ソフトバンクモバイル株式会社(以下「ソフトバンクモバイル」)は、2012年5月30日(水)、災害などで通信障害が発生しているサービスエリアを迅速に復旧させることを目的に、係留気球を利用する臨時無線中継システム(以下「気球無線中継システム」)の実証実験を行い、報道関係者向けに公開しました。同日開催された説明会と、愛知県稲沢市の木曽川河川敷にて行われたデモンストレーションの様子をお伝えします。
高さのある基地局を迅速に構築
実証実験に先立ち行われた説明会では、ソフトバンクモバイル 取締役専務執行役員 兼 CTO 技術統括の宮川 潤一が、「災害対応の取り組み」について説明しました。宮川は、「昨年の東日本大震災や台風12号などを経験し、『備えすぎということはない』と反省しました。この1年間、会社として真剣に災害対応に取り組んできました」として、既存設備の耐震強化工事、ネットワークセンターの無停電化、災害対策倉庫の設置など、この1年間で実施してきた取り組みの数々を紹介しました。さらに、これらの取り組みに加えて、今回の「気球無線中継システム」を開発することになった経緯について次のように述べました。
「東日本大震災の際には、サービスエリアを復旧させるために、衛星機器と簡易式のアンテナを組み立てて簡易基地局を作りました。しかし、この方法では、広範囲に電波を届けるために、自分たちで木などの高所に簡易基地局を取り付けなければなりませんでした。そこで、より簡単に高さのある基地局を作るにはどうしたらよいかと考え、気球を使ったシステムを考案しました」
そして、「気球無線中継システム」の概要や技術面に関する説明では、開発段階で実際に使われた約10分の1の大きさの模型が用いられ、集まった報道陣も熱心に耳を傾けている様子でした。
説明会終了後、実際に気球を上げている木曽川の河川敷に移動し、気球の現物やデータを収集・解析している様子などの見学が行われました。現地では、報道陣にiPhoneやiPadが貸し出され、実際に気球から発している電波を通じたデモンストレーションなどを体験していただきました。
ソフトバンクモバイルでは、引き続き実験によるデータの収集・解析、気球と地上をつなぐ土台部分の改良、緊急対応メンバーによる設置訓練などを実施し、いざというときに迅速に気球無線中継システムを使える体制の構築に取り組んでまいります。
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気球無線中継システムは実験用の周波数帯を用いているため、周辺地域の携帯電話端末などへの影響はありません。
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(掲載日:2012年6月8日)