と「海月空感」ゾーン。超広角レンズで全体を撮影することで、各展示の特徴や臨場感が伝わってくる(銀鏡さん撮影)

サンシャイン水族館の目玉である「天空のペンギン」と「海月空感」ゾーン。超広角レンズで全体を撮影することで、各展示の特徴や臨場感が伝わってくる(銀鏡さん撮影)

また、せっかく水族館に来たら、水槽の前で魚たちと一緒に写真を撮りたくなりますよね。そこで、水族館での人物撮影のテクニックも2つご紹介しましょう。

テクニック④人物撮影は、明るい水槽を照明がわりに

テクニック④人物撮影は、明るい水槽を照明がわりに

水族館で魚と一緒に人物を撮影したいときは、明るい水槽を選び、水槽にできるだけ顔を近づけるのがポイント。表情がはっきり写るだけでなく、映画のワンシーンのようなドラマチックな写真に仕上がります。

明るい水槽に顔を近づけて撮影することで、人物の表情と生きものの両方を1枚に収めることができる(銀鏡さん撮影)

明るい水槽に顔を近づけて撮影することで、人物の表情と生きものの両方を1枚におさめることができる(銀鏡さん撮影)

テクニック⑤「シルエット撮影」で、幻想的なムードを演出

テクニック⑤「シルエット撮影」で、幻想的なムードを演出

水族館の暗さを逆手に取って、あえて表情は写さずに、シルエットを生かした写真を撮るのもすてきです。引きで撮影することで、水族館の幻想的な空間を1枚におさめることができますよ。

クラゲの水槽前でシルエット撮影。まるで影絵やプラネタリウムを思わせる幻想的な写真に(銀鏡さん撮影)

クラゲの水槽前でシルエット撮影。まるで影絵やプラネタリウムを思わせる幻想的な写真に(銀鏡さん撮影)

なお、撮影をしていると、ついこだわって時間を忘れてしまいがち。他の来場者への配慮を忘れず、水槽の前を独占しないように注意しましょう。

水族館撮影をもっと快適&スムーズに! 簡単に試せるプロのコツ

さらにここからは、知っておくと水族館での撮影がさらにスムーズで快適になるプロならではのコツをご紹介します。

コツ①「全身黒」の服装で写り込みを減らす

水族館撮影の服装は「全身黒」がベストです。難しい場合はなるべく暗めの色合いを選びましょう。白っぽい服装で行くと、水槽の光を反射して、写り込みが強くなります。できれば、スマホケースも黒いものを選びましょう。柔らかいシリコン素材なら、うっかり水槽に触れてしまったときも安心です。

また、黒い手袋も用意しておくとさらに効果的です。水槽に接近しても手の写り込みが気になりません。

(写真左)素手で撮影した場合と、(写真右)黒い手袋を装着して撮影した場合。水槽の写り込みが明らかに異なる

(写真上)素手で撮影した場合と、

(写真左)素手で撮影した場合と、(写真右)黒い手袋を装着して撮影した場合。水槽の写り込みが明らかに異なる

(写真下)黒い手袋を装着して撮影した場合。水槽の写り込みが明らかに異なる

(写真左)素手で撮影した場合と、(写真右)黒い手袋を装着して撮影した場合。水槽の写り込みが明らかに異なる

コツ②エサやりのタイミングを狙う

大水槽でのエサやりの様子(銀鏡さん撮影)

大水槽でのエサやりの様子(銀鏡さん撮影)

生きものたちの動きが最も活発になるのがフィーディングタイム(ごはんの時間)。普段あまり動かない生きものや、隅に隠れている生きもののアクティブなシーンを撮影したい場合はおススメです。ただし、フィーディングタイムの後はしばらく水がにごってしまうのでその点は注意です。

コツ③撮影する季節を選ぶ

北海道にある淡水魚の水族館「北の大地の水族館」で銀鏡さんが撮影した一枚。水槽に差し込む光が美しい

北海道にある淡水魚の水族館「北の大地の水族館」で銀鏡さんが撮影した1枚。水槽に差し込む光が美しい

外から光を取り入れている水槽は、季節によって異なる表情を見せてくれます。夏は光量が多いため、水槽内に光が差し込む時間も多く撮影がしやすいです。ただし、水温が上昇するため水がにごりがちです。冬は水が澄んでいるため、1つ1つの生きものがよりくっきり写ります。光の差し込む角度や差し込む時間に制約は生まれますが、幻想的な写真を撮りたいなら、冬の晴れた日も狙い目です。

コツ④人の流れを読んで、スケジュールを組む

人の流れを読んでスケジュールを組むことも、水族館撮影を成功させるポイントです。例えば、平日の閉館間際に訪れ、入館を締め切ったタイミングでスタート地点に戻る。そうすると、自分が最後尾になるため撮影しやすくなります。同じように、開館直後に訪れ、一気に順路の後半まで進めば、他の人が来るまで水槽を1人でじっくり楽しむことができますよ。

最後に、銀鏡さんに水族館撮影の魅力について伺いました。

ウロコを持たずとてもデリケートで飼育が難しい魚「タチウオ」は、銀鏡さんお気に入りの1種。こんなふうに自分の “推し” の生きものを見つけるのも水族館の楽しみ(銀鏡さん撮影)

ウロコを持たずとてもデリケートで飼育が難しい魚「タチウオ」は、銀鏡さんお気に入りの1種。こんなふうに自分の “推し” の生きものを見つけるのも水族館の楽しみ(銀鏡さん撮影)

銀鏡さん 「水族館の一番の魅力は、私たちと住む世界が異なる生きものたちに、気軽に会いに行けること。ウロコや羽毛、吸盤など、その生きもの特有の質感までカメラでくっきり捉えられるのは、水族館ならではの楽しみです。日本は、全国にさまざまな個性を持つ水族館があり、飼育技術のレベルも高いことから、『水族館大国』とも呼ばれています。ぜひ、さまざまな水族館を訪れて、生きものたちの個性的で魅力あふれる造形や、豊かな表情を撮影してみてください」

基本編では、「暗い」「ブレる」といった水族館撮影でよくあるお悩みを解決するテクニックを紹介しています

動物園での撮影テクニックについては、こちらの記事で詳しく解説しています。

(掲載日:2024年12月17日)
写真:山崎悠次
文:佐藤由衣
編集:エクスライト

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