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広がる産学連携の輪。全国57の大学・団体とソフトバンクが解決を目指す地域課題

広がる産学連携の輪。全国57の大学・団体とソフトバンクが解決を目指す地域課題

ソフトバンクと全国の大学などが連携して社会課題の解決に取り組む「ソフトバンク社会貢献プログラム 産学連携プロジェクト」。2024年3月28日に16大学との連携からスタートしたプロジェクトは、2025年1月時点で57団体と加入数を増やし、各地域の課題に寄り添いながら活動を進めています。プロジェクトの内容や各大学との取り組みについて紹介します。

大田 圭一(おおた・けいいち)

話を聞いた人

ソフトバンク株式会社 CSR本部 CSR企画統括部 CSR企画2部

大田 圭一(おおた・けいいち)

産学連携プロジェクトの全体管理や活動促進に向けた企画を担当。

引野 智史(ひきの・さとし)

ソフトバンク株式会社 CSR本部 CSR企画統括部 CSR企画2部

引野 智史(ひきの・さとし)

産学連携プロジェクトにおいて参加大学との調整や問い合わせ関連を担当。

地域課題の解決と人材育成を目指し、全国57団体との連携でプロジェクトを拡大

ソフトバンクが取り組む「産学連携プロジェクト」とはどのようなプロジェクトですか?

大田 「全国の大学などと協力しながら課題解決に向けた活動をするための仕組みです。大学が持つ専門性とソフトバンクが持つITやAI(人工知能)のノウハウを結集し、環境対策やダイバーシティ、デジタル教育を始めとする、さまざまな地域課題の解決を目指します。さらにプロジェクト内での情報共有や大学同士の連携など活動を広げることで、より大きい規模で社会貢献活動を図ることを目的としています」

地域課題の解決と人材育成を目指し、全国57団体との連携でプロジェクトを拡大

どのようなきっかけで発足したのでしょうか?

大田 「ソフトバンクではプロジェクト発足前から、社会貢献活動を推進するために約60人の社員を全国各地に配置し、自治体や企業と協力しながらデジタル社会の実装を推進してきました。また、複数の大学と連携協定を締結し、次世代デジタル人材の育成や地域創生などの活動を進めてきました。そのため各大学と社会課題解決に向けて取り組んでいましたが、それぞれの活動内容を他団体や自治体にも横展開したり連携する仕組みが作れないかと考えました。プロジェクトに参加する団体同士がつながりを広げ、より活発的な活動や効率的な実装へと発展させ、社会課題解決を図るべく2024年3月28日にプロジェクトを発足しました。発足時は16校の大学とスタートしましたが、現在は57団体に拡大し各団体での取り組み事例も出てきています」

社会課題の解決に向けて具体的にどのような活動をしていますか?

引野 「より効果的に社会貢献活動を進めるため、本プロジェクトに参加している各団体ごとに地域の経験豊富なソフトバンク社員が伴走して活動全般のサポートをしています。例えば、各団体の事例を共有したり、活動現場を訪ねてICT活用の可能性や自治体とのコミュニケーション方法など社員の目線から学生にアドバイスを行っています。またWi-Fiなど通信機器が必要な場合は貸し出しなども行いながら活動を推進しています」

各団体の取り組み事例はこちら

参加団体が集まり活動成果を共有する「シナジーミーティング」を初開催

活動内容を他団体と共有する「シナジーミーティング」も開催されたそうですね。開催の目的について教えてください。

大田 「参加団体同士がどのような活動をしているのか知る機会を作るために、成果発表会の場として『シナジーミーティング』を設けています。2024年12月12日に1回目のシナジーミーティングをソフトバンク竹芝本社ビルで開催し、オンライン参加を含めて40校が参加しました。他校の具体的な取り組みを知ることで、各校での活動をより良くするためのヒントにつながり、プロジェクト全体の活性化につなげることができました」

シナジーミーティング当日は竹芝本社のロビーに全国各地から参加する大学名を表示し参加者を迎えました。

シナジーミーティング当日は竹芝本社のロビーに全国各地から参加する大学名を表示し参加者を迎えました。

「シナジーミーティング」では、どのようなことが行われたのですか?

引野 「シナジーミーティングでは、6つの団体に登壇してもらい活動内容や活動を通じて気づいた課題、成果を発表してもらいました。また、最先端テクノロジーに触れる場として株式会社AgoopとMeta Platforms,Inc.の担当者による講演会も実施しました。参加者は人流データの活用事例や最新のVR動向を聞いて新たな気づきを得たようです。終了後、参加者からは『ソフトバンクが伴走しながら進められる仕組みがとても良い』『社会課題への画期的なアプローチを知ることができた』など満足度の高いコメントをもらっています」

参加団体が集まり活動成果を共有する「シナジーミーティング」を初開催
参加団体が集まり活動成果を共有する「シナジーミーティング」を初開催

産学連携プロジェクトの今後の展望を教えてください。

大田 「各団体での活動をより具体的かつ効率的に実装できるよう引き続きサポートしていきたいと思います。活動を推進することで地域課題の解決につながってくると思うので、解決に向けて最短でたどり着けるための進め方など、プロジェクト内で積極的に情報を提供していきたいです。
また、各団体での取り組みから部門ごとに優れた活動を表彰する『産学連携プロジェクトAWARD』も予定しています。さまざまな場面でプロジェクトを活用してもらえるよう、今後も参加大学数を増やしたり、具体的な取り組みが増えるような働きかけを進めていきたいです」

大学生 ✕ ソフトバンクで地元の課題解決に貢献

「産学連携プロジェクト」ではすでに取り組みが進んでいる大学が多数あります。各大学での取り組み事例を紹介します。

【大阪体育大学】ICTで体育授業・学校部活動・社会スポーツクラブを改革

大阪体育大学とソフトバンクは、ICTを活用した学校部活動や地域クラブ活動のスポーツ指導モデルを開発しています。部活動をめぐる社会課題にテクノロジーの力で解決に取り組むソフトバンクと、グッドコーチ養成セミナーで学生を部活動指導員などに育成する大阪体育大学の特色を生かし、2023〜2024年に大阪市内の学校で実証実験を行いました。実証実験ではソフトバンクが提供する「スマートコーチ」を使い、大学生のコーチが遠隔から中学生のフォーム動画に音声や図形でアドバイスを入れたり、「AIスマートコーチ」でお手本動画と自身の動画を比べ、コーチがいなくても自主的に部活動に向き合う姿勢が成果として出ています。

【大阪体育大学】ICTで体育授業・学校部活動・社会スポーツクラブを改革
【大阪体育大学】ICTで体育授業・学校部活動・社会スポーツクラブを改革

【武庫川女子大学】生成AIを活用したふるさと納税返礼品の商品開発

兵庫県西宮市にある武庫川女子大学とソフトバンクは、地元の自治体や企業、高校と連携してふるさと納税の返礼品を開発しました。ソフトバンク社員からサステナビリティや生成AIの活用について学んだ後、ふるさと納税返礼品に力を入れている地域の特産品から新しい返礼品を考案。生成AIを使って自治体向けの提案資料や返礼品の魅力を伝えるパンフレットを作成しました。また各自治体の担当者から話を聞いたり実際に現地に足を運ぶことで、地域のニーズに応じた商品の開発を進めました。
三重県多気町の特産物である「次郎柿」を収穫できる体験型の返礼品など、3種類7品目の返礼品が採用されました。

【武庫川女子大学】生成AIを活用したふるさと納税返礼品の商品開発
【武庫川女子大学】生成AIを活用したふるさと納税返礼品の商品開発

【名桜大学】沖縄県恩納村の環境について考える「うんな魂プロジェクト」に参加

沖縄県名護市にある名桜大学とソフトバンクは、沖縄県恩納村立うんな中学校の生徒たちと村のPRや地域課題の解決に取り組む「うんな魂プロジェクト」に参加し、「村の赤土流出を中心とした環境保護」を学習テーマに活動しました。以前からソフトバンク社員より人型ロボット「Pepper」を使ったロボットプログラミングの指導を受けていた大学生は、培ったノウハウを中学生に伝授。さらに専門家による赤土流出問題に関する環境学習を通じて「Pepper」と対話形式で進めるプレゼンテーションを作成し、村内4つの小学校で出前授業を開催しました。中学生が自ら考えた「Pepper」による恩納村の環境に関するクイズや発表を通して、小学生は楽しみながら地元の環境問題を学びました。

【名桜大学】沖縄県恩納村の環境について考える「うんな魂プロジェクト」に参加

この取り組みは、恩納村で産学官が一体となった初めての次世代育成事例として高く評価され、恩納村長から名桜大学の学生に感謝状が授与されました。

【名桜大学】沖縄県恩納村の環境について考える「うんな魂プロジェクト」に参加

その他の団体で行われている活動内容を紹介します。

※都道府県順
団体名 取り組み
石巻専修大学
(宮城県)
市内児童の基礎体力等を改善するための体力づくり支援
仙台大学
(宮城県)
ICTを活用した部活動支援事業
宮城学院女子大学
(宮城県)
多様性(ダイバーシティ)の視点と子どもたちが楽しく学ぶ教育教材の開発
国際アート&デザイン大学
(福島県)
ICTを活用した文化部部活動支援
茨城大学
(茨城県)
アントレプレナーシップ教育プログラム内での講演協力
富山大学
(富山県)
生成AIを活用した英会話教育の推進
金沢工業大学
(石川県)
小学生を対象としたプログラミング教育の実施
公立小松大学
(石川県)
小中学生向けのAI教室
青山学院大学
(東京都)
ICT活用によるシビックエンゲージメントセンター活動推進
東京大学
先端科学技術研究センター
(東京都)
インクルーシブ教育に関する講演等普及活動の実施
法政大学
(東京都)
高校生に向けたフェイクニュース対策講座の開発
立教大学
スポーツウエルネス学部
(東京都)
「ICTを活用したスポーツマンシップ講座の実施」など
静岡英和学院大学
(静岡県)
大学生講師・サポーターによる地域高齢者へのスマホ教室
大阪公立大学
(大阪府)
「認知症予防とデジタルデバイド対策の連携取組み」など
大阪成蹊大学
(大阪府)
「いけだ防災フェア」での防災意識向上の企画と啓発支援
関西外国語大学
(大阪府)
Pepperを活用した外国語学習コミュニケーションプログラム
福山平成大学
(広島県)
大学体育授業でのデジタル教育の導入とリモートによる教員研修
香川大学
(香川県)
インクルーシブ教育に関する講演の実施
香川短期大学
(香川県)
学生によるさまざまな地域連携活動を通し、地域貢献を推進
熊本大学 教育学部
(熊本県)
大学・地元企業・ソフトバンク連携によるロボット・プログラミング教育研究
鹿児島工業高等専門大学
福添ゼミナール
(鹿児島県)
地域貢献を目指した、ICTを活用したサイバーセキュリティ教育の推進
琉球大学
(沖縄県)
インクルーシブ教育に関する講演等普及活動の実施

ソフトバンクは、今後も大学や自治体などと連携を深め、社会課題解決への取り組みを全国で推進していきます。

(掲載日:2025年3月5日)
文:ソフトバンクニュース編集部

ソフトバンク社会貢献プログラム 産学連携プロジェクト

ソフトバンク社会貢献プログラム 産学連携プロジェクト

「地域課題の解決と人づくり」を基本方針とし、全国の大学などと連携しながら、環境対策・ダイバーシティ・デジタル教育を始めとする、さまざまな地域課題の解決を目指します。

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