
夏の風物詩といえば、やっぱり花火大会。空いっぱいに広がる大輪の花火を、スマートフォンで撮影してSNSに投稿したり、離れた家族や友人にリアルタイムで共有したりと、楽しみ方も広がっています。会場では写真撮影や動画投稿に加えて、待ち合わせや情報検索など、スマートフォンを活用する場面が多く見られます。ソフトバンクでは、今年の夏も全国の主要な花火大会で、快適な通信環境を提供するためのネットワーク対策に取り組んでいます。
目次
なぜイベント会場では通信がつながりにくくなるのか?
花火大会のように多くの人が集まる場では、利用が一時的に集中し、ネットワークの処理能力を上回るケースもあります。こうした混雑は、電波そのものが届かなくなるというよりも、通信が一カ所に集中し、処理が追いつかなくなる渋滞のような状態が起きることが原因です。
特に影響が出やすいのは、イベントの開始前後や、盛り上がりのピークを迎える時間帯です。来場者がスマートフォンでSNSに写真や動画を投稿したり、ライブ配信を行ったりするなど、アップロードを伴う通信が多く発生します。さらに、メッセージアプリでの連絡や、SNS・動画コンテンツの閲覧といったダウンロード中心の通信も同時に行われることで、ネットワーク全体の負荷がさらに高まります。

対策方法はさまざま。ソフトバンクの花火大会ネットワーク対策
ソフトバンクでは、花火大会のように一時的に通信の利用が集中する場面でも、スマートフォンを快適に使えるよう、現地の状況やイベントの規模や場所に応じてネットワーク対策を行っています。
話を聞いた人

大野 寛
(おおの・ひろし)

上村 謙介
(うえむら・けんすけ)

根本 祐輔
(ねもと・ゆうすけ)
一時的な通信混雑には、移動基地局車が出動
通信が一時的に集中しやすい花火大会などのイベントに対して、ソフトバンクでは可搬型の設備を活用し、快適な通信環境を提供するための体制を整えています。特に大規模なイベントでは、通信が集中する時間帯に合わせて、アンテナが伸びた白い車両「移動基地局車」が出動します。この車両は、仮設の基地局として現地に通信エリアを形成し、混雑時の通信を支えています。また、移動無線基地局は5Gサービスに対応している車両もあり現在の通信トラフィックに耐えられるよう工夫を凝らしています。

ただし、移動基地局車を設置するには、いくつもの条件をクリアする必要があります。花火の視界を遮らない場所であること、電波がしっかり届くこと、光ファイバーなどの伝送路が確保できることなど、さまざまな要件を考慮した上で、最適なロケーションを見つけ出すことが求められます。そのためソフトバンクでは、毎年花火大会の開催時期に向けて、会場周辺をくまなく調査し、適切な設置場所を選定し、関係者と連携しながら事前の準備を進めています。
移動基地局車の設置に向けた準備は、どのように進めているのでしょうか?
大野 「原則として、当年度に出動したイベントを踏襲し、翌年の開催に向けて半年前から準備を始めています。移動基地局車を設置するには十分なスペースが必要なので、現地の確認は欠かせません」
現場で印象に残っている出来事はありますか?
上村 「移動基地局車に接続していた光ケーブルを動物にかみちぎられたことですね(笑)通信が不安定になってしまったので、現地で調査した結果、ケーブルが一部断線しているのが分かったんです。急遽予備の回線に切り替えて対応しました」


開催頻度が高いイベント会場などでは恒久的な対策も
毎年大規模なイベントが行われる会場や、日常的に通信利用が多いエリアでは、その都度の一時的な対応だけでなく、恒久的なネットワーク整備が求められます。
どのような場合に恒久対策を検討するのですか?
根本 「一つの目安として、毎年同じ時期に何度も開催されるイベントや、2万人以上の来場が見込まれるような大規模イベントでは、恒久的な対策を検討します。これはあくまで原則ですが、状況に応じて柔軟に判断しています。実際に、現在も恒久対策を予定している会場があり、計画を進めているところです。また、以前開催されたある音楽フェスでは、主催者が来場者に対してキャリアごとの通信状況に関するアンケートを行ったところ、ソフトバンクが最も評価が高かったという結果もありました」
ソフトバンクでは、こうしたイベント会場に対して基地局の設置や設備の増強といった抜本的なエリア改善を行い、イベント時だけでなく日常でも安定した通信環境の提供につなげています。その結果、移動基地局車の出動回数は年々減少傾向にあります。
当日も見えないところで支えるソフトバンクの技術者たち
事前の準備に加えて、当日も通信環境を安定させるための運用体制が整えられています。現地に配置されたスタッフが通信設備の稼働状況を確認し、必要に応じて設定の調整などの対応を行っている他、遠隔の拠点でもトラフィックの状況をモニタリングしながら、通信の安定維持を図っています。

現地と遠隔の運用体制について教えてください。
大野 「現地には協力会社が常駐し、遠隔でもチャットで情報共有をしながら、通信速度や設備の稼働状況をリアルタイムで確認しています。突発的な故障が起きたときにも備えた体制です」
花火大会のように多くの人が集まるイベントでも、日常と変わらない使い心地でスマートフォンをご利用いただけるよう、ソフトバンクはネットワーク環境の整備を進めています。混雑の予測や技術的な対策を重ねながら、今後もさまざまな場所で安定した通信サービスの提供を目指して取り組んでいきます。

ソフトバンクの全国各地のイベントでもつながりやすさ強化についてご紹介いたします。ソフトバンクは、全国で開催されるイベントにおいてエリア対策を強化しています。
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(掲載日:2025年7月28日)
文:ソフトバンクニュース編集部






