ソフトバンクが独自開発し、2022年度より提供を開始する高校生向けAI教育プログラム「AIチャレンジ」。本提供に先立ち、2021年4月から実際に先行導入した岐阜県立岐阜各務野(かかみの)高等学校の先生と生徒の皆さんに体験談をお聞きしました。
「AIだから、できるっしょ」
怖いものなしの大胆な発想が、未来の社会を変えていく

岐阜県立岐阜各務野高等学校
岐阜県各務原市に所在する、「ビジネス科」「情報科」「福祉科」3つの専門科を持つ高等学校。「情報科」がある高等学校は、岐阜県では岐阜各務野高校のみという特色のある学校です。
お話を聞いたのは、岐阜県立岐阜各務野高等学校 情報科 1年E組
担任
鈴木 貴洋(すずき・たかひろ)先生
加持 楓花(かもち・ふうか)さん
亀井 佑月(かめい・ゆづき)さん
高校生にAIを教えるのはむずかしくありませんでしたか?
鈴木:昨年から、情報の授業を担当していますが、AIチャレンジの学習指導案の資料は問題なく理解できました。生徒が理解しやすいようにかみ砕いて教えるという点では、通常の情報の科目を教えるのと変わらないかなという印象ですね。
なるほど。AIチャレンジの教材を使ったことで、これまでの類似の授業よりも教えやすくなりましたか?
鈴木:授業の準備段階が楽でしたね。
生徒たちは映像や画像などのビジュアルを教科書で確認します。例えば、これまで情報の科目の授業では、教科書で解説しているスマホに関する情報が最新ではなく、数年前の情報しかない場合、最新のスマホの情報をインターネットから調達したり、自分の分かる知識の範囲で補足資料を準備するなどしていました。
その点においてAIチャレンジは、常に教材が最新の内容であり、学習の過程や最終的なゴールが明示されていること、また授業で必要な教員向けのツールが用意されていることが良かったです。

先生の労力を少し軽減できたわけですね。
鈴木:そうですね。あともう一つ、カリキュラムのコマ数が目安として提示されているので、授業計画に組み込みやすいなと思いました。授業計画を立てる時は、テストまでのコマ数とかを計算するのですが、そのような点で目安が分かるのは良いなと思いました。
AIチャレンジの講義をするときに、工夫していた点はありますか?
鈴木:専門用語も多くありますので、私自身の工夫として、なるべく連想しやすいようにキャラクターを使ったり、違う分野のことを例として挙げたりというように、高校生が取り組みやすいよう少し言葉を換えたりはしました。
情報の科目を教えるのは今年で2年目とのことですが、AIチャレンジを使う前と比較して、生徒の授業への関心度に変化はありますか?
鈴木:これまでの授業で使った教科書には、情報社会の未来などの記載があり、中には少し古い内容もありました。AIチャレンジでは、同じ科目の内容を一番新しい最先端の教材で実際に触りながら体験できるので、そういった意味では「最新の情報に触れているんだ」って生徒が実感している様子を感じました。
あとPepperを使う点も生徒のウケが良かったです。
そうですか。 どのようなときにそう感じたのですか?
鈴木:授業の導入の時にPepperを使ったのですが、やはりしゃべりと動きがあると関心を引きますし、授業に集中してもらいやすいところですね。
公開授業の様子
AIチャレンジを通じて、生徒の意外な一面を発見されたエピソードはありますか?
鈴木:今日一緒にインタビューを受ける生徒は、私が担任する1年生なのですが、1年生にしては、大胆な内容の発表するな、という印象でした。
「こうなったらいいんじゃないか」っていうものを怖いものなし言ってくれたと思っています。「AIだから、できるっしょ」というような感覚で、面白く柔軟な発想がいくつも出てきました。この授業を通して増えた知識もあると思いますが、社会課題に対してこういうことができたら解決できるかなという、イメージをアウトプットできる機会になり良かったと思います。
AIを学び、日常生活の視点に変化
続いて、加持さん、亀井さんに質問です。 ズバリAIチャレンジの授業を受けた率直な感想を教えてください。
加持:最初は初めて聞く言葉がたくさんあったので、その分だけ難しいところもありました。でも難しかったからこそ、普段テレビで見るようなAIのすごさを、改めて実感できたとても良い体験になりました。
亀井:私はAI を実行するまでに、たくさんの要素があり、その一つでも欠けていると実行ができないということを体験しました。
そういう点ではすごく難しいなと感じましたが、1回実行ができるととても達成感を味わえたので、すごく大変なことではあったけど楽しかったです。
授業ではどんな社会問題を解決する、どういったAI を作ったんですか?
加持:授業のなかで出たテーマ「“______”をHAPPYにする識別系AIを創ろう!」に沿って、私はコロナ禍で外出が心配な人を助ける企画を考えました。ショッピングモールのお店の混雑具合を識別系のAIで判断して、情報をウェブサイトでお客さんが確認できるような内容です。

亀井:私は若者がいない過疎地にいるお年寄りの方の話し相手に、AIが活用できたら良いんじゃないかと思い、おじいさんか、おばあさんかを、顔で認識して話し相手をするAIを提案しました。
授業を受けてみて、日常生活でAIを身近に感じたり、意識するような機会は増えましたか?
加持:授業を受けたことでAIのすごさを知って、難しくはありましたが前よりも興味は湧きました。
亀井:普段、友達と携帯で写真を撮るときに、猫の耳とかが出てくるアプリを使うことがあります。そのときに、顔を認識しただけですぐに猫の耳が出てきたりするので、AIの技術が使われてるのかなって感心しています。
身の回りのAIに気付けるようになるのですね。ありがとうございました。
AIチャレンジの詳細は、こちらのページをご覧ください。
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(掲載日:2021年10月25日)
文:ソフトバンクニュース編集部
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