
野球、サッカー、バスケットボール、ダンス、水泳―― さまざまなスポーツのフォームチェックや上達のヒントを動画で学べるアプリ「AIスマートコーチ」。その中のゴルフの動画コンテンツに、2025年にソフトバンクとスポンサー契約を結んだプロゴルファーの山下勝将(やました・まさゆき)プロと吉田鈴(よしだ・りん)プロの動画が新たに加わりました。両選手の撮影現場を取材してきました。
目次
プロのスイングとの違いはどこ? スマホで視覚的な分析ができる「AIスマートコーチ」
AIスマートコーチは、「動画で学ぶ、比較する、振り返る」を通して、スポーツのスキル向上をサポートするアプリです。ゴルフ以外にも、野球、サッカー、バスケットボール、ダンス、水泳、ソーラン節…、さまざまな種目の動画コンテンツが充実しています。


体育・部活の指導に使える解説・お手本動画を1,500本以上配信!(2024年11月30日現在)
このアプリの最大の特長は、スマホで撮影した自分の動画と、プロのお手本動画を並べて比較できる点。自分のスイングを客観的に見るのは意外と難しいですが、このアプリではフォームを並べて比較できるので、「構えのここが違う」「トップで肩の開きが早い」など具体的な違いに気づきやすくなります。AIによる骨格解析機能では、映像だけでは見えにくい骨格の動きを確認することも。腕や脚の動きが線で表示され、細かいポイントをチェックできるほか、マッチ度診断で理想のフォームとの差を比較できるため、効率的なスキルアップが期待できます。

これまでも2024年からソフトバンクとスポンサー契約を結んでいる星野陸也プロ、吉田優利プロの動画コンテンツが公開されていましたが、今回新たに山下勝将プロと吉田鈴プロの動画も追加されました。ドライバーからアイアン、アプローチまで、各クラブのスイングのコツや練習方法、シチュエーション別の打ち方など、アマチュアゴルファーが参考にできるヒントがたくさん紹介されています。
山下勝将プロの小柄な体躯から繰り出される爆発的な飛距離の秘訣は…?
山下プロの撮影が行われたのは、兵庫県内にある自然豊かなゴルフ場。木々に囲まれたフェアウェイや戦略的なバンカーが印象的なこのコースで、屋外ならではの開放感の中、さまざまなシチュエーションでのショットが収録されました。屋外での撮影ということでいちばんの不安要素だった天気にも恵まれ(ちょっと風が強かったですが…)、無事撮影がスタートしました。
撮影前はどこか緊張した様子の山下プロ。その初々しさもまた、今年ルーキーとしてデビューしたばかりという彼らしさかもしれません。この日は、ドライバーやアイアンの基本ショットに加えて、クロスバンカーや深いラフ、バンカー越えのアプローチ、さらにはパターまで、コースでのさまざまな場面を想定して、打ち方のポイントを丁寧に解説してくれました。

まずはドライバーの撮影から。山下プロはプロゴルファーとしては小柄な体格ですが、平均以上の飛距離を持ち味としています。山下選手がドライバーショットで注意しているポイントは、①アドレスはハンドファーストに、②トップに行く際はクロスしないようインサイドに上げる、③体が起き上がらないように下に振るイメージ、の3つだそうです。
山下プロ 「実際に打ってみます」
ゆったりとしたスイングから放たれた打球は、強い風を切り裂いて一直線に飛び、フェアウェイをキープ。その打球の迫力に、撮影スタッフからも思わず拍手が。多くの男性ゴルファーにとって、ビッグドライブは永遠の憧れ。どうやったらそんなに飛ぶのか、質問してみました。
「ミート率が大事です。力んだり、“飛ばしたい”って気持ちが強くなると逆にミート率が落ちて、飛距離も出ません。7~8割くらいのスイングで振ることで、ミート率が上がって、結果的に飛距離も伸びてくると思います」
そして山下プロは飛距離だけでなく正確で安定したショットも強みの一つ。グリーンを狙うセカンドショットのコツ、アマチュアゴルファーもぜひ知りたいポイントですよね。山下プロが言うには、アイアンショットのコツは、ミート率とリズム感なんだそうです。
「アイアンでグリーンを狙う場面では、“絶対にグリーンに乗せたい”って意識が強くなりすぎると、打ち急いだり、力んだりしてミスになることが多いです。リズムを大事にしていただきたいです。素振りではリズミカルに振れているのに、いざ実際に打つときになるとボールを打ちに行ってしまって、リズムが崩れてしまうのが原因です。自分の頭の中で一定のリズムを意識しておくと、スイングも安定してきます。例えば僕は、『アン、パン、マン!』というリズムを意識して振っていました」
そういえば昔のゴルフ漫画で、「チャー、シュー、メン!」って打つゴルファーがいましたね。(ちょっと懐かしい…?)
山下プロが放ったアイアンショットは、しっかりとグリーンをとらえてナイスオン!

「AIスマートコーチは、プロのスイングとの違いを骨格分析とかで細かく分析できるので、ぜひ違いを見つけてスイング改善につなげてほしいですね」
吉田鈴プロのアグレッシブなプレースタイルを支える精度の高いショット
吉田プロの撮影が行われたのは、千葉県内にあるゴルフ練習場。ドライビングレンジに加え、パターやアプローチの練習スペースも備えた充実した施設です。しかし、この日はあいにくの雨模様。屋外施設での撮影が困難であることから、ドライバーやユーティリティ、アイアンショットなど基本スイングを中心とした撮影となりました。

今年からツアールーキーとして参戦した吉田プロは、開幕から17試合で12度の予選通過、5月に行われたブリヂストンレディスオープンでは自己最高の9位タイに入賞するなどの活躍を見せています。シーズン序盤の闘いぶりをこのように振り返っています。
「予選通過もできていて、ルーキーイヤーとしては良い滑り出しだと思います。アマチュアのときより成長している実感もありますし、プロとして戦っていけている感じはありますね。ルーキーイヤーなので知らないコースも多い分、誰よりもアグレッシブさが必要だと思ってプレーしています」
このアグレッシブなプレースタイルを支えるのが、得意クラブだと語るユーティリティ。距離のある場面で使うこのクラブで、状況に応じて4種類の打ち方を使い分けているという点。ボールの位置やアドレスを変えることで、打ち出しや回転をコントロールしているそうです。
ドローボールの場合は、ややフェースを被せ気味にアドレスし、スタンスと胸の向きを目標に合わせる。アドレスを変えるだけで、自然にドロー回転を出すのがコツ。反対に曲がるフェードボールは、フェースを少しだけ右に向けて、頭の位置を真っすぐに構えるのが大事だそうで、いずれもアドレスが重要だと語ります。
ピンを攻めるショートアイアンでも、「基本通りのアドレス」が最も大切だと強調します。アマチュアゴルファーの悩みごとの1つ、絶対にグリーンに乗せたい距離、100ヤード以内のショット。この精度を高めるコツを聞いてみました。
「100ヤード以内のショットはよく練習しています。スイングの軸とボールへのコンタクトの仕方をいちばん気にしています。ちゃんと当たっている感覚がつかめると、距離感も操りやすくなりますし、スイングもシンプルになるので、この感覚は大事だと思います」
アプローチショットの撮影でも、吉田プロは「何もしないこと」がポイントだと説明。クラブの本来の動きを体が邪魔をしてあげないのが大事なんだそうです。

そこで、最近の筆者の悩みごとであるグリーン周りでのアプローチについて、ダフったりトップしたりするのは何が原因かを尋ねてみると、「近くに落とすアプローチは、基礎的な動きをするだけでいいんです。どれだけ自分が何もしないか。手の感覚はだらんだらんで、腹筋とか脚にはしっかり力を入れる。あとは感覚で打つということですね」。
ということは、わざわざ余計な動きをしちゃっていると…?「そういうことです(笑)」
AIスマートコーチで、姉・吉田優利プロとのスイング比較をしてみた
吉田鈴プロにAIスマートコーチの説明をしている中で、「吉田優利プロとのスイング比較ができるんですけど、やってみますか?」と聞いてみたところ、「じゃあ、お姉ちゃんの真似します!」と笑顔で即答した吉田鈴プロ。姉・吉田優利プロとのスイング比較に挑戦する一幕もありました。
AIスマートコーチの担当者によると、マッチ度診断で90%を超えたら相当似ているそうですが、さて、その結果は…?
「今回の撮影では、オーソドックスで基本的なスイングをするために、プロゴルファーが気にしている部分を説明しました。人によって気をつけている部分が違うと思います。あくまでも私の感覚でのチェックポイントになりますが、ひとつでも皆さんのスコアアップにつながるようなヒントになったらうれしいです」
山下勝将プロ、吉田鈴プロというフレッシュな2人の動画が加わり、AIスマートコーチのゴルフコンテンツがさらに充実しました。自分のスイングを振り返るきっかけとして、ぜひ活用してみてください。この若きプロゴルファーたちの応援もぜひお願いします!
(掲載日:2025年7月28日)
文:ソフトバンクニュース編集部
マネして学ぶ! トレーニングアプリ「AIスマートコーチ」
「動画で学ぶ、比較する、振り返る」を通してスポーツのスキル向上をサポートするアプリ。お手本動画と自分の動きを比較できる分析機能など、基礎からスポーツを学ぶことができます。ゴルフのほかに、野球、サッカー、バスケ、ダンス、水泳など、子どもたちの部活動などでも活用できるサービスです。









