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学生の挑戦が地域課題の解決へ。特殊詐欺や防災、AI人材育成など、産学連携プロジェクトの優れた6事例を表彰

特殊詐欺からAI人材育成まで幅広い課題に着目。学生たちが地域と挑む産学連携プロジェクトの優れた6事例を表彰

ソフトバンクと全国の大学などが連携し、社会課題の解決に取り組む「ソフトバンク社会貢献プログラム 産学連携プロジェクト」。このプロジェクトに参画する大学・団体の優れた活動を表彰する「産学連携プロジェクトAWARD 2025」が、2026年7月10日にソフトバンク本社で開催されました。当日は6団体が表彰され、各受賞団体によるプレゼンテーションが行われました。

生成AIとLINEを活用し、特殊詐欺を “自分ごと” に。香川大学が大賞と独自性部門を受賞

「ソフトバンク社会貢献プログラム 産学連携プロジェクト」は、ソフトバンクがこれまでに全国の大学と地域・社会課題解決に向けた取り組みで得た知見やノウハウを他の大学などに展開し、効率的に課題を解決するため2024年に発足、現在は88校が参画。大学が持つ専門性とソフトバンクのデジタルソリューションやAIを活用した活動や団体同士の連携などを進めています。

2回目となった今回は、全28案件が産学連携プロジェクトAWARDにエントリーされ、香川大学が大賞ならびに独自性部門を受賞しました。審査員からは、ツールを使った「だまされる体験」による行動変容型教育を実施した点や、LINEを活用することで汎用性があり全国展開可能な設計である点などが高く評価されました。

【大賞・独自性部門|香川大学】「だまされる体験」を再現~産官学が挑む特殊詐欺の行動変容モデル

【大賞・独自性部門|香川大学】「だまされる体験」を再現~産官学が挑む特殊詐欺の行動変容モデル

香川大学は、香川県警察と連携し、生成AIとLINEを活用して「ニセ警察詐欺」「SNS型投資詐欺」「SNS型ロマンス詐欺」を疑似体験できる体験型学習ツールの開発に取り組みました。

特殊詐欺の増加に伴い、高齢者だけでなく若年層にも被害が拡大し被害金額も高額化していることから、詐欺を自分ごと化することをねらったものです。

本取り組みでは、香川大学と香川県警察が開発した、ニセの逮捕状が送られるなど実際の犯行手口をリアルに再現した「ニセ警察詐欺仮想被害体験ツール」と、香川県警察監修のもと開発した「SNS型投資ロマンス詐欺仮想被害体験ツール」を利用し、香川県内のイベントで市民に仮想被害体験を実施。イベント後のアンケートでは、60%以上の市民が「自分も被害に遭うかもしれない」と回答したほか、90%以上が「具体的な対応行動が可能になった」「他者への注意を行いたい」と回答するなど、意識を変えるきっかけづくりに寄与しました。

受賞にあたり、香川大学 創造工学部の甲斐さんは、「ニセ警察詐欺仮想被害体験ツール」は、アンケート結果や利用者からの意見をもとにアップデートを進めており、現在進行形でプロジェクトが進化しているとした上で、「私たちの目標は、学生自身が主体となって開発や分析、さらに啓発活動を行うモデルを発展させ、詐欺被害のない社会を実現することです。知識を与えるだけの教育から体験を通じて行動を変える教育へと、産官学一体となり先端技術を駆使してこの社会課題に立ち向かってまいります」と、強い決意を表明しました。

地域ならではの課題から社会課題まで、各大学の個性が光る取り組みが受賞

表彰式では、「社会課題解決部門」、「スケール/規模感部門」、「独自性部門」、「創意工夫部門」、「次世代育成部門」の5部門に加え「審査員特別賞」が発表され、受賞した各大学・団体から取り組みについてのプレゼンテーションが行われました。

【社会課題解決部門|石巻専修大学】人流ビッグデータを活用した津波避難に関する新しい防災教育

【社会課題解決部門|石巻専修大学】人流ビッグデータを活用した津波避難に関する新しい防災教育

ソフトバンクのグループ企業Agoopと連携し、人流可視化分析ツール「コンプレノ®」を活用した小中学生向けの防災授業に取り組みました。

背景にあったのは、津波発生時の車での避難による渋滞発生と、渋滞のデータにもとづく防災理論や学習機会の不足。実際に行われた防災授業では、震災当時の避難状況や交通渋滞が起こっていた場所、津波の到達状況をデータを使って振り返りました。

写真などの記録だけでは分からない、自分たちが生活している場所と照らし合わせたリアリティある学びとなり、児童たちが主体的にディスカッションを行うまでに意識の変化が見られたとして、今後もアンケート調査を行うなど、継続的な活動に取り組んでいく予定です。

【スケール/規模感部門|武庫川女子大学】大学・高校・地域を接続する生成AI活用型産学連携モデルの展開 ー複数地域・複数校へ広がる次世代地域共創人材と社会実装の挑戦

【スケール/規模感部門|武庫川女子大学】大学・高校・地域を接続する生成AI活用型産学連携モデルの展開 ー複数地域・複数校へ広がる次世代地域共創人材と社会実装の挑戦

地域における高齢者の詐欺被害やデジタルデバイドなど4つの社会課題をテーマに、兵庫県警察をはじめPayPay株式会社、県内の一部高校とスマホ相談会やアンケートなどの企画・運営を行いました。

ソフトバンクによる生成AIについての講義を通じて、学生たちが着目したのは「高齢者の詐欺被害」、「デジタルデバイド」、「防災情報の活用不足」、「若者の社会参加機会不足」の4つの社会課題。

大学だけでなく自治体をはじめとした複数のパートナーと連携し、詐欺Bot体験会やスマホ相談会、PayPay活用支援などを実施しました。施策を通して、学生たちは「デジタルには市民が抱える『言語化できない不安や不満』を解決する糸口がある」と実感しており、今後も取り組みを継続・発展させていきたいとしています。

【創意工夫部門|秋田工業高等専門学校】土崎港曳山まつりを支えるリアルタイム位置情報マップ「ひきやまっぷ」の継続運用

【創意工夫部門|秋田工業高等専門学校】土崎港曳山まつりを支えるリアルタイム位置情報マップ「ひきやまっぷ」の継続運用

秋田県秋田市で毎年行われる「土崎港曳山まつり」で、期間中に運行される20台以上の曳山(ひきやま)と呼ばれる山車(だし)の現在地を可視化するツールの開発に取り組みました。

曳山は20台全てが異なるルートで運行されており、スケジュールの変動も多いことから正確な位置や状況把握が困難でした。

この取り組みでは、曳山にスマートフォンを設置し、30秒ごとにGPS位置情報を送信することでリアルタイムで曳山の位置を確認できる「ひきやまっぷ」というウェブサイトを提供。

2025年の曳山まつり当日には約15,000件のユニークアクセスを記録し、利用者へのアンケートでも90%以上が「役に立った」と回答があり、利用者のニーズに合致した取り組みとなっています。

【次世代育成部門|琉球大学】産学連携による生成AI実装人材育成スキームの開発:大学の伴走支援が生んだ建設DXの自走化モデル

【次世代育成部門|琉球大学】産学連携による生成AI実装人材育成スキームの開発:大学の伴走支援が生んだ建設DXの自走化モデル

沖縄県内の総合建設コンサルタント企業と連携し、業務の効率化やアプリ開発などを推進しました。

デジタル化やAI活用の遅れから、この企業では住民へのアンケート集計処理にかかる高額な費用や長い作業時間が課題となっており、GeminiやGASなどを活用した業務フローや集計プロセスの改善提案を実施。作業時間の短縮や費用削減につながったほか、社員のAI利用が促進され積極的にAIを活用するなど意識の変化も生まれました。大学による企業への伴走支援はすでに3社が継続を決めており、今後も取り組みを拡大していく予定です。

【審査員特別賞|長崎大学】長崎大学を舞台としたAI支援型VR防災コンテンツの開発と教育的実践

【審査員特別賞|長崎大学】長崎大学を舞台としたAI支援型VR防災コンテンツの開発と教育的実践

長崎大学のキャンパスをVR空間で再現し、AIエージェントと対話しながら避難判断を学ぶ防災学習コンテンツの開発に取り組みました。

キャンパスでの水害リスクを「自分ごと」として認識できていない学生が多く、防災学習も座学中心で効果が薄いことから、対話型学習を提案。よりリアルな体験を実現するため、大学キャンパスの3Dモデルを実装したメタバースによる学習環境基盤を独自に開発し、長崎大学の一部学生を対象に学習コンテンツを提供しました。

体験後のアンケートでは、100%の学生が「水害時の危険について考えた」と回答。さらに、90%以上が「AIで思考が深まった」とも回答しました。今後はVRの臨場感や没入感向上、AIエージェントの改善などに取り組んでいきます。

AI時代においても、課題解決の中心は人。さまざまな力を育む未来の学びの姿

各校の表彰を終え、審査員を代表して一般社団法人 超教育協会 理事長 石戸奈々子氏とソフトバンク株式会社 公共本部 本部長の池田から総評が送られました。

石戸氏は、「昨年が産学連携の可能性を示す年だったとするならば、今年は産学連携により地域が抱えている課題に対して最先端の技術や知見で解決に向けてアプローチを進めた年でした。この受賞をゴールではなくスタートとして、皆さんの取り組みをより多くの地域に広げていってほしい」と、昨年からの変化にも触れてコメント。

一般社団法人 超教育協会 理事長 石戸奈々子氏
ソフトバンク 池田昌人

ソフトバンクの池田は、「プロジェクトの目的である地域課題の解決に向け、学生の皆さんが学校や地域を巻き込んで主体的に活動に参加されていることを強く感じた」と学生たちの意欲の高さを称え、「今回は、AIをはじめとした新しいテクノロジーを用いて、利用者にとって分かりやすく浸透しやすいアイデアが多くエントリーされました。今後はAIを活用した、より新規性の高いアイデアやプロダクト開発といった事例がますます増えることを期待しています」と述べました。

ソフトバンクの池田は、「プロジェクトの目的である地域課題の解決に向け、学生の皆さんが学校や地域を巻き込んで主体的に活動に参加されていることを強く感じた」と学生たちの意欲の高さを称え、「今回は、AIをはじめとした新しいテクノロジーを用いて、利用者にとって分かりやすく浸透しやすいアイデアが多くエントリーされました。今後はAIを活用した、より新規性の高いアイデアやプロダクト開発といった事例がますます増えることを期待しています」と述べました。

ソフトバンク 池田昌人

また、両者共通の見解として、AI時代においても人間にしかできないことがあるとし、「課題解決に向けたプロセスとその中で必要な課題発見力や対話・合意形成力、価値創造力などを学生たちはこの取り組みを通じて育んだと感じており、未来の学びの姿があった」と評しました。

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(掲載日:2026年7月27日)
文:ソフトバンクニュース編集部

ソフトバンク社会貢献プログラム 産学連携プロジェクト

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「地域課題の解決と人づくり」を基本方針とし、全国の大学などと連携しながら、環境対策・ダイバーシティ・デジタル教育をはじめとする、さまざまな地域課題の解決を目指します。

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