AIを活用して店舗の来客数を予測する「サキミル」を活用した取り組みが、公益財団法人食品等流通合理化促進機構による、第12回「食品産業もったいない大賞」において、最高である農林水産大臣賞を受賞。2025年1月31日に表彰式が開催されました。
食品産業もったいない大賞

食品産業の持続可能な発展を目的とした表彰制度で、公益財団法人食品等流通合理化促進機構が主催しています。省エネルギー・CO2削減、廃棄物削減・再利用、教育・普及など環境対策に顕著な実績を挙げた企業や団体、個人を表彰し、その取り組みを広く周知する ことで、食品ロス削減や地球温暖化防止を推進しています。
AIによる需要予測データをフードチェーン全体で連携し、食品ロス削減を実現したことが評価
今回の「食品産業もったいない大賞」での農林水産大臣賞受賞は、株式会社バローホールディングス(以下「バローホールディングス」)、中部フーズ株式会社(以下「中部フーズ」)、一般財団法人日本気象協会(以下「日本気象協会」)、ソフトバンク株式会社(以下「ソフトバンク」)の4者連名での受賞となりました。
人手不足や短い消費期限による在庫管理の難しさ、経験に頼った属人的な発注などが課題となる中、業務の効率化および食品廃棄の削減を目的に、バローホールディングス傘下でスーパーマーケットの惣菜部門の運営を担う中部フーズは、2024年6月に、ソフトバンクが提供するAI需要予測サービス「サキミル」の運用を本格的に開始しました。
各社は以下の役割で取り組みを推進しています。
- バローホールディングス:スーパーのPOSデータおよびフィールドの提供
- 中部フーズ:フィールドの提供、AI自動発注の導入主体
- 日本気象協会:「サキミル」の来店客数予測を活用した自動発注のAI予測モデルの構築
- ソフトバンク:「サキミル」の提供
AI需要予測サービス「サキミル」

店舗ごとの客数・販売数などのデータやソフトバンクが保有する、基地局から取得している位置情報をもとにした人流統計データおよびパートナーの日本気象協会が保有する気象データを活用した、AI需要予測サービスです。
この取り組みでは、「サキミル」を活用したAI需要予測・自動発注システムを構築し、2024年1~5月にスーパーマーケットバロー31店舗で検証を実施。その結果、食品廃棄ロス18%削減、欠品19%削減、発注作業時間27%削減、売上2.3%増、利益4.9%増を達成しました。
こうした結果を受け、中部フーズは、「AI需要予測・自動発注」の導入店舗を拡大し、2024年11月に、スーパーマーケットバローのうち中部フーズが惣菜部門の運営を担う全店舗(242店舗)で「AI需要予測・自動発注」の運用を開始しました。売上・利益の向上に加え、業務の効率化を推進することでスタッフの業務負荷を軽減し、人手不足の解決を目指しています。さらに、AI予測モデルの精度を継続的に見直すことで、発注数量の正確性を高め、利益の最大化も図っていくとしています。
受賞にあたり、ソフトバンク株式会社 法人統括 デジタルトランスフォーメーション本部 執行役員本部長の河西慎太郎は、「この度は栄誉ある賞を受賞できましたことを大変光栄に思います。 ソフトバンクは、AIをはじめとする最新テクノロジーやビッグデータ活用によるDXを通じて、食品ロスの削減や人手不足の解消など、業界の課題解決に向けた取り組みを、今後さらに推進していきます」とコメントしました。
第12回「食品産業もったいない大賞」において最高位の農林水産大臣賞を受賞 ~AIとビッグデータ(人流・気象データ)の活用によるフードチェーン全体での食品ロス削減の取り組みが評価~ (2025年1月31日 ソフトバンク株式会社)
(掲載日:2025年2月7日)
文:ソフトバンクニュース編集部